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INTERVIEW

JUBEE

2024.08.10UPDATE

JUBEE

Interviewer:サイトウ マサヒロ

-「Re-create」は、どのようなコミュニケーションのもとで制作しましたか?

「PICK UP THE PIECES (Mass Infection Mix)」よりも後に制作が始まったんですけど、これは完全に剛士さんにお任せっていうか、剛士さんから提案してくれて。最初に聴いたときは衝撃でしたよ。もうちょっとデジタルな曲が来るのかと思ったら、めちゃくちゃヒップホップじゃん! っていう(笑)。タイトルは、"re-create style"っていうフレーズがデザインされてるMADのバンドTシャツから、インスパイアされました。曲自体も90年代ヒップホップを踏襲した内容だし、俺もかつての時代の音楽を吸収して、リスペクトして自分のものにするっていう信念でやってるからピッタリだと思って。それに剛士さんも共感してくれて、このタイトルになりました。

-「Vision」には、こちらもJUBEEさんがリスペクトする先輩であるJESSEさんが客演参加されています。2人で夢を語り合うようなリリックが印象的ですが、どのように制作したのでしょう?

俺が先にバースとサビを書いてJESSEさんに送るっていう形で進めました。JESSEさんは俺の兄貴みたいな存在で、一緒にいると前向きになれるし、いろんなことを教えてくれる。でも、あの人は生まれながらのスターじゃなくて、めちゃめちゃ努力をした結果カリスマになったんだって感じるんですよね。三茶で朝まで飲んだ日に、"お前、もっとスタジオ入れよ!"って言われたんですけど、それを他人に言うってことは、自分自身もめちゃくちゃスタジオで練習してるんだなと思うし。今もやってるライヴの本数エグいんじゃないですか。そうやってとんでもない数の現場に立った上で、最強JESSEができあがってるから。もともとの能力はJESSEさんも俺もみんなもそう変わらないかもしれないけど、経験値を積んだJESSEさんにしか見えない景色があるし、俺にも俺にしか見えない景色があるはず。だからこの2人でやるなら、それぞれ自分だけの景色を見ようっていう前向きな内容の曲にしたいと思ってたんです。

-なるほど。サウンド面についてはいかがですか?

お互いにKOTTONMOUTH KINGSが大好きだから、「Positive Vibes」みたいなサーフっぽい曲を目指しました。JESSEさんとやることが決まったとき、あのLAっぽいノリの構想がパッと浮かんで。

-その他のゲスト参加曲でも、ロック・シーンから清水英介さん、ヒップホップ・シーンからin-d(CreativeDrugStore)さんが1曲の中で共演した「Slowsurf」、ループ・トラックの上で牛丸ありささんの新たな一面を引き出した「Droptown」など、シーンのクロスオーバーが体現されています。

その意図はありますね。あと、意外性はいつも大事にしてます。それもhideの影響だと思うんですけど、想像を裏切る斜めからの視点の曲も作りたいから。ゲストにとっても新たな挑戦になればいいし、普段のイメージとは違うビートでやってもらうようにしています。

-オープニング・トラック「Liberation」の"まじダリーけど動きまくった結果/奴のおかげである日 使命気づいた"というラインにおける"使命"とは、そういったクロスカルチャーな試みとも関連しているのでしょうか。

あぁ、それについて細かく話すと......去年、THE ORAL CIGARETTESとAFJBで九州をツアー("WANDER ABOUT 放浪 TOUR 2023 九州・沖縄 編")したときに、宮崎に住んでる大学時代の友達をライヴに誘ったんですよ。でも、そいつが精神的な病気になっちゃったらしくて、行けないかもって言われて。だけどなんとか当日来てくれて、ライヴ中に元気そうに盛り上がってる姿が見えたんです。ライヴ後に話を聞いたら、"超パワー貰った!"って言ってて、それまでずっと体調悪かったはずなのに半年ぶりに酒を飲み始めたり、ライヴのおかげでハイになってて。翌日にそいつから"JUBEE、本当にありがとう。昨日のライヴで自分を解放できました"って連絡が来て、そのときに考えたんです。病気だったやつをそんなに変えることができたのは、俺のパフォーマンスや英介たちの演奏が良かったからとかじゃねぇなって。目の前にいた九州のオーラル(THE ORAL CIGARETTES)のお客さんも含めて、その場全体が俺の友達を救ってくれたんですよ。そして、自分を解放するってことのすごさを、その出来事が教えてくれた。実は今まで、音楽をやってる理由っていうのが自分で見つかってなくて。"なんで音楽やってるの?"って聞かれても答えられなくてモヤモヤしてたんですけど、"これをやりたかったんだ!"ということにやっと気付いた。ライヴで一人一人をブチ上がらせて解放させること。その先頭に立つのが俺の使命なんだって。だから、"Liberation=解放"をアルバムのタイトルにして、このエピソードをタイトル曲のリリックにしたんです。

-その他の楽曲でも、"どんなスタイルだろうが俺の根は B-boy/a.k.a. ミクスチャーの申し子 You know?"(「RED CAP feat. MUD」)や、"hip-hop の枠を広げる俺の役目"(「Re-create」)など、シーンの架け橋としての使命感や覚悟を感じさせるリリックが目立ちますよね。

たしかにそうですね。人から期待されることも多くなったし、スタッフも増えたし、背負うものが大きくなったから、いろいろな出会いを経て自然に変わったんだと思います。

[JUBEE 2nd Album Tour 2024 "Liberation"]の意気込みはいかがですか。

めちゃめちゃ気合入ってます。今回は全箇所1回以上行ったことのある現場でやるんですけど、個人的には特に奈良を推したくて。Age Factoryのお膝元ということもあってもう20回ぐらいは行ってるんですけど、めっちゃ好きな場所なんですよ。だから、今回は大阪のお客さんも奈良に連れていきたいと思ってます。もちろん各地でいいパフォーマンスをできるようにやってるんで、楽しみにしてほしい。もう、早くやりたくてしょうがないっすね。

-フロアのオーディエンスに期待することはありますか?

もちろん自由に楽しんでほしいんですけど、解放するために前日はゆっくり寝て、全部使い果たす気持ちで臨んでほしいっすね。夜は酒を飲みながらのDJパーティーも企画するんで、そのための体力も作っておいてほしいです。

-ロックのリスナーはアフター・パーティーという文化に慣れてないかもしれないけれど、そこも楽しんでほしいですね。

そうそう、本当に。やっぱり、俺のお客さんっていろんな人が交ざってて面白いんですよね。

-最後に、ヒップホップのアルバムにあまり触れないというリスナーも含めて、激ロック読者へのメッセージをお願いします!

ミクスチャー・ロックで育った男として、これからまたその時代を取り戻していくつもりなので、ミクスチャー・ロックが好きな人はぜひ聴いてほしいです。上田剛士さんやJESSEさん、Age Factoryの清水英介やyonigeの牛丸ありさといったロック・シーンからのゲストも含め、ロック・ファンも入りやすい作品になってるし、好きになってもらえる自信はあるので。

TOUR INFORMATION
JUBEE 2nd Album Tour 2024 "Liberation"


8月23日(金)福岡 The Voodoo Lounge
GUEST LIVE:OMSB

8月24日(土)神戸 RINKAITEN ※"Otohatoba 10th Anniv. Party Day.4 feat. ZVocal"
・DAY
RELEASE LIVE:JUBEE
LIVE:Neibiss / purehurts2001 / Naotaka Ose / Push / Yameta / PINKBLESS / 日本猿 / ps4
DJ:nami de zzZ / sorry_cherry / Imkaka
VJ:HAL
・NIGHT
LIVE:JUBEE / Yohji Igarashi / MP5 / issa (FULLHOUSE) / 64DX / WÖNDER GIRL / No-key

9月23日(月・祝)宮城 仙台 CLUB SHAFT ※" healer vol. 4"
GUEST LIVE:JUBEE
ACT:uta / TAKABUN / ryuki obara / MezmerVöN / FEVERNOVA / reu / AZLEA
VJ:SPORTS SHOES