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INTERVIEW

BLVCKBERRY

2022.08.17UPDATE

2022年08月号掲載

BLVCKBERRY

メンバー:庭瀬 風葵 篠崎 優瑠 岸 巧人 新 凛乃佑 椿 遥斗 竜城 詩季
プロデューサー:猟平(ex-CLØWD/SPVRK)
インタビュアー:オザキケイト

-また、BLVCKBERRYの楽曲は猟平さんが代表を務める音楽クリエイター・チーム SPVRKによって制作されていますよね。これは猟平さんが作家として師事した松隈ケンタさん率いるSCRAMBLESの影響だと思うのですが、このようにコンポーザーとグループがタッグを組む強みはどこにあると考えていますか?

猟平: 例えばBiSH なら松隈さん、ももクロ(ももいろクローバーZ)ならヒャダイン(前山田健一)さん、ハロプロ(ハロー!プロジェクト)ならつんく♂さんみたいな名物コンポーザーっているじゃないですか。そういうグループの軸になるようなコンポーザーがいることで、グループの強みや弱みをわかったうえで楽曲を制作できて、なおかつ普段の生活からインプットして、未来に対してアウトプットするというサイクルを生み出すことができることが一番の強みだと思います。

-たしかに外注ではそうはいかないですもんね。

猟平:男性にせよ女性にせよ、グループにおいて楽曲が軸になるということは次のフェーズに向かうためには絶対条件だと思うし、そのためにはそういったグループの軸となるコンポーザーといかにフィットできるかだと思うんです。それがBLVCKBERRYで言えばSPVRKが軸になっているというのは、メンズ・アイドル・シーンにおいてかなりのアドバンテージになりうるんじゃないかと思っています。

-その中で、猟平さんがBLVCKBERRYの楽曲を作る際は何を大事にしていますか?

猟平:基本的にはその人たちを生かすということに95パーセントくらい意識を振ってます。まずはそこを第一に考えながら、自分の強みを落とし込むというところですね。そのなかでBLVCKBERRYはこのテイストだなという確信を掴んだのが「Wake up CHARISMA!!」だと思っていて、そこからはその土台に対してイメージを派生させる作業をしていくという感じです。

-イメージの派生ですか。

猟平:例えば、「Wake up CHARISMA!!」の土台から表題曲のイメージを派生させたものが前回リリースした『2035』(2021年リリースの1stシングル)なんです。こういう感じで、美味しいタレを継ぎ足して新しいものを生み出すような感覚というか。

凛乃佑:たしかに僕たち自身も「Wake up CHARISMA!!」ができたことでライヴの仕方であったり、個性の出し方が見えてきて、BLVCKBERRY の型みたいなものができあがったとは思いますね。

-そして、今回初めて外部に作曲を依頼し、楽曲提供をしてくださるのがシドの明希(Ba)さんということで、このプロジェクトはいつくらいから進められていたのでしょう?

猟平:ちょうど1年前くらいに明希さんと会ったタイミングで話をさせてもらいました。そこから『2035』(2021年リリースの1stシングル)でオリコンデイリー1位を取ったり、新宿BLAZEワンマンをソールドさせて成功させたりというメンバーの頑張りもチェックしてくれていて、年末にまたお話をさせてもらったらふたつ返事でOKしてくれて話が進んでいった感じですね。

-メンバーからしたらシドは世代ど真ん中ですもんね。

優瑠:高校生のときにヴィジュアル系にハマって、それの入口がシドでした。アルバムも全部聴いていたし、友達とイントロドンするくらいハマってて、当時唯一観に行ったことのあるライヴもシドだったので、その同級生からも連絡が来たし、当時の自分に教えてあげたいです。

-楽曲を制作するにあたって、猟平さんから明希さんに対してオーダーはありましたか?

猟平:まず第一にBLVCKBERRYらしい楽曲で、それでいてリスナーの人たちが想像するような明希さんらしいアッパーなものはSPVRKの強みでもあるので、バッティングしないようにしたいというところがありました。シドで例を挙げるなら「ENAMEL」や「S」のような重厚感のある重心の低いサウンド感、その中でも彼らはアイドルなので、重さに対して華やかさを入れてほしいというオーダーもしました。また、明希さんの楽曲によく入っている繊細なアコギが個人的に好きなので、そのエッセンスも入れ込んでもらって重厚な音とミックスさせたいというお話もさせてもらいました。

-まさにオーダー通りの楽曲と言えますね。それに、この壮大さはこれまでのBLVCKBERRYにはなかったタイプの楽曲で、今のBLVCKBERRYだからこそ表現できる楽曲だと感じます。

凛乃佑:おそらく1年前の僕たちだったら曲に飲まれてしまっていたと思うし、この1年間の積み重ねがあるからこそ歌えて踊れる曲だと思います。ある意味、この1年間のご褒美みたいなものですね。

-"ジュブナイル"というタイトルは猟平さんが付けられたんですよね?

猟平:そうですね。僕自身バンドを辞めて、職業作家として活動していたころは穏やかな日常を送っていたんです。それに比べて今はめちゃくちゃハードで、でもそれがどこか楽しくて、青春しているなと感じていて。ただ、この青春は決して"アオハル"ではなくて"冒険"なんですよね。これが"ジュブナイル(=少年期)"という言葉とフィットしたんです。

-"スタンド・バイ・ミー"や"グーニーズ"といった、いわゆるジュブナイル映画と呼ばれるものに通ずる世界観ですよね。

猟平:人生しんどいことのほうが多いけど、お客さんが日々見せてくれる笑顔のためにみんなで青春しているなと感じることがここ最近多くて、"ジュブナイル"というワードをタイトルと歌詞に落とし込みました。

-ちなみに間奏部分の"憧れを今、掴んだ"はシドの「V.I.P」(2012年11月リリースの13thシングル表題曲)のサビの歌詞ですよね。

猟平:まさしくです。これは僕にとってもだし、メンバーにとっても憧れを掴んだ瞬間であって、それに最大のリスペクトを込めれば素敵な歌詞になるんじゃないかと思って引用させてもらいました。

-その歌詞は"僕を明るい希望が"と続き、その歌詞の中に明希さんの名前が隠れているのは偶然にしてはできすぎていると思うのですが。

猟平:あれも意図的に"明るい希望"で明希さんの名前を隠し入れてあります。それもこの楽曲を通して明希さんが、BLVCKBERRYはもちろん、僕たちやお客さんのことも包み込んでくれて、この先を照らしてくれているよという意味が込めました。

-そして、ダブル・リードのもう1曲である「TOKYO DOPE」は猟平さん作曲ですね。

猟平:この曲に関してはO-EASTワンマンに向けて表題みたいな曲を作ろうってときに、しっきーから"(前回の表題曲である)「2035」超える曲作れるんですか?"みたいなことも言われていたりして、僕の中では「2035」の延長線上にあるものを作ろうと意識して取り掛かりました。

-このタイミングで"トーキョーで一番ヤバい奴ら"というキャッチコピーがついたかと思うのですが、このキャッチコピーにはどのような意味が込められているのでしょう?

猟平:O-EASTワンマンまでに自分たちがやるべきことが見えたというのが最大の財産だと思っていて、ここをやっていけば間違いないという道標の先にあった、東京のストリート・カルチャーであったり、ちょっとやんちゃで悪そうなギャングっぽさであったりというのが彼らには合うんだろうな、と。そして(作品タイトルは)、ゆくゆくはBLVCKBERRYが東京のカルチャーになるといいなという意味合いも含めてスラングで"かっこいい"や"ヤバい"を意味する"DOPE"を使って"TOKYO DOPE"と名付けました。

-最後に、8月25日に1周年記念ワンマンとしてZepp DiverCity(TOKYO)にて開催される"BLVCKBERRY 1st ANNIVERSARY ONEMAN「極上東京」"に関してもお聞きします。先日販売開始されたチケットは過去最高の申し込み数でBLVCKBERRYのワンマンへの期待が如実に表れていると思うのですが。

風葵:これまでのワンマンでもそうなんですけど、僕たちのワンマンはステージを最大限に引き出すために、出し惜しみすることなく制作チームが最高の環境を用意してくれるので、ワンマンを重ねるごとに今度はどうやってステージを使うんだろうという期待をしてくれているのは感じます。

凛乃佑:お客さんからすれば、そのライヴハウスでは観たことがないような演出を見せられていると思うし、毎回その期待値が上がっていくなかで、僕たちもちゃんとその期待に応えてきたからこそ今回の申し込み数に繋がっているのかなと思います。

詩季:僕らもなんだかんだ3回ワンマンやってますけど、もはや一種の祭みたいな感じになってるんだと思います(笑)。地元の祭に必ず顔出すみたいに、BLVCKBERRYのワンマンなら楽しいから顔出そうかなみたいな。

猟平:メンバーの言う通りで、僕は期待値=母数だと思っていて。その期待値に応え続けるから規模が上がっていくわけじゃないですか。それこそ、これはメンズ・アイドルでのあるあるではあると思うんですけど、我々も例に漏れず新宿ReNYや新宿BLAZEでのワンマンをやっていたころは、メンバー個々のファンの方がお友達を誘ってくれたりして成立していたと思うんです。でも、それがO-EASTくらいから風向きが変わってきたというか。

-どのように変わったのでしょう?

猟平:BLVCKBERRYのワンマンってアツいなじゃないですけど、普段対バンで観てくれてたようなお客さんにもそういう認識が広がって、先ほどグループとして地に足着いたという話がありましたけど、外から見たグループの印象も同様に地に足が着いたような感覚はありましたね。

優瑠:やはりこのシーンにいると、メンバー個人が好きで応援してくれているファンの子って多いんですけど、BLVCKBERRYを始めて1年経って、BLVCKBERRYというグループが好きって言ってくれるファンがすごく増えたのを感じます。

凛乃佑:この1年ですごく愛されるようになったよね。

風葵:活動を重ねるごとにファンからの愛を感じます。

-それはなぜだと思いますか?

凛乃佑:僕たちが信念を持ってかっこいいと信じているものって、このシーンでは浮いていて、初めて見る人は身構えてしまったり、一歩引いてしまったりしたと思うんですけど、それでもこのスタイルを貫いてきたことで、少しずつそれを理解して共感してもらえるようになったんだと思います。それがすごく嬉しいです。

-メンズ・アイドル・シーンの台風の目と呼ばれるBLVCKBERRYのポテンシャルはまだまだとどまらずにその勢力を拡大していきそうな予感がします。

風葵:僕たちはシーンを盛り上げていきたいし、このシーンをもっと上に連れて行きたいと思っているので、このシーンでトップを走り続けて、いろんな人にBLVCKBERRY、ひいてはメンズ・アイドル・シーンのことを知ってもらえるきっかけになれたらと思います。

詩季:これまではこのシーンを変えるために活動してきましたけど、これからはシーンを背負う代表として、もちろんアイドルではあるんですけど、ステージに立つ以上全員がアーティストであるという心構えを持って、激ロックに載るようなアーティストと肩を並べて、その先で頭ひとつ抜ける存在になれるように活動していくので、Zepp DiverCityワンマンはもちろん、その先の活動にも期待していてほしいです。

LIVE INFORMATION
"BLVCKBERRY 1st ANNIVERSARY
ONEMAN「極上東京」"

8月25日(木)Zepp DiverCity(TOKYO)
OPEN 16:00 / START 17:30 / 特典会 19:30~22:00(予定)
一般チケット ¥2,500 / お試し無料チケット ¥0(各D代別)
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