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INTERVIEW

GUMX

2020.01.04UPDATE

2020年01月号掲載

GUMX

Member:Yongwon(Gt/Lead Vo) Yoshi(Ba/Vo) Yuto(Dr/Vo)

Interviewer:荒金 良介

"韓国のハイスタ"と呼ばれているGUMXが実に12年ぶりの新作となるEP『BUST A NUT』をリリース! オリジナル・メンバーのYongwonに、Yoshi、Yutoという日本人メンバーふたりを加え、新3ピース・バンドとして始動することになった。GUMX自体は00年初頭から活動を続け、日本のメロディック・ファンにも馴染みが深いバンドであり、こうして再び動き出すことに"待ってました!"というリスナーも多いに違いない。再録やカバー・ソングを含めた全6曲にはGUMXらしさと新しい風がビュンビュンと吹きまくっている。メンバー3人に話を訊いた。

-GUMXとしては実に12年ぶりの新譜になりましたね。

Yongwon:GUMXを再び始めるためにここまで頑張りました。韓国は徴兵制度があるので軍隊に行かなければならず、以前いたほかのメンバーは違う道を歩むようになったんですよ。僕はそのあとも新しいメンバーを探し続けて、やっとこのふたりに出会えました。

-Yongwonさんはソロ作も2枚出してますよね。

Yongwon:COCOBATのTAKE-SHIT(Ba)と、locofrankのTatsuya(Dr)と一緒にやってました。ソロを出す前に横山 健(Hi-STANDARD/Ken Yokoyama)さんに出会ったので、健さんのようにソロ作を出そうと考えたんですよ。私は韓国のKen Yokoyamaです(笑)!

-はははは(笑)。

Yuto:初対面でも同じ言葉を言われました(笑)。

Yongwon:ソロは再びGUMXをやるための準備期間でした。まだ発表してない楽曲は30曲ぐらいあります。それは今度発表したいと思ってます。

-今作にはそこからの楽曲は入ってないんですか?

Yongwon:入ってないです。

Yuto:えっ、それは初耳!

Yongwon:昔作った曲は古い感じがしたので、新しいメンバーも入ったから新鮮な気持ちで曲を作りたかったんです。でも今回の曲も十分オールドスクールですけどね(笑)。

Yuto:古き良きパンク・サウンドに仕上がっていると思います。

-メンバーふたりはどういうふうに加入したのですか?

Yoshi:HEY-SMITHのYUJI(Ba/Vo)経由で韓国のバンドがベーシストを探していると聞いて。GUMXのことは知らなかったけど、自分も当時バンドはやってなかったから、面白そうだなと。それで紹介してもらいました。最初にYutoに出会って、CDを渡されて聴いたら、かっこいいなって。Yongwonとはインスタでずっとチャットしてて、一緒に頑張ろうという流れで加入しました。

Yuto:僕はHEY-SMITHの猪狩(秀平/Gt/Vo)さんに"GUMX知ってる?"と聞かれたから、"もちろん知ってますよ!"と答えて。で、僕に会うためにわざわざ日本にYongwonが来てくれて、一緒にお茶をして、日本でリスタートしたいと言われて、バンドに誘われました。最初に「THE ANSWER」という曲を聴いたときに、以前のGUMXと全然違うと思ったんですよ。これから現在進行形のバンドになるやろうなと思い、一緒にやろうと決めました。

-Yongwonさんがふたりに決めた理由は?

Yongwon:最初、猪狩にいいプレイヤーがいるかどうか相談したんです。彼はGUMXのことが好きでとても応援してくれていたので。Yutoは音楽に対して真剣だし、話も合ったんです。Yoshiとも話が合ったし、GUMXをもう止めたくなかったから、これが最後のチャンスだと思い、声を掛けました。このふたりに決めたのは人間的な部分が大きいですね。

Yoshi:自分もいろんなバンドを転々として、音楽は趣味にしようかなと思っていたところで声を掛けられましたからね。今まで自分がやったことがない音楽だったし、最後の挑戦というつもりでやろうと。

-Yongwonさんは韓国人のメンバーと組む方法もあったと思うんですが、なぜ日本人のメンバーを迎えようと?

Yongwon:2003年にGUMXをやっていたときに日本のパンク・シーンに衝撃を受けたんです。軍除隊後にGUMXのメンバーはみんな自分の道を行くことになり、再び始めるなら日本人のメンバーがいいなと。あと、日本のほうが音楽シーン自体が大きいから、日本人のメンバーと一緒にやったほうがいいと思いました。

-韓国よりも日本のパンク・マーケットのほうが大きい利点もあると。

Yongwon:それと、メロディック・パンクを理解してくれるメンバーが欲しかったんです。

-実際、このメンバー3人で音を合わせたときはどうでした?

Yongwon:正直言うと、あまり合わなかったんです。

一同:ははははは(笑)。

Yongwon:メンバーそれぞれ自分のスタイルがありますからね。でもそれは大きな問題ではなく、続けていけばきっと上手くいくという確信はありました。Yoshiはメロディック・パンク・スタイルではないけど、僕はそれが良かったんです。彼は素晴らしいベーシストだと思います。問題は自分だけですね。

Yuto:そんなことないよ(笑)!

-おふたりはどうでした?

Yuto:たしかにビタッとしっかり合っていたわけじゃないけど、メンバー個々の良さが光っていたので、時間が解決してくれる気がしてました。僕もYoshiさんのベース・スタイルはほかの誰とも違うと思ったし、Yongwonの歌とギターがとにかく好きで、最初にスタジオに入ったときにほんとに上手いなと思いましたからね。これからこの3人でもっと良くなるだろうなと思ったら、ワクワクしました。

Yoshi:YongwonとYutoのプレイや個性を見つつ、そこに自分がどう入るかを考えましたね。だから、最初はあまり余裕がなかったです。でも今考えると、それが楽しくて。

-そして、今作も強力な楽曲が揃いましたね!

Yongwon:フレッシュなGUMXを出したかったんですよ。もともと自分は暗い性格だから(笑)、爽やかなサウンドを出したくて。ポジティヴな明るい作品に仕上げようと心掛けました。バンドを始めた頃のような新鮮な気持ちを入れようと思ったんです。GUMXはこれまでいろんな変化をしてきたけど、Yuto、Yoshiが加入したこともあり、今はこれがオリジナル・メンバーという気持ちでやってます。なぜなら、このバンドをずっと続けていきたいから。

-なるほど。

Yuto:6曲目(「APERICAN CHIC」)だけは昔の作品からのセルフ・カバーなんですけどね。

Yoshi:あっ、そうなの?

Yongwon:知らなかったんだね(笑)。

-今作に収録されているYongwonさんの楽曲を聴いたときはどう感じました?

Yuto:さっきの話と被るけど、「THE ANSWER」は聴いたときに"こんな曲があるんだ!"ってビックリしました。ちょっとずつ送られてくる新曲はオールドスクールなニュアンスもありつつ、新しい風が吹いてましたからね。

Yoshi:やっぱり英語の発音が上手だなと思いました。ただ上手な人はたくさんいるけど、そこに個性もあるし、いい歌だし、メロディ・ラインもかっこ良かったですからね。