"オーケストラ×ラウドロックを基調とした本格派サイバー・メタル・アイドル"、Genesis Girl。バッハの「小フーガ ト短調」とラウドロックの融合など、独自の音楽性で突き進む注目の新星だ。このたび、名古屋から東京のロック・アイドル・シーンに進出した彼女たちが、初期楽曲から最新楽曲までを詰め込んだアルバム『BABEL』をリリースする。iTunesメタル・チャートで連続1位を獲得した楽曲がズラリと並ぶ本作。激ロック初登場の彼女たちに、グループの成り立ちからアルバムについてなど、たっぷりと訊いた。

－激ロック初登場ですので、まずはGenesis Girlの紹介をお願いします。

Nana：私たちはオーケストラ×ラウドロックを基調とした本格派サイバー・メタルをやっていて、ライヴ・アイドルとしてパフォーマンスや歌にすごく力を入れているグループです。

－もともと名古屋が拠点だったんですよね？

Mei：そうですね。もともとは名古屋の大須商店街を拠点に活動しているOS☆Uというグループの派生ユニットとして誕生したグループなんです。そのときは私ともうひとり、今は卒業したメンバーのふたりで活動していたんですけど、私がひとりになったときにジェネガ（Genesis Girl）の楽曲をもっとたくさんの方に知ってほしいと思って、新しくメンバーを募集して東京に出ました。

－東京進出にはどんな狙いがあるんですか？

Mei：名古屋のアイドル・シーンは広くなってきているんですけど、それでもロック・アイドルという文化でいうと東京のほうが広いんです。本当にたくさんの方に知ってほしかったので、海外進出も視野に入れて"東京から世界に"という目標で出てきた感じですね。

－東京のアイドル・シーンはどうですか？

Mei：東京全体でライヴハウスが多いなと感じますし、下北沢とかだとロックに熱い方が多いなと感じていて。名古屋にいるときよりも"ロックだね。すごくいいね"と褒めていただくことが増えましたね。

－そういう意味では東京進出に手応えを感じていると。

Mei：でもまだ半年とかなので、まだ1歩目でもないくらい。半歩くらいしか進めていないので、もっとたくさんの方に知っていただきたいですし、ロック好きな方にも聴いていただきたいと思っています。

－オリジナル・メンバーのMeiさん以外のみなさんは、どうしてこのグループに入ろうと思ったんですか？

Nana：私はもともとMeiちゃんと大学の友達で。芸能を目指すコースに入っていたので、大学卒業後は東京に出て芸能活動をしたいと考えていたんです。そのときに"Genesis Girlというグループで東京に行くんだけど、一緒にどう？"という話をいただいて。Meiちゃんのライヴは観ていたし、カッコいいのも好きなので、このグループに入りました。

Mei：スカウトですね。その学校に友達はたくさんいたし、みんな芸能を目指していたんですけど、その中でも努力家なNanaちゃんだったら一緒にできるかもと思って声を掛けた感じです。

Cina：私は小さいころからモデルとかアイドルとかいろいろ活動をしていたんですけど、高校受験のときに1回バッサリとやめてしまって。だけど、学校生活を送っていくなかでアイドルをやりたい気持ちが高まって、最初はこの事務所の東京のグループのオーディションを受けたんですけど、そのグループが王道系だったんですよ。私はピアスが開いていたので、社長さんとかから"名古屋でジェネガとして活動するのはどう？"と薦めてもらって。それで音楽を聴かせてもらったらめちゃくちゃロックで、私もこっち系の音楽でやっていきたいと思って、ジェネガに入りました。

Mei：要はピアスが開いていたからジェネガに入ったという（笑）。

一同：（笑）

Anji：高校2年生から将来についてよく考えるようになり、芸能界を目指す夢を諦めきれずいろんなオーディションを受けました。最終審査に行ったものもあれば、書類で落とされてしまうものもあって、"これで最後"と決めたオーディションで落ちてしまいました。違う道を考えていたのですが、当時通っていた芸能スクールのボイトレの先生に背中を押していただき、ジェネガと出会いました。ライヴを実際に観させていただいた際に、音楽がとても私好みで、パフォーマンスのレベルが高くて"私なんかにできるかな"と思っていましたが、仲間に入れていただくことになりました。

Yu-hi：私も芸能系の専門学校に通っていて、もともとはミュージカル専攻で勉強していたんです。アイドルは昔から好きだったし、今しかやれるチャンスはないと思っていろんなオーディションを受けたけど、なかなか通らず......。それで、これを最後にしようと思って受けたのがこの事務所のオーディションで。もともとはOS☆Uさんのオーディションを受けたんですけど、声を聴いていただいて"あなたはジェネガのほうが合うんじゃない？"とお話をいただいたんです。楽曲が自分の好きな感じだったので、このグループでやってみたいと思って最終面接を受けたら、そのときにMeiちゃんが審査員でいて。Meiちゃんがいなかったら私は今ここにいないですね。

Mei：私が推薦したというか、ハモリ担当がひとりもいなかったんですよ。ハモリってできる人とできない人が生まれつきレベルというか、才能だと思っていて。（Yu-hiは）それができる子だったし、唯一無二の声だと思ったので、どうしても欲しいという話をしました。

－Yu-hiさんってあとから加入していますけど、グループのリーダーなんですよね。

Yu-hi：名古屋で活動していたときは、リーダーとかそういう役割はなかったんですけど、東京に来るタイミングで"どう？"って。

Mei：私の芸歴は異様に長いんですけど、私がリーダーになっちゃうとみんなが後ろからついていっちゃうじゃないですか。そういう舵の取り方はしたくないなと思って。5人で1列になりたいという想いがあるし、（Yu-hiは）わりと周りを見ることができる子なので、後ろから支えるタイプのリーダーにここからなってほしいですね。"ONE PIECE"で言うとウソップみたいな立ち位置になってほしい。

Yu-hi：Meiちゃんは私が引っ張っていくタイプではないというのはわかっていて、それを加味して"自分も引っ張っていくから後ろから支えてほしい"という言葉を貰ったので、その期待には応えたいです。

－Nanaさんに紹介いただいたように、音楽については"オーケストラ×ラウドロックを基調とした本格派サイバー・メタル"をやっていますけど、そんなGenesis Girlの音楽の特徴や好きなところはどんなことですか？

Nana：メタルとかロックを基調にしているグループではあるんですけど、楽曲のイントロにオーケストラのヴァイオリンだったりピアノだったりの音が入ってくるので、オラオラではなくちょっと優雅な曲調のものもあります。あとは歌詞がギリギリを攻めていたりして、アイドル目線できわどいところを行っている面白さもあると思いますね。そういう曲はラップが特に合うんですよ（※Nanaはラップを担当している）。

Mei：Genesis Girlの楽曲はサブスクのメタル・チャートに15曲連続でチャートインしていて、楽曲は全体的に曲の構成が面白いものが多いです。特に「Look alive」（2019年配信リリース）という最初のほうからある楽曲は、セリフがあったり、QUEENの「Bohemian Rhapsody」のように急にクラシックになったかと思えば急にロックの曲調になったりして、普通のアイドルにはない面白い音楽性がロック・ファンの方には刺さるんじゃないかなと思っています。

Yu-hi：クラシックなところから急にギター・ソロが入ったりして、わくわくする曲が多いと思うんですよ。そういう楽曲がある一方で「スーパーミラクルジェット!!!!!!」（2021年リリースのデジタル・シングル）みたいに、かわいらしいアイドルが好きな方でもノってくださる曲もあります。ジェネガを初めて観た方に、"観ていてミュージカルみたいだった"と言ってもらえることが多くて。一曲一曲で区切られているんじゃなくて、最初から最後まで物語みたいに観ることができる楽曲ばかりなのかなと思っています。だからロックやアイドルに触れてこなかった方でも楽しめますね。

Cina：恋愛の曲って、アイドルだったら"好き"とか直接的な言葉が入ってきたりすると思うんですけど、ジェネガの「Loveless」という曲で言えば、大人の恋愛みたいな、ドロドロした恋愛を王道系のアイドルとは違った言葉で表現しているんです。なので、刺さる人には刺さると思います。恋愛という分類ではあるんですけど、直接的に"好き"と歌うんじゃなくて、ストーリーっぽく表れているのが聴きどころかなと。

Anji：ジェネガの曲は、ほかのアイドルではあまり聴いたことのないオーケストラと融合している曲があるのですが、私は加入時にジェネガの曲を聴いて、"この歌を歌いたい！"と思いました。個性的でカッコいいジェネガの曲を、ぜひみなさんに聴いていただきたいです。