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INTERVIEW

Alternation of Generations

2022.09.28UPDATE

Alternation of Generations

Member:DANCHO(Vo) YOSHIHIRO(Gt) Ryosuke(Ba) FUMIYA(Dr)

Interviewer:杉江 由紀

ヤバい、イカレてる、とんでもない。そんな言葉たちがやたらと似合う、徹底的にやりすぎなニュー・カマーのバンドがここに見参! その名はなんと、堂々のAlternation of Generationsだ。日本のメタル・シーンの閉塞した現状に対して、真っ向からではなくあえての斜めポジションから勝負を挑む彼らがこのたびメジャー・デビューEPとして発表する『P.O.P』は、名は体を表すの言葉通りにポップな聴きやすさを持っているうえに、ハイテクニカルなトリッキー・サウンドであふれ返っているという、とても面白いパラドクスを持った斬新な仕上がりとなる。A.O.G(エーオージー)の愛称で今後シーンを派手に席巻していくことを目論む彼らの第1歩を見逃すな!


うちは"ギター・ソロ飛ばしてみろ。まだギター・ソロ弾いてるぞ"っていうバンド(笑)


-Alternation of Generationsは、今夏にSpotify O-WESTでのイベントにてデモンストレーション・ライヴを行い、その存在を明らかにした新バンドとなります。このたびはメジャー・デビューEPの『P.O.P』を発表されるわけですが、ここではまずいつどのようにこのメンツが集まって動き出すことになったのか、という経緯と理由について教えてください。

DANCHO:実はですね、これはコロナ禍前からあった企画だったんですよ。YOSHIHIROとは彼が前にやっていたバンド(ギルド)のときから知り合いでしたし、ここ数年はセッションとかの別現場とかで絡む機会が増えてたんですね。

YOSHIHIRO:いろんなセッションで一緒になったり、あとはふたりで、アコースティックでライヴをやったり、なんていうこともありました。

DANCHO:そういう流れから、俺としては、YOSHIHIROと何かプロジェクトをやってみたいなという気持ちに至りまして。それも、尖りすぎたプロジェクトというのを。だから、俺はYOSHIHIROに、"普通の人だったら絶対にやりたくないようなことをやれたら面白いと思うんだけど"っていう話を、コロナ禍前からしてたんです。

YOSHIHIRO:あれがたしか2019年夏とかだったはずですよ。

-かれこれ3年以上前のことだったのですね。ちなみに、DANCHOとYOSHIHIROさんが揃って以降、リズム隊の人材集めはどのようなプロセスをたどっていかれることに?

YOSHIHIRO:ホルモン屋でDANCHOとメシ食いながらその話をした時点で、僕の中ではRyosukeがベースだろうなって思ってましたね。Ryosukeとは10年以上の付き合いがあって、どんなプレイをするかもよくわかってたんで、その場ですぐ連絡したんですよ。そうしたら即答で"やる!"って言ってくれたんです。

DANCHO:ただ、僕はその段階だとRyosukeのプレイがどんなのかまったく観たことかったんですけどね。前にYOSHIHIROの誕生日イベントが2デイズであったときにニアミスをしたことはあって、1日目にRyosukeはインスト・バンドで出てたらしく、俺はその翌日にB'zのコピー・バンドで出ました(笑)。

Ryosuke:だから、僕とDANCHOは打ち上げで"初めまして"だったよね(笑)。

DANCHO:でも、前から噂はすごく聞いてたんです。"イカレたやつがいる"って。

Ryosuke:あははは(笑)。それはどういう意味で?

DANCHO:たぶん、プレイも人格もすべてがイカレてるっていう意味なんだろうなと俺は思ってた(笑)。

YOSHIHIRO:その解釈は合ってると思う。プレイがイカレてるやつは、たいていその本人もイカレてることが多いよ(笑)。

DANCHO:って言ってるYOSHIHIROも、完全にイカレてるからね(笑)。だからこそ、俺は音を聴いてなくても"間違いないな"って思ったんです。YOSHIHIROが強く推すってことは、絶対に良くも悪くもヤバいやつなのが確定ですから。

-なるほど(笑)。

DANCHO:やっぱり、自分としてはNoGoDを15年くらいやってきて、NoGoDでやれることのラインがある程度は見えてきちゃったっていうのが、どうしてもあったんですよ。そのラインを超えたらバンドとしてNoGoDが破綻してしまうとか、メンバーの賛同を得られないみたいな感覚があることはわかっていたんですね。だけど、それでもいちアーティストとしては、"もっとその先"へ行きたいという気持ちがどんどん強くなっていったときに、とにかく誰がどう見ても"やりすぎだよ!"っていうバンドをやってみたくなって、結果"こう"なりました。

-トゥーマッチであることをアドバンテージとするバンド、というコンセプトは、各人の技量にそれなりの自信がないと実現できないものだと思いますので、DANCHOの気持ちに応えてくれる人材がここに揃ったのは大変素晴らしいことですね。

DANCHO:そうなんです。要は、音楽に携わってきたひとりの人間として俺は上手い=カッコいいであってほしいというか。特にメタルとかプログレとかの激しい音楽は、自分の願望としてそうあってほしいんですね。でも、今の時代は音楽にテニクカルな要素とは別のものが必要とされることも多いし、その需要もたしかにわかるとはいえ、俺は上手いって絶対だなって思いたいタイプなんですよ(笑)。

-そのお気持ちはよくわかります。卓越した職人技を堪能することができる音楽として、メタルが特化し進化してきた歴史は厳然とした事実として否めないものですものね。

DANCHO:だってね、メタラーってイカレてるだけあって基本的にヲタクが多いんですよ。青少年のときに周りが夏とか海に行ったり、花火したりして楽しんでるときに、メタラーはずっと部屋にこもって楽器弾いてるんですよ? そういうやつらが報われない世の中は嫌だなって俺は思うんです。

-報われる/報われないどころか、昨今は"ギター・ソロ不要論"までが叫ばれるようになり、その件がバズったりもしていたわけで、これはなかなかの由々しき状況ですよね。

DANCHO:そうそう。エレキ・ギターの時代は終わった、なんて言われたり。

YOSHIHIRO:その点、うちは"ギター・ソロ飛ばしてみろ。まだギター・ソロ弾いてるぞ"っていうイカレたバンドなんでみなさん安心してください(笑)。

-ここまでのお話ではまだドラマー、FUMIYAさんのお名前が出てきていないのですけれど。FUMIYAさんはいつAlternation of Generationsに合流されたのです?

Ryosuke:それが、まだしばらくは出てこないんですよ。最初は前任のドラマーっていうのがいて、やってたんですけど途中でいなくなっちゃったんです。

-いなくなった......?

DANCHO:曲を作り出しました、曲ができました、みんな好き勝手にフレーズをつけだしました、さぁみんなで演奏しましょう! となったときに"限界です!"って言い出して、いなくなっちゃったんです(苦笑)。

-みなさんの"やりすぎ度合"に着いてこられなくなってしまったのですね。

YOSHIHIRO:しかも、その過程ではコロナも発生しましたからね。いったんは制作活動自体もしばらく止まってしまって、ようやく制作を再開したのが去年末くらいだったんです。

Ryosuke:そこから曲がようやく揃って、いよいよ動き出しましょうってなって、前任のドラムが"やれません!"って言いだしたのが今年の春でした。

DANCHO:その間に、俺はNoGoDのほうでお世話になっているKING RECORDSの担当の方と、"今こんなバンドで動き出したんですが、音源リリースできませんかね"って話もしていて、その担当がまたイカレている人なんで"じゃあ、一緒にやっていきましょう!"ってことになってたんですけど(笑)、本格的にレコーディングに向けて詰めの作業をしていこうかという矢先に、いきなりドラマーがいなくなったわけですよ。

-レコーディングが迫っているなかで、その状況は非常に痺れますねぇ。

DANCHO:いやもう、俺らプチパニックでしたよ!

Ryosuke:一部の曲はレコーディング終わってたのもあったしね。それに、発表こそしてなかったけどライヴの日程も決まってましたし。

DANCHO:とりあえずは、サポートでもいいから叩ける人をいろいろ探したんですけどね。資料として曲を聴かせると、みんなして"やだ!"って言うんですよ。NoGoDのK君にも頼んだんですけど、やっぱり無理で"すごく頑張れば2曲くらいならなんとか"って言ってました(苦笑)。

-では、窮地を救ってくれたのが、Unlucky MorpheusのドラマーでもあるFUMIYAさんだったのですね。

DANCHO:ドラマーがいない。でも、なんとしてもバンドの動きは止められないぞ! となったときにピンと思い浮かんだのが彼の顔だったんです。

FUMIYA:意外と近くにいましたね。実際、家も近いし(笑)。DANCHOとはあんきも(Unlucky Morpheus)とNoGoDで対バンしてましたから、前から知り合いではあったんです。

-そんなFUMIYAさんは、Alternation of Generationsからのオファーをどのように受け止められたのです?

FUMIYA:僕は生き方として自分が楽しいと思ったことはすぐにやるタイプですし、これまでもいろんなバンドを掛け持ちしてきての今があるんで、最初はサポートとしてどう? っていう話でしたけど、聴かせてもらった音がすごく面白かったんで、僕はもう普通に"正式加入でやります!"って答えました。

-さすがです。FUMIYAさんもまた、タダモノではありませんね。

FUMIYA:ただ、あとからじっくり音を聴き直してみたときには"簡単に引き受けすぎちゃったかな"とはちょっと思いましたよ(笑)。でも、前任より僕のほうがこのバンドの音には圧倒的に合ってると思ったし、僕だったらこのバンドにスッと入れるだろうなっていうヴィジョンはすぐに描けたんです。

-そこからの展開は相当バタバタだったのではないですか!?

FUMIYA:正直、そこは死ぬほど大変でした。

DANCHO:前任がいなくなって当日にまずはいろんな人に頼んでみて、それがダメだとなって翌日にはもうFUMIYA君に連絡してたんですけど、いかんせんレコーディングもライヴも決まってるという状況だったんで、ほんとすべてがバタバタでしたね。

FUMIYA:幸い、僕は自宅にレコーディングができる環境があったんで、今回はそれをフルに活用しながらなんとかやりきりました。

YOSHIHIRO:ちなみに、僕とRyosukeは、FUMIYAさんが加入することになってから初対面することになったんですよ。もちろん、前から噂は聞いてましたけど。

FUMIYA:さっきの話だとDANCHOはRyosuke君と初対面だったっていうし、お披露目のイベントみたいなのが、僕としては、Ryosuke君とYOSHIHIRO君とは"初めまして"に次ぐ"2度目まして"の場だったから、そのあたりもこのバンドはちょっと特殊なのかもしれないですね。

Ryosuke:あれ? ってことは、今日この取材をしてる時点だとこの4人が揃ってからまだ半年も経ってないってことか!

DANCHO:濃いなー(笑)。