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INTERVIEW

ALIVES

2021.09.22UPDATE

2021年09月号掲載

ALIVES

インタビュアー:荒金 良介

TANNY is BACK!! 約20年在籍した大阪のメロディック・パンク・バンド、GOOD4NOTHINGを2019年3月に脱退した彼がついに新バンドを携えて帰ってきた。その名は"ALIVES(アライヴス)"というネーミングで、今回はベーシストにHIDETA(SHACHI)、ドラマーにKOU(STANCE PUNKS)をサポート・メンバーに迎えてスタートを切る形となった。ただし、バンドとして動き始まるまでは紆余曲折あったようだ。ここでは脱退の真相から新バンド立ち上げまでの道のり、そして、完成した1stアルバム『Code of Alives』でやりたかった音楽性について、TANNYに根掘り葉掘り話を訊いた。


みんなと共に楽しめる音楽をやっていきたい


-TANNYとはGOOD4NOTHINGの1stアルバム時の取材で初めて出会ったので、今年でちょうど20年目になります。まさかこういう形で話を聞く日が来るとは思いませんでした。

はははは、何が起きるかわかりませんね。GOOD4NOTHINGを辞める2年前まではこのまま人生が終わるんやろうなと思ってました。僕的にも急な展開でしたね。モヤッとしていたものが色濃くなり、最後の文言にも書きましたけど、自分の音楽性を追求したいなと。その歯止めが効かなくなったという。

-メンバー脱退で"音楽性の違い"ってよく聞く話ですが、TANNYの場合も本当にそういう気持ちから?

音楽の柱の部分がグラついてしまったので、一番大きな理由はそれですね。僕もちょうど40歳で、バンドも20周年を迎えて、人生的にも考えることが多くて。例えるなら、ダムがあり、20年の中で水漏れがちょろちょろあり、自分が表現したいものがGOOD4NOTHINGの音楽とは違うとなったときに、この溢れ出るエナジーを出したいと思った頃にはダムに亀裂が入り、決壊していたという。それなら違う道しか選択肢はないなと。

-GOOD4NOTHINGの音楽に、TANNY自身はやりたいことを注ぎ込もうとトライはしていたんですか?

トライしっぱなしの20年でした(笑)。僕とU-tanは9歳からの幼馴染で、バンドにおいてもヴォーカル/ギターで担当も同じなので、半分半分にしようって遊びから始まって本気に変わったんですよ。お互いに創作意欲があるものがくっついちゃったんで、僕の考えていたことはなかなか最後のテーブルに乗らなくて。ほかのメンバーの意見もあるので、それはしゃあないと思うんですよ。バンドを最優先して、自分はちょっと我慢したらええんやなと。U-tanはほんまに曲を書いてくるんですよ(笑)。それが名曲になり、GOOD4NOTHINGのルールになっていったから。

-メンバーに脱退の意志を伝えたのはいつ頃ですか?

2018年かな。20周年のレコーディングをしているときに伝えました。制作中でバタバタしていて、みんなも精神を擦り減らしているなか、僕のモヤモヤもハジけた感じですね。レコーディング最終日の帰りにメンバーに話しました。

-メンバーの反応はどうでした?

めちゃくちゃ怒ってました(笑)。MAKKIN(Ba/Vo)にゆでダコみたいな顔でワーッ! と言われて、向こうもまさかという気持ちがあったんでしょうね。僕も揺るぎない意志やったんで、一緒に物作りするうえで、それならしゃあないなと。

-そして、バンドを抜けたあとはどんなふうに過ごしてました?

GOOD4NOTHINGにいる間はそれに専念していたので、先のことはまったく考えてなかったんですよ。抜けたあとはいろんな音楽を聴きましたね。あと、仲間探しの旅に出て、ライヴハウスを回って、"ベース、ドラムおらへん?"って。それで1年後ぐらいにバンドで復活できたらいいなと。やっぱりGOOD4NOTHINGと対バンしたいじゃないですか(笑)。その日は来ると思いますよ。今もメンバーとは仲がいいですからね。

-ちなみにALIVESはソロ・プロジェクトではなく、バンドとして捉えていいんですか?

そうですね。バンドで帰ってくると言った手前もあるんで(笑)。僕はバンドマンなんですよ、チームでワイワイやる形が好きなので、そこはこだわりたいなと。

-ただ、今回はサポート・メンバーという形ですよね?

いろんな人と出会い、2回ほど形にはなったんですよ。結局、いざ本番となったら、マリッジブルーみたいに"無理です!"と急に言われたりして(笑)。いつになったらバンドできるねん! と思い、コロナでメンバー探しもできないし、何かせなあかんなと。それでとにかくもうバンドの始まりを見せたかったんで、サポート・メンバーでも動き出そうと。

-今作のタイミングではHIDETA(Ba/SHACHI)さん、KOU(Dr/STANCE PUNKS)さんのふたりに助っ人してもらおうと。

そうですね。ふたりにサポートでも大丈夫? と言ったら、快くOKしてくれました。ずっと溜めていた曲も形にしたかったから。

-HIDETAさんはTANNYにとって無二の親友という間柄ですが、KOUさんについては?

人との出会いにご縁を感じるタイプで、STANCE PUNKSの欣ちゃん(勝田欣也/Gt)ラスト・ライヴの大阪編に呼ばれて、観に行ったんですよ。ライヴ後にKOUちゃんに"誰かドラムおれへん?"って話したら、"僕がやりましょうか?"と言われて。STANCE PUNKS、KOUちゃんの状況を見たうえでやってもらおうと。

-今作はいいアルバムに仕上がりましたね。元BLINK-182のTom Delonge(Vo/Gt)がANGELS AND AIRWAVESをやり始めたときの音楽的変遷と被るものを感じましたが、いかがですか?

めっちゃ意識してるわけじゃないけど、Tom DeLongeはちらつくんですよね。オリジナルをやるうえで好きすぎるのは危ないんで......でも、自分が音楽で勃起できるポイントがあり、その勃起ポイントが似ているんですよね。

-へぇー! 例えばどのへんが?

絶対U2が好きなんですよ。イギリスのポスト・パンクも好きやと思うし、JOY DIVISIONからNEW ORDERの変化っぷりとか、80年代のシンセサイゼーとか、Tom DeLongeの音楽にもそういう要素が入っているから、好きなものが似ているんやなと。ただ、ANGELS AND AIRWAVESはクラブ寄りだったりするんで、僕はまだGREEN DAYとかポップ・パンクの色も残ってますね。

-今作はGOOD4NOTHINGにあっても違和感ない曲から、そうじゃない曲まであります。それが今のTANNYのバランス感なんだろうなと。

自分探しの旅をしているときに、音楽を通して何を伝えたいのかと思ったら......笑ったり、騒いだり、みんながハッピーになるものじゃないとあかんなと。だから、多くの人が共感できる曲作りは意識しました。GOOD4NOTHINGの最後に"いつまでも待ってるから!"と言ってくれたみんなの顔も思い浮かべて作りましたからね。

-ただ、モッシュ、ダイブで笑顔にさせてやる! という形ではなく、今の大人になったTANNYだからこそできる表現方法ですよね。

やっぱり角が取れて、俯瞰で見るようになったからでしょうね。どのテンポがみんな気持ちいいのかなって。例えば夜中に散歩しているとき、買い物に行くときの電車とか、いろんな状況で音楽を聴いたんですよ。その中で歩いているときのテンポ感が気持ちいいなと。実際に歩幅に合うかどうか試したりして、これは女の子には速いかなとか、そういうところから構築していきました。みんなと共に楽しめる音楽をやっていきたいですからね。

-TANNYが思うみんなと共に楽しめる音楽の定義とは?

家でもケータイでも、どんな状況でも楽しめる音楽って感じですかね。以前はライヴハウスだけを意識していたけど、時代がそうじゃなくなってきたところもあり、身体を揺らせるだけでも気持ちいい音楽とか......とはいえ、ウワーっと騒ぎたい人もいると思うので、そういう曲を入れているんですけど。

-聴き手の日常や生活に寄り添う音楽を作りたいと思った理由は?

僕はそういう音楽が好きなんですよ。最近はVANGELISばかり聴いてます(笑)。ENYA、Björk、SIGUR RÓSとか、ああいう音楽も好きなんですよ。