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INTERVIEW

極東ロマンス

2019.09.27UPDATE

2019年10月号掲載

極東ロマンス

Member:Shindy(Vo) 琢磨(Gt) Yo-1(Gt) 柳山ユウト(Ba) Tetsufumi(Dr)

Interviewer:藤谷 千明

2018年12月に活動終了したヴィジュアル系バンド、Anli PollicinoのメンバーだったShindy、琢磨、Yo-1に、柳山ユウト、Tetsufumiが加わって結成された新バンド、極東ロマンス。"Hybrid Visual Rock"を掲げ、それぞれ異なるジャンルで活躍してきたメンバー5人だからこそ実現できる唯一無二のスタイルを目指す。これまで、ワンマン・ライヴは軒並みソールド・アウトしていることからも、期待値の高さが窺える。ヴィジュアル系、ラウド、歌モノ......様々な要素を持っているが、"自分たちのジャンルを作りたい"と語る5人に、結成の経緯から今後の展望までを訊いた。

-極東ロマンスは激ロック初登場になります。まずは結成の経緯から聞かせてください。

Shindy:まだAnli Pollicinoの活動もあった昨年末、ユウト君と久々に飲みに行ったんです。彼とは10代の頃一緒にバンドをやっていた間柄で、かねてから"またいつか一緒にバンドがやれたらいいね"なんて話していたんですよ。それが、このタイミングで実現しました。

ユウト:昔から"なんかできたらいいね"みたいな話はしていたんです。お酒の席ということもあったけど、このメンバーだったらいいバンドになるという確信はあったし。知らない人だったらやってない(笑)。

-長い付き合いだからこそだったのですね。

ユウト:だからこその信頼があったのかな。お酒の勢いもあったのかな? Shindyと会ってるときはだいたい飲んでるときだからね(笑)。

Shindy:それと同時に、てっちゃん(Tetsufumi)とはレコード会社の方の紹介で出会ったんです。そこからお互いのライヴを観るようになり、交流も深まっていって。ヴィジュアル系出身の3人とロック畑にいたふたりが交わることで、面白いバンドができるんじゃないかと。

Tetsufumi:人づての人づての人づてくらいから紹介してもらったんですけど、そこから俺も飲みに行って(笑)、その結果の意気投合というか、人柄で一緒にやりたいなと思いました。

琢磨:僕もすぐやる気になっていましたね(笑)。

Yo-1:実は僕、家庭の事情もあって、(Anli Pollicinoの活動終了後に)ミュージシャンではない仕事、家業を継ぐことも考えていたんです。家族ともメンバーとも相談して、極東ロマンスをやる決心がついたのですが。

-ちなみにご家業の方は?

Yo-1:そこは弟に任せています......。すみません(笑)。

-そして、発売中の1stアルバム『0 -ZERO-』(2019年7月リリース)ですが、作詞作曲クレジットは、すべてバンド名義です。

Shindy:基本的に誰かがテーマを持ってきた歌詞でも最終的には自分が仕上げるんですが、根本的なテーマはみんなで作っているので、クレジットは極東ロマンス名義なんですよね。

-なるほど。どのような過程で制作されたのでしょうか。

Shindy:デモは、合計で100曲を超えるくらい作りました。そこから選抜された曲をまずバンド・メンバーだけでアレンジしたんです。Anli Pollicino時代からアレンジに入ってくださっている、サウンド・プロデューサーのtatsuoさんという方がいるんですけど、今回はまず彼に頼らずに、5人だけでいったん作ってみようと。

-tatsuoさんと言えば、みなさんの先輩であるゴールデンボンバーの楽曲アレンジも手掛けており、"ユークリッド・エージェンシー"(所属レーベル)のバンドのファンにもおなじみのアレンジャーです。

Shindy:このバンドでは誰のテコ入れも入っていない状態を作りたくて。それに、最初にメンバーだけでセルフ・レコーディングしているんです。

Tetsufumi:歌まで全部録ったよね。

-逆にサウンド・プロデューサー的にも、今回は自由にした方がいいという判断があったのかもしれないですね。

琢磨:弦楽器に関しては少し変えたくらいです。ドラムやリズムのレコーディングは......。

Tetsufumi:"まだいけるよ! やってごらん! もう3パターンいってみよう!"みたいな大変なテイクもありました(笑)。

-"0 -ZERO-"というタイトルの通り、ここからスタートだという強い意志の感じられる作品だと思います。去る8月に行われたワンマン・ライヴ("FIRST ONEMAN TOUR")のMCでもShindyさんは、"ゼロからやっていく"という趣旨のお話をされていました。

Shindy:それしかないですよね。今まで応援してくれてきたファンの人たちもこれからファンになってくれる人たちも、全部がゼロからのスタートだと思っています。だからこそ"0 -ZERO-"なんですよ。

-メタルやラウド要素はあるものの、メロディはきれいでデス・ヴォイスとかもあるわけではない。

Shindy:そこは完全に狙っています。やっぱりシャウトしたくなったり、叫んだりしたくなる瞬間はあるんですけど、周りを見てもそういうバンドさんは多いので。例えばカウント4発入って"ヴォオオイ"みたいな(笑)。それに、同期も音数を減らしてバンドの生の音で勝負したかったし、コーラスもYo-1君とはスタジオ入っていろいろ試してみるとかして。

Yo-1:余計なシンセが入ってくると全部それに吸われちゃうんですよね。激しさやダイナミクスが極東ロマンスの魅力だと思うので、そこはこだわっていこうと最初から決めていました。

-あのライヴは、FC公演を除いては初のライヴだったとのことですが、ご感想は?

Tetsufumi:最初は僕らもファンの方も空気に硬さを感じたりしていたんですけど、それが徐々に溶けていく感覚があったんです。"この曲はこんなふうに反応してくれるんだ!"とか、スタートはぎこちなかったけれど、それが徐々に解除されていくのが楽しかったですね。

Yo-1:今てっちゃんが言ったみたいに、最初と最後でかなり空気が違うと感じました。これからどんどん一体感が生まれてくるんだろうし、今後が楽しみになったのもあるし、気が引き締まったというのもあります。

-個人的にワンマン・ライヴを拝見して、ライヴとCDでバンドの印象が、いい意味で変わったと感じました。ライヴの方がかなり激しさや勢いがあるというか。

ユウト:そこは狙っているところもありますね。CDで聴いているのとライヴは違うと思うんです。ライヴの感触としては、極東ロマンスはライヴ・バンドなんだなと。CDは結構きれいにまとめているけれど、ライヴで激しい部分を見せてCDとは違うものを感じてもらえたのかと思いました。うちらは全員で曲を作っていることもあって、曲に対する理解が深いというか、全員自分のものにしているというか、そういうところでも一体感があったんじゃないかと。

琢磨:身体に馴染んでいるような気がして、僕は最初からすごくやりやすかったです。自分の楽器だけじゃなくて、全パートが浮かんでくる不思議な感触がありましたね。

Shindy:思った以上にいろんな人が来てくれているということは感じました。とりあえず最初だしビックリさせてやろうと思ったら、みんな思いの外ビックリしてくれたようで(笑)。

-ソールド・アウトという事実は、期待の高さもあったと思います。

Shindy:アンコールまではちょっと雰囲気が硬かったというのはありましたね。"見定められている"というか。その緊張感の中で本編が終わって、アンコールは結構くだけた空気になったと思うんですけど、アンコールの3曲は映像チェックをしてみても本編とは全然違ったので、あれを本編でもできるようになればさらに良くなるんじゃないかな。そこにファンも僕らも早く馴染めたら、イベントに出演してもすごく強いバンドになると思っています。

琢磨:ワンマンを2本終えた今の段階(※取材日は9月初旬)で改めて感じたことなんですけど、今後は僕らとファンが、ある意味"グル"になってイベント・ライヴに挑んでいかなければならないので、やっぱり"地固め"をしておきたいというか。

Shindy:イベントにたくさん出て代表曲をいくつかやって、世の中に広げていくことも今後は必要になってくるんだろうけど、バンド始動当初から何を欲張ったのか、極東ロマンスをワンマンで広めていきたいと思って。そこで、3ヶ月連続で、3本まったく違うコンセプトでワンマンをやったら面白いかなと。