MENU バンドTシャツ

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

999999999

2019.10.01UPDATE

2019年10月号掲載

999999999

Member:VOLT(Vo) UC(Gt) RYOCHI(Ba) YAMAUCHI(Dr)

Interviewer:荒金 良介

-BAD BRAINSはこのバンドの音楽性にも通じますよね。YAMAUCHIさんは?

YAMAUCHI:僕は最初SLAYER、PANTERA、SLIPKNOT、SYSTEM OF A DOWNとかを聴いてました。それからFUGAZIのようなポスト・ハードコアやCONVERGEといったカオティックに出会って、そこから古いものを掘り下げていきました。あと、父の影響でジャズも聴いていました。ドラムのスタイルにしても直情的なスラッシュ、ハードコアのビートだけじゃ面白くないから、ブラック・ミュージックが持ってる柔軟性のあるグルーヴも取り入れたいなと常々思っています。だから、2ビートやツーバスを踏みまくるだけじゃなく、ひとつひとつのフレーズにグルーヴの色っぽさがあるかどうかは考えますね。

-今作にもグルーヴィなパートはありますが、そこからの影響でしたか。

YAMAUCHI:そうですね。ジャズ、R&Bといったブラック・ミュージックの持つリズムも好きなので、それがフックになればいいなと。

-ハードコアとブラック・ミュージックを聴くという点はRYOCHIさんとYAMAUCHIさんで共通してますね。

RYOCHI:共通項は多いけど、僕はメタルをまったく通ってないんですよ。パンク、ニューウェーヴ、ノーウェーヴとか好きですね。

-話を聞いてみると、メンバー4人とも音楽的なバックグラウンドは様々ですね。

RYOCHI:そうですね。僕がこのメンバーを誘った理由として、それぞれが美学を持ってるんですよ。その4人が納得するものをやろうとすると、どんどん削ぎ落とされて、ソリッドになるというか。今の音楽スタイルが限定されているのは、そういう理由なのかなと。

-自分たちではどんなジャンルをやっていると思ってますか?

RYOCHI:ミクスチャーですかね。4人とも趣味がバラバラなので、サウンドというより、姿勢としてのミクスチャーというか。

-過去にSMORGASやSABANNAMANと対バンしている理由がよくわかりました。

YAMAUCHI:ハードコアはすごく好きだし、ファンなんですけど、僕らの活動の仕方とはまた違うのかもしれないですね。

RYOCHI:自分たちはそもそもそのシーンにいるバンドというより、外様という気持ちが強くて。外様のプライドとして、音楽やシーンにリスペクトしつつも、その人たちがやらないことをやろうと。いろんな音楽が好きだから、それを出して何が悪いんだ、という開き直りもありますね。

-そして、今年8月に、アジア10ヶ国で開催された"VANS MUSICIANS WANTED"の日本大会で優勝したそうですが、そのときはどんな気持ちでした?

VOLT:嬉しかったですね。ウルッときちゃいました。

RYOCHI:このスタイルでコンテストなんて、勝てるのかと思いましたけどね(笑)。もともとスケーターなので出たいと思ってました。

-自分たちで勝因を分析すると?

YAMAUCHI:断然、曲が速かったですね。ブラストビートだったのは僕らだけでしたからね(笑)。

RYOCHI:このご時世、自分たちみたいなスタイルをやってるバンドはあまりいないのでその強みはあったのかなと。まさか勝てるとは思ってなかったですけどね。

-今作は全5曲入りトータル・タイム7分ちょいという短さですが、最初はどんな作品にしようと?

RYOCHI:ハードコアに影響は受けているけど、今のフィルターを通して、現代のものとして落とし込みたいなと。今回、MOP of HEADやヒップホップもやられているエンジニアの方にお願いしたので、新しいものができるんじゃないかと。音楽の歴史の中でクラブ・ミュージックが出てきたことが大きいと感じてて、それを通過したあとのオールドスクールはどうなってるのか。だから、当時の音を再現するのではなく、今そういうバンドがいたら、どういう音を出すのかなって。そういうイメージでやってみました。

YAMAUCHI:楽器もクリックなしの一発録りで切り貼りもほぼやってないので、バンドっぽさというか、勢いやスピード感は出てると思います。そこはこだわりましたね。

-VOLTさんはいかがですか?

VOLT:最高のものができたと思ってます。

UC:個人的にはヴォーカル録りが楽しかったんですよね。ヴォーカルもパワーアップしているし、自分もコーラスで参加して、デス・ヴォイスをやっているんですけど、それも楽しくて。

-今作は今までライヴでやってきた楽曲を収録した形ですか?

RYOCHI:いや、最近作った曲が多いですね。定期的に曲は作っているので、最新のセットリストみたいな感じです。まだバンドが新しいので、変わっていくスピードも早いんですよ。

YAMAUCHI:最初の方は重心の高い音楽というか、CIRCLE JERKSみたいなオールドスクールのハードコアだったり、80、90年代のDCのハードコアみたいな音像が多かったんですが、もう少しヘヴィで密度のあるものが自分たちでもしっくりきてますね。

UC:自分たちで作った最初のCDからチューニングも半音下げてるんですよ。それで曲作りをしているし、昔の曲も半音下げてやってますからね(笑)。

RYOCHI:みんないろんな音楽が好きだから、これからもどんどん変わっていくと思います。

-歌詞はすべてVOLTさんが書いてるんですか?

VOLT:全部ではないです。

RYOCHI:日本語はVOLTで、僕が"こんな感じで書いてくれない?"って、曲のテーマみたいなものを提示して、そこで話し合いながら作ってる感じです。

-わりと中指立てた内容も多いですよね。

RYOCHI:誰かを攻撃しているように見えるけど、自分に向かって発しているイメージですね。ただ、歌詞を読んだ人が暴力的に感じるならそれでいいし、どう取ってもらっても大丈夫です。なんだろ、人に言ってる暇があったら、自分のことをやろうぜ! って。そういう感覚というか、そうありたいですね。

-わかりました。今作のあとは11月8日にリリース・イベント(新宿LOFTにて開催の"「9vement × 歌舞伎町爆音祭」reorganize Release Party")、アメリカ シカゴでのライヴも控えてますよね。今後はどんなバンドになっていきたいと思っていますか?

RYOCHI:まずは今回の音源を聴いて、ライヴにぜひ足を運んでほしいですね。僕らがジャンルやシーンを飛び越える様を体感してもらうだけじゃなく、それを観た人が自分もこのジャンルを聴くようになったとか、そういうきっかけになれたら最高ですね。このバンドをやってる意味があると思うから。