MENU

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

Genesis Girl

2024.04.15UPDATE

2024年04月号掲載

Genesis Girl

Member:Mei Nana Anji Yu-hi Cina

Interviewer:宮﨑 大樹

アルバム『BABEL』は私たちの軌跡


-様々な曲があるなかで、Genesis Girlの代表曲と言えばどの曲でしょうか?

Mei:キラーチューンで言ったら「少年の詩 ~Humanism~」だと思うんですけど、代表曲ってなるとなんだろう。「偶像連鎖 ~アイドルレンサ~」かな、プロデューサーは「Look alive」が大好きです(笑)。初期が「Look alive」と「少年の詩 ~Humanism~」と「偶像連鎖 ~アイドルレンサ~」の3曲なので、やっぱりその3曲にGenesis Girlのイメージがあるのかな。

Nana:東京進出を機に「JUMP」や「PUSH」のようにまた違う曲調の曲を出し始めたので、名古屋から知っている方と、東京から私たちを知ってくださる方だと、また違う印象があるかもしれません。なので、名古屋の方には新しい姿を見せられるし、東京の方にはクラシックな要素がある曲も歌える姿も見せられるし、2種類のジェネガを見せられるのかなと思います。

-Genesis Girlの楽曲の中には、都市伝説やカルト的なワードが取れ入れられた「Fake」のような曲もありますよね。

Nana:「Fake」は私のおすすめ曲です。私は中二病なんですけど、歌詞にある陰謀論とか、解明されていない謎ってすごく魅力的だなと思うんですよ。そういうところが聴いていて面白いですし、曲調がカッコいい系なのでぜひ聴いていただきたいですね。

-そういう、いわゆるアイドル・ソングらしくない歌詞って、歌うときの感情の作り方が難しくないですか?

Mei:普通の楽曲よりも難しいです。アイドル・ソングだったら"かわいい"を届ければいいけど、「Fake」だったら私たちも最初は意味がわからない言葉ばかりでしたし、「フィーバー!!」だったらピー(※自主規制音)みたいな感じじゃないですか(笑)。言葉を細かく言わないと伝わらないので、活舌を気にして歌っていますね。単語をしっかり届けられるように、それとリズムを気にして歌っています。

Yu-hi:名古屋時代にこの歌詞はどういう意味でつけたんだろうってメンバーで話したんです。そこで曲の方向性みたいなものを確認したあとに、それぞれの感情の乗せ方があって。

Mei:意味がわからない単語ばかりなんですけど、その中に歌詞の想いがあったりするんですよね。そこから深く読み取って、各々で歌詞を解釈して想いを込めて歌っている感じです。

-みなさんって真面目なタイプが多いんですね。

Mei:みんな陰キャなんですよ(笑)。全員根が暗いので、とにかくやってのけるというよりは、ひとつのことを深く追求して、自分の中で落とし込む子たちが多いと思います。

Yu-hi:だからプロデューサーさんに"もっとはっちゃけていいんだよ! もっと悪いことしていいんだよ!"とか言われるんですけど、いやいやいやいや......みたいな(笑)。

Mei:ライヴ中にスピーカーに足を置く人とかいるじゃないですか? Nanaちゃんとかは、それに戸惑っちゃって腰が引けていましたもん(笑)。

Yu-hi:楽屋で(ライヴハウスのルールを)めっちゃチェックします(笑)。

-(笑)でも、陰キャなみなさんに合った音楽をやっているんだなとは思います。

Nana:そうですね。ただ、暗い楽曲だと本当に暗くなって、誰も寄りつかなくなっちゃうのでそこは気をつけたいです(笑)。

-そんなジェネガの楽曲たちが収められたアルバム『BABEL』が4月19日にリリースされます。

Mei:ひとつの作品になったことで、これまで言っていたように物語のようなアルバムになると思います。私たちの軌跡というか、そういうものも含めてアルバムに全部注ぎ込めたらなと。メンバーが作詞した楽曲も含まれているので、そういうところにも注目していただけたら嬉しいです。ちなみに、みんな新しくレコーディングしたんですけど、私の声は2年前くらいに録音したままの高校生みたいな声なので、今の私を観にライヴにも来てほしいですね(笑)。

-それぞれ作詞に参加した曲について解説いただけますか?

Mei:私は「prime star」という曲の作詞をしたんですけど、Genesis Girlの中では比較的J-POP寄りの楽曲になっていて、ロックを聴いたことがない方でも入りやすい曲になっています。星がテーマになっているんですけど、誰かの背中を押したり、悔しい気持ちやつらい気持ちを優しく包み込んだりするような楽曲を目指して作詞しましたね。

Cina:私は「JUMP」という曲をNanaちゃんと一緒に作詞しました。私はメイン・パートを作詞したんですけど、さっきも言ったような恋愛のドロドロした感じが好きなんです。「JUMP」という曲は、曲名と一緒でサビに"Jump! Jump!! Jump!!!"って歌詞が入るんですね。"Jump!"って聴いたら普通は飛び跳ねるものを思い浮かべると思うんですけど、それだと王道系、かわいい系になっちゃうので、喩えですけど"クスリを飲んで飛んじゃうけど、誰かのことを想っている"みたいな歌詞にしたくて。内に秘めている想いがそれと同時に出ちゃった、みたいな歌詞のイメージで書きましたね。

Nana:私は「JUMP」のラップ・パートとセリフ・パートを担当させていただきました。Cinaちゃんの歌詞が完成してから穴埋めみたいな感じで書いたんですけど、イメージがクスリ系? だったので、そっちをベースにしました。王道の少女漫画みたいな恋愛、結ばれる恋愛はジェネガのイメージ的にたぶん合わないなということで、もっと泥臭く、人間の本能みたいなところを意識して書いたんです。ただ単純に"好き"って伝えるのではなく、"君を鎖で繋いで"とか"君の為なら僕、HeroにもVillainにもなれるの"とか、それくらい好きなんだよという想いを、重く受け取ってほしいですね。

Yu-hi:ふたりが「JUMP」の作詞をしているところを横で見ていて、私に作詞は無理だと思ったんですよ。語彙がないだろうなと思っていたんですけど、ふたりが悩んでいるときに"これどうかな"みたいな感じで案を出していたりして。私が書いたわけではないんですけど、一緒に作っていくことで、Genesis Girlの楽曲により想いを込められるのかなと思っていますね。

Mei:だからいつかメンバーだけで作詞作曲したいんです。ギターもやって、ピアノもやって。

-それはもうバンドじゃないですか(笑)。個人的にアルバムの中で特に衝撃を受けたのは「偶像連鎖 ~アイドルレンサ~」でした。

Mei:「偶像連鎖 ~アイドルレンサ~」を路上ライヴとかでやると、外国人の方がすごく来るんですよ。なので、曲の力がすごくあるんだなと思いますね。私たちも初めて聴いたときに"なんだこれ、すごいな"と思いましたし、パワーのある曲だなと。

-歌詞がライヴ・アイドルへの批判というか、とにかくすごく尖っていて。

Mei:トゲトゲですね(笑)。

-歌っていいのか不安になりませんでした?

Mei:ビビり散らしていました(笑)。ラップ・パートで実在するアイドルさんの名前を出すんですけど、最初は聴こえないようにごにょごにょ言っていたよね?

Nana:......はい。でも最近はゴリゴリです!

-これ、メンバーのみなさんとしても共感を持って歌っているんですか?

Mei:そうですね(笑)。アイドルが思っているけど言葉に出さない部分を歌詞にしているイメージなので、私たちもストレス発散しながら歌わせてもらっています。

Yu-hi:この曲を歌うときはみんな声が太くなるんですよ。力が入っているんだなぁって。サビの"「推し変」穢れた世界"とかすごい(笑)。

-そんなトゲトゲな曲なのに、イントロがバッハの「小フーガ ト短調」なんですよね。まさかバッハ先生も自分の曲がこういうふうに使われるとは思っていなかったでしょう。

一同:(笑)

Mei:本当ですよね。バッハ先生にはいつも感謝しながらやらせていただいています(笑)。

-それと「少年の詩 ~Humanism~」もとてもいい曲です。

Mei:私はこの曲がどうしてもやりたくて"Genesis Girlをやらせてください"と社長に頼み込んだくらい思い入れのある曲です。曲調は爽やかだけど力強い感じで、夢を持っている人なら誰しも勇気を持てるような、背中を押されるような1曲だと思っていて。私自身もこの曲に背中を押されたので、たくさんの人に届くといいなと。ライヴでも、会場をひとつにできた感覚を一番持てるのがこの曲なんです。歌っていても、一番気持ちが入るというか、そのライヴが良かったかどうかはこの曲で決まるくらいの楽曲なのかな。

Nana:アウトロでファンの方とオイオイ言えるパートが入っているのが唯一この曲で。ほかの曲はパフォーマンスを見せるという感じなんですけど、ライヴの物語のフィナーレとして、フロアにいる全員でひとつになろうと一体感を作れるのがこの曲なのかなと思います。

-さて、ここまで話を聞いてきた『BABEL』というアルバムは、改めてどんな作品になったと思いますか?

Mei:ふたり時代から最新の曲まで入った、Genesis Girlの始まりのアルバムだと思いますね。これからもたくさん楽曲を出していきたいですし、ロックの中でももっといろんな楽曲を出していきたいんですけど、そのうえでここからが始まりみたいなアルバムですね。ぜひ手に取っていただきたいです。