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INTERVIEW

AINSEL

2021.03.24UPDATE

2021年03月号掲載

AINSEL

メンバー:RiKu.(Vo) Hiro(Gt) Yuji(Ba)

インタビュアー:山口 智男

-そんな「リフレイン」に加え、印象に残ったのが、Yujiさんが作曲した6曲目の「CROSS GAME」。この曲はオルガンを使っていますよね?

Hiro:イントロですよね。あれは僕が入れたシンセなんですけど、揺れている感じがたぶんオルガンっぽく聴こえるんじゃないかな。80年代のディスコ・サウンドで使われてたシンセをモダンな音色に変えてみたんですけど、イントロをとにかく派手にしたかったんです。

-そのひとつ前の「Parallel World」は、ギターのリフがロックンロールというか、LAメタルっぽいというか。

Hiro:ギタリストが弾きがちなフレーズが、僕が作った曲には入っちゃいますね(笑)。

-今回、ギタリストしてはどんなことを意識しながら楽曲、演奏にアプローチしていったんですか?

Hiro:考えずに曲を作っちゃうと、ギタリストにとって良い曲になっちゃうんですよね。なので、あえて自分の作る曲ではギターを持って作曲しなかったり、ソロを弾きすぎないようにしてます。今回「Decode」、「ONE LIMIT」、「Parallel World」の3曲は僕の曲ですけど、「Decode」のギターはほぼ伴奏に徹しています。「ONE LIMIT」もギターが目立つ曲ではあるんですけど、イントロに入れているソロ・フレーズ以外は長いソロは弾かない、みたいに自分が作るときは自分があまり前に出すぎないように意識しています。その代わり、Yujiが作る曲は、"がっつりソロを入れてよ"と言ってくれるので。だから、「CROSS GAME」はめちゃくちゃ弾きたおしました(笑)。

-でも、「ONE LIMIT」もサビのヴォーカルの裏に、結構テクニカルなフレーズが入っていますよ。

Hiro:そうですね。前にはガーンと出ずにスパイスを加えてますね。自分の曲は、そういうふうにちょっと退いた位置で、ちょこちょこやっていることが多いです(笑)。

-Yujiさんのベースは低音で演奏を支えつつ、空間の空いたところに印象に残るフレーズを差し込むという印象でした。

Yuji:前作(『WILL』)までは、もっと派手に動くフレーズが多かったんですよ。今回はそれよりも説得力を重視して、どっしり弾くことを意識しました。あとは、歌メロや他のパートに絡めたいところで、きれいにハーモニーが生まれるように考えました。そこも変わってきたところですね。僕はギター・ソロを弾いてほしいタイプなので、そういうふうに投げたりもするんですけど、自分の曲よりもHiroが作った曲のほうがベースは遊んでいるかもしれないです。

Hiro:お互いそうなのかもしれない(笑)。

Yuji:自分が作った曲では、1歩退いているっていう共通点はありますね。

-Hiroさんが作った「Parallel World」ではたしかに――

Hiro:(ベースが)めっちゃ動いている(笑)。

-そういう意味ではRiKu.さんの圧倒的なヴォーカルが真ん中にありながらも、ギター、ベースそれぞれに聴きどころがありますね。RiKu.さんはそんな中でヴォーカリストとしてどんな挑戦がありましたか?

RiKu.:個人的には、作詞しているときからその曲の景色をはっきりとイメージしながら書いていました。それもあって「Decode」、「ONE LIMIT」、「CROSS GAME」ではレコーディングのときに手に汗を握るぐらい、めちゃめちゃ力を込めて歌いました。逆に「トワイライト」、「Last note」では、ラスサビで感極まって泣きそうになりながら歌ってましたね。そのぶん、その感情が曲に乗って、曲を聴いた人にもちゃんと届くようなものになったんじゃないかと思います。

-全曲作詞はRiKu.さんです。歌詞のテーマとしては闘志、プライド、恋愛を歌っているように思いましたが、歌詞を書くときはどんなところからインスピレーションを得ているんでしょうか?

RiKu.:今回、実体験から書くことが多かったんですよ。いつも最初に、歌メロありきのデモを聴いて、自分の中の感情とリンクする部分を探しながら、それを言葉にするという書き方をしているんですけど、以前は実体験とは関係ないファンタジー要素のある歌詞を書くことが多かったんです。今回「Decode」、「ONE LIMIT」、「トワイライト」、「Last note」では、自分のことを書いているんですけど、そのぶん書きやすかったし、自然と感情が乗る曲が集まったアルバムになったと思います。

-実体験をもとに書くようになったきっかけが何かあったんですか?

RiKu.:ライヴをしているなかで、お客さんと目を合わせて歌ったときにやっぱり実体験を書いた曲のほうが感情を乗せやすいし、それが伝わりやすいとずっと思っていたんです。ただ、正直自分の体験を書くって苦手だったんですよ。でも、今回はそこに挑戦してみようとアルバム制作に入るときに思いました。

-「ONE LIMIT」の歌詞からは、バンド活動を含め、いろいろ悔しいことがあったのかなとついつい想像してしまいますが。

RiKu.:悔しいというか、もどかしいと感じることがあって。ライヴができなくなったこの状況で、自信やモチベーションが下がってしまいそうになったとき、ちょうどこの曲のデモが上がってきたんです。そこで自分を鼓舞しようと思って、歌詞を書いたんですけど、とことんこだわって、何回も修正しながら書き上げました。

-HiroさんとYujiさんは歌詞についてリクエストすることはあるんですか?

Yuji:あります。

Hiro:Yujiと僕は歌詞に関する考え方が違うと思います。僕はもともと、洋楽が好きだったので、歌詞の意味は正直そんなに興味がないんですよ。それよりも語呂や、サビ頭は破裂音でみたいな語感を大事にしているんです。だから、意味はRiKu.に任せて、場合によっては曲のテーマも伝えずに"自由に書いて"と言って、上がってきたものに対して、"こんな感じになったんだ"って(笑)。そのうえで、僕が気になるところ......例えば、サビ頭はサ行で突き抜けてほしいみたいなことを言います。

Yuji:逆に僕は最初に曲を渡すとき、テーマとか、自分が思っているサビの歌いまわしはこんな感じとか伝えますね。全然違うことが返ってくることもあって(笑)、それはそれでいいと思うんですけど。あとは個人的に曲の中で起承転結とか、ラスサビまで持っていくまでの盛り上がりとか、こんな言葉選びをしてほしいとか、曲の部分部分の感情について"ここはこういう表現の仕方で"と注文することもあります。

-作曲者も歌詞について真剣に取り組んでいるわけですね。ただ、その注文に応えるのはなかなか大変なのでは(笑)?

RiKu.:最初にデモを聴いたときに感じた景色とか、書きたいテーマとかが、作曲者の考えと違うこともあるので、そういうときは、どっちが引き下がるかってことではないんですけど、話し合ったうえで歌詞を書いていきます。「Parallel World」は、Hiroが最初思っていたイメージとは――

Hiro:全然違うものになりました(笑)。

-どんなふうに違ったんですか?

Hiro:僕は、シンセが派手に鳴っているかっちょいい曲を作りたいというところから作ったんですけど、すげぇドラマチックできれいな歌詞が返ってきて"えぇっ、こんな印象なんだ!?"ってびっくりしました(笑)。

-ハード・ロッキンな曲調と、不安と表裏一体の未来の可能性を歌った歌詞はたしかにちょっとギャップがあるかも(笑)。

Hiro:曲の感じ方の違いには驚きましたけど、リスナー目線で書いてもらっているってことだと思うんです。そのほうがやっぱりお客さんにはより響くんじゃないかって。僕が一方的に作曲者として感じている曲への思いよりも、デモを聴いたときに彼女が思い浮かべた情景が歌詞になっていると思うんですけど、それはある意味、お客さんの目線に一番近いのかなって思って、そこは素直に受け入れるようにしています。

-今回の7曲の中で、個人的なフェイヴァリット・ソングをおひとりずつ教えていただけますか?

Hiro:自分で作った曲ももちろん気に入っているんですけど、バンドとして一番斬新な曲ができたと思うのは、やっぱり「リフレイン」。客観的にアルバムを通して聴いたとき、一番好きですね。

RiKu.:私はやっぱり自分が作曲した「トワイライト」が一番好きですね(笑)。今までピアノだけでワンコーラス歌って、それから演奏が入るって曲がなかったので、レコーディングでもそうでしたけど、ライヴのときもすごく新鮮な感覚で歌えるんです。一番感情が乗るというのもこの曲を選んだ理由です。

Yuji:僕は今率直にライヴでベースを弾いていて楽しい曲として「ONE LIMIT」ですね。初見のお客さんにとって、すごく入り込みやすい曲だと思います。お客さんの表情を見ていると、自分も楽しくなってくるんです。ただ、ベースがめちゃくちゃ忙しいので......。

Hiro:大変そうだよね(笑)。

Yuji:なるべく手癖のフレーズをなしにしようと、DAW上で打ち込んで作ったんですけど、初めてバンドで合わせたとき、"誰が作った!? このベース!"と思いました(笑)。

-解放という意味があるアルバム・タイトルはどんなところから?

Hiro:原案を挙げたのは僕だったと思うんですけど、1回、コロナ禍の影響でリリースが流れちゃったこともあって、準備をしている時間が長かったんですよ。そのなかで、今自分たちが何をしたいのかって考えたとき、いろいろな単語を見ながら、"解放"ってしっくりくるなと思いました。溜め込んだものを解き放つという意味で、僕はしっくり来たので、ふたりに提案したら、すんなり"いいじゃん"って言ってくれましたね。

-最後にリリース後の活動について聞かせてください。

Hiro:今回、レコ発(3月28日に開催する"2nd ALBUM [LIBERATION] Release Party 4MAN LIVE")で自身最大の挑戦をしようと思ってます。今まで広島のCAVE-BEってハコでレコ発とか、ツアー・ファイナルとか、よく主催ライヴをやらせてもらってたんですけど、ひとつ上のステップアップとして、広島県内のライヴハウスで最大キャパのCLUB QUATTROでやります。そのあとのリリース・ツアーは、どんなところでも行きたいという気持ちがあるので、月9本から10本のペースで4ヶ月回ります。合計30数本ぐらいになると思うんですが、日程をかなりぎゅうぎゅうに詰め込んで組みました。アルバムも納得いくものができたということで、初心にかえって、さらに鍛え上げようというツアーですね。

Yuji:今回バンド史上最多本数のツアーということもあって、なるべく多くの新しい刺激的な出会いがあるツアーにしていきたいと思っています。初めて行くライヴハウスもたくさんあるので、そこでの出会いも楽しみにしていますし、バンドさん、アーティストさんに関して言えば僕らと同じ、もしくはもっと熱い熱量でやっている最前線で活動しているバンド・アーティストさんたちと繋がって、次の僕たちの活動にも良い形で繋げていけるツアーにしたいです。

RiKu.:今まで私たちを支えてくれたファンが待ってくれているので、その人たちに会いに行くというのもありますし、個人的にも今の自分の実力を試しにいくというよりは、Hiroも言ってたように初心にかえって、もっとできることがあるんじゃないかってたくさん挑戦していきたいツアーではありますね。ツアー・ファイナルで、私自身も1段階、成長したと実感できるようなツアーにしたいと思っています。みなさん、楽しみにしててください。