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INTERVIEW

i.D.A

2024.03.14UPDATE

2024年03月号掲載

i.D.A

Member:Xeno(Vo) リゼ(Gt) カナメ(Ba) レン(Dr)

Interviewer:杉江 由紀

"光の道しるべ"はここに示された。今年で結成から6周年を迎えるi.D.Aが、2024年第1弾作品となるデジタル・シングル『ATLĀS』のリード・チューン「SIRIUS」で表現しているのは、きらびやかな星空の世界と、遥かなる宇宙に思いを馳せる人間の複雑な心模様で、スケール感あるサウンドと良質なメロディ・ラインはそれらを鮮やかに映し出すのである。4月からは自身最大規模の6都市7公演ワンマン・ツアー"i.D.A ONEMAN TOUR「逆さ月の摩天楼-TOKYO-」"に臨み、5月30日には渋谷REXでツアー・ファイナルを迎えることになるというi.D.A。ここまでに経験してきたすべての出来事は彼らの血肉となり、やがてはi.D.Aをよりたくましくも光り輝くバンドへと変えていくに違いない。


"現実逃避だって/光の道しるべで"という歌詞は――聴いてくれるみんなに前向きな捉え方をしてほしい


-i.D.Aにとって2024年第1弾作品となるデジタル・シングル『ATLĀS』を制作するのにあたり、テーマやコンセプトの面で明確な狙いを持っていたところはあられましたか。

リゼ:作曲をしている僕からすると、まずリード曲の「SIRIUS」については作りだす段階で"冬の星空"をイメージしていたというのがありましたね。衣装も"星空"を意識していて、今回は全員が深めの青色を基調としたデザインで統一してるんですよ。

-星といえば、この"ATLĀS"というシングル・タイトル自体も牡牛座の27番星を指す言葉ですものね。

リゼ:実は、去年の11月30日に名古屋CLUB QUATTROでやった前回ツアーのファイナルが"i.D.A 5th Anniversary ONEMAN TOUR『continue to illuminate』FINAL『ATLĀS』"というタイトルだったんです。今回のシングルには、そのままそこから取って"ATLĀS"と付けました。

Xeno:去年5周年のタイミングでツアー・ファイナルを迎えたとき、心機一転じゃないですけど、バンド全体のイメージを一新したいっていう気持ちが生まれたところもあったんですよね。今回のシングルはその気持ちを引き続き表したもの、だと言えます。

リゼ:そういうこともあって、特にリード曲の「SIRIUS」に関しては作っていくときにキャッチーさを重視していきました。今までにもキャッチーな曲はいくつかありましたけど、今回は個人的に好きというのもあって、アニソンの要素というか雰囲気を取り入れて作ったところがあります。イントロから壮大なストリングスを入れたところとか、サビ終わりまでの長さがだいたい1分30秒くらいっていう曲のサイズ感とかも含めて(笑)。

-ちなみに、ひと口にアニソンと言っても流行りの異世界転生モノからロボット系までいろいろありますよね。リゼさんが「SIRIUS」を作っていくときに想定されていたのはどのタイプのアニメでした?

Xeno:これは"遊☆戯☆王"シリーズでしょ!

リゼ:あー、世代的にもそれはあるかも(笑)。

カナメ:いろんな先輩バンドさんたちも"遊☆戯☆王"の曲やってますしね!

リゼ:ほんと、たしかに「SIRIUS」に関してはワクワクできそうな冒険もののイメージがありましたね。

-となると、「SIRIUS」の詞を書く際にはXenoさんとしてもそのようなイメージを意識されていたところがあったわけですか?

Xeno:そうですね。それプラス、i.D.Aとしては去年の11月に5周年を迎えたんですけど、実はこのバンドで初めてリリースした曲が星をテーマにした「神話双星記」(2019年リリースの1stシングル表題曲)という曲だったんですね。あれから5年経って、メンバー・チェンジがあったり、音楽の方向性も時の経過とともに変わってきたなかで、5周年を越えた先の新しい1歩をここで踏み出すんだという姿勢を詞で表したいという気持ちも大きかったです。

-つまり、i.D.Aにとって『ATLĀS』は6年目の第1弾作品でもあるわけですね。

Xeno:僕とリゼがオリジナル・メンバーで、カナメ、レンがあとから入って今の体制になったんですけど、それからは約2年ですね。

-ドラマーであるレンさんからすると、この2年くらいi.D.Aの一員として稼働してきているなかで、"このバンドのメンバーで良かった"と感じるのはどのようなときですか。

レン:だいたいドラム・パターンは自分で考えてるのもあって、そんなに激しくないキャッチーな曲でも目立てる場面を作れるというか(笑)、わりと自由にやりたいことや、ちょっとドラムのことを知ってる人からすると"かっこいいな"って思ってもらえそうなことがいろいろできる点が楽しいですね。

Xeno:ライヴのときも、結構ライヴ用のアレンジで叩いたりしてるもんね。

レン:今回の「SIRIUS」をレコーディングしていくときも、デモの段階でドラム・パートはカッチリできてたんですけどね。自分としては、そこに得意な手癖っぽいフレーズをさらにどんどん詰め込んでいった感じでした。もちろん、歌の邪魔にならないようにっていうことは意識しながらギリギリのところまで攻めています。

-では、「SIRIUS」のベースラインについてはどのように固めていくことに?

リゼ:そこはデモの段階だとかなりラフでした。基本はルートで、あとは"こんな雰囲気で"ってカナメに伝えたくらいでしたね。

カナメ:とは言ってるけど、実際は9割くらいできてました(笑)。でも、そこに自分なりの"我"も入れていくことができたと思います。この1年くらいって、前に比べると音楽的なところだけじゃなくて、ライヴでのMCや、衣装デザインのときなんかも含めて、"自分はこうしたい。こうじゃなきゃイヤだ"っていう自己主張をより明確にできるようになったところがあって、今回の「SIRIUS」でもベーシストとしての自分の欲求を抑え込まずに生かしていくことができたなという実感があるんです。

リゼ:カナメがいろんな場面で自己主張をしてくれることで、僕たちもそれに刺激を受けることができますからね。このところは、そういういい相乗効果がi.D.Aの中でたくさん生まれてる気がします。

-作曲者であると同時にギタリストでもあるリゼさんは、この「SIRIUS」という楽曲の中でどのようなプレイを心掛けられたのでしょうか。

リゼ:僕はもともとギター・ロックが好きなんで、ギター・リフ自体もメロディの要素が強いフレーズとして弾くことが多いんですよ。そして、より歌を引き立てたいという気持ちもあったので、「SIRIUS」に関してはギターだけじゃなくて楽器パート全体をメロディ重視で作っていった感じでした。プレイ面では感情表現もかなり大事にしていて、ヴィジュアル系のギタリストっていうと表情とか崩さずにカッコつけて弾くみたいなイメージもあると思うんですが、自分の場合は音にも弾いてるときの顔にも感情がそのまんま出てるような弾き方をいつもしてますね(笑)。

-特に、イントロのキラキラしたギター・フレーズは「SIRIUS」らしい星空のイメージを彷彿とさせる部分になっている印象です。

リゼ:付点8分のディレイをかけてキラキラさせたギターの音と、そこにストリングスの音やピアノを重ねることで、あのイントロでは星空ならではのスケール感を出すようにしたんですよ。自分でもそのあたりはすごく気に入ってるところです。

-それだけの輝きがこもった「SIRIUS」という曲を歌っていくのにあたり、Xenoさんがヴォーカリストとして大切にされていったのはどのようなことでしたか。

Xeno:曲がこれだけ王道的なキャッチーさを持っているので、やっぱり歌のメロディの特徴や抑揚は大事にしなきゃいけないな、という気持ちで向き合っていきました。

リゼ:細かいところは、まずプリプロで詰めていったよね。いつもレコーディング前にはプリプロで歌のことを僕がああだこうだ言うので、Xenoは"プリプロ嫌い!"ってよく言ってます(笑)。

Xeno:っていうか、レコーディングもめちゃくちゃ嫌い! ただ、頑張って終わったときには毎回"やって良かったな"って思うんですよね。作品として完成して、歌を褒められたり歌詞を褒められたりすると、それはもう純粋に嬉しくなっちゃいますし、努力とか苦労ってちゃんと報われるんだなって感じるんです。だから、いろいろ大変なことはあってもバンドはやめられません(笑)。

-"現実逃避だって/光の道しるべで"というくだりから始まる「SIRIUS」の歌詞は、そうしたXenoさんの経験や実感も投影したものになっているのでしょうね。

Xeno:何か目標とか夢とかがある場合、責任感を持ったうえでそこに向かっていくのは大事なことかもしれないけど、それにとらわれすぎて心病んじゃったり、自分を責めすぎてしまったりした結果、自分の人生を楽しめなくなっちゃうような事態って"どうなんだろうなぁ?"って僕は思うんですよ。"逃げるのは恥"っていう考え方もありますけど、"逃げるが勝ち"っていう言葉もありますしね。そういう意味でいくと、歌い出しの"現実逃避だって/光の道しるべで"という歌詞は、聴いてくれるみんなに前向きな捉え方をしてほしい部分なんです。

-"僕らを歩かせてるのは/望まない結末ばかりだ。"という部分も、一見するとネガティヴな表現に見えますが、これも実はポジティヴな言葉ですよね。

Xeno:僕ら自身がさっきも言ったようにメンバーの脱退っていう局面を3回繰り返してますし、そこから歩んできての今があるんですよね。そして、今この4人で笑えてるのはあのときの"望まない結末"があったからこそなのかなとも考えられるかもしれない、っていうことを少しセンチメンタルな言葉で書いたのがそこの部分の歌詞なんです。性格的に何事も引きずりがちなところがあるんで、わりとそれが詞に出ちゃうんですよ(苦笑)。

-もっとも、誰しもハッピーで楽しいだけの毎日を過ごせるわけでもありませんのでね。Xenoさんの描く、落ち込んだり悩んだりもしつつ前に進んでいる姿勢を示した歌詞にはリアリティがあって、共感される方もきっと多いのではないでしょうか。

Xeno:そこはぜひ、自分のことに置き換えながら「SIRIUS」をみなさんに聴いてもらえたらと思います。