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INTERVIEW

Leopardeath

2019.07.09UPDATE

2019年07月号掲載

Leopardeath

Member:purple(Vo)

Interviewer:杉江 由紀

どんなに激しい曲でも、どれもメロディックで美しいところが長所


-purpleさんの目から見ると、MasahiroさんとMasayoshiさんは個々にどのような個性を持っているギタリストたちであると認識されていますか。

ギター&ヴォーカルのMasayoshiは、歌いながら弾くわけですからね。しかも、歌っていることと弾いていることがまったく違うという場面が多いので、"すごいなぁ......"と私はいつも感心してます。リーダーのMasahiroは、お客さんたちからだけでなく対バン相手のミュージシャンや楽器をやっている方々からも"あのギタリスト、すごいね"と言われるくらいのテクニックを持っている人なので、そこは私としてもかなり鼻が高いところなんですよね。彼は普段ライヴだといつもベースのArataと下手にいるんですけど、よくあるパターンとしてはリード・ギターにあたる人ってだいたいは上手にいることが多いわけじゃないですか。それでもあえて下手で弾く、というのがMasahiroならではのこだわりらしいです(笑)。そして、さっきも言いましたけどMasahiroとMasayoshiは本当にプレイの息がよく合っていて、そこは高校生のときからずっと一緒にやってきている成果なんだろうなと思いますね。

-相当に激烈なフレージングであっても、聴感上では至って美しい音を奏でるあたりもLeopardeathのギター隊は実に鮮やかな手腕をお持ちだと感じますよ。

まさに、私もそう思います! どんなに激しい曲でも、どれもメロディックで美しいというところはLeopardeathにとって大事な長所です。

-中でも、音の美しさを最大限に活かしているバラード「朧月」は、今作における重要な聴きどころのひとつだと言えるでしょう。

これ、初のバラードなんですよ。今まではなかったものなんですけど、最近Masahiroがストラトを購入したらしく、それを活かせるようなバラードを作ったみたいです。

-なるほど、そういうことでしたか。ヴォーカリスト purpleさんとしては、初のバラードをレコーディングしてみていかがでした?

めっちゃ難しいです。"ハイトーンで強めに歌う!"みたいな曲ばっかりをここ数年歌ってきていたので(笑)。サビは盛り上がりがあるにしても、Aメロあたりでは微妙な抑揚を表現していくように心掛けたんですよ。デモ音源を貰った時点で"これは聴き手を泣かせなきゃいけない曲だな"と感じていたので、結構、試行錯誤しました。今回のレコーディングでは、一番回数を多く録った曲でしたね。

-それと、先ほどストラトという言葉が出てきておりましたけれども。音色の面では「光芒の奏多」でも、それこそストラトが使われていそうな響きが聴けますね。

あぁ、あのCメロっぽいところはそういう雰囲気がある気はします。でも詳しいことは、私はちょっとわからないです(笑)。

-もし使っていなかったとしても、凡百のメタル・バンドではこの音作りはなかなか成し得ないと思うのですよ。

どうやら、これはもともと結成当時にやっていたインスト曲を大幅にアレンジして新曲にしたものらしいです。ライヴでも今のところ2回やっているんですけど、この曲はお客さんたちから"メロディが耳に残っていい!"という声を結構いただいてます。

-世の中にはメタルというものに対して抵抗を感じる方も中にはいらっしゃいますが、そうしたメタル・アレルギーの方々にも、「光芒の奏多」はかなり届きやすい楽曲になっているところがあると思いますよ。

わりとキャッチーですよね。メンバーの中でも、曲を作ったMasahiro以外には人気があるんですよ(笑)。作った本人としては、"これがそんなに人気なんだ!? 予想してなかった"と言っていて、ちょっと不思議みたいです(笑)。

-しかし、その一方ではベタベタコテコテなほどのメタル曲も収録されているのが今作『雪月風花』の面白いところで、アルバムのラストを飾る「黙示録」に至っては壮大なスケール感をもって曲が展開されていくところが非常に圧巻です。

「黙示録」は、タイトルを私が先に決めてから、曲ができていったものでしたね。リーダー的には、これがイチ推しなんだそうです。特にこの曲の最後のパートは、"このアルバムのすべてを物語っている!"くらいに言ってました(笑)。

-となると、purpleさんの推し曲はどちらになります?

さっきも話に出た「光芒の奏多」と「花嵐」ですかね。「花嵐」は3年くらい前に会場限定のシングルとして出したことがある曲なので、ライヴでもお客さんたちの間で馴染みのある曲になっているんですよ。みんな、この曲のときにはくるくると回り出すのも定着してます(笑)。あと、これは私がLeopardeathに入って初めて歌詞を書いた曲でもあるので、それがこのアルバムに入ったというのは感慨深いです。やっぱり思い入れがありますね。

-アルバムを聴かせていただいたなかでは、和メロが効いている「憧憬転生」も実に印象深い1曲でした。こちらは、いわゆる輪廻転生を詞の面でモチーフにしたものということになりますか?

曲はきれいなんですけど、歌詞は意外と暗めなんですよね。たしかにこれは輪廻転生をイメージして詞を書いたところがありました。

-つまり、purpleさんご自身は輪廻転生を信じているところがあったりして?

信じてます! 前のミニ・アルバム(『Re:boot』)にも「輪廻」っていう曲があったんですけど、これはそれにも通ずる曲ですね。

-余談にはなりますが、purpleさんの前世は何であったと思われます?

人間です。前世では戦争で死んだと思ってます。なんか、どういうわけか"死んだことがあるな"っていう感覚が自分の中にはあるんですよ(笑)。

-興味深いご発言ですねぇ。

確信ではないんですけど、そんな気がするんです。突然不思議なことを言って、ごめんなさい(笑)。

-......さて(笑)。そのほかにも今作には多くの秀逸な楽曲たちが収録されておりますが、事実上のリード・トラックとしては1曲目の「舞風」が選ばれております。この曲がそのポジションに収まった理由はなんだったのでしょうか。

Masahiroの個人的なイチ推しは「黙示録」らしいんですけど、「舞風」は作った時点から今回のリード・トラックとして意識していたと言ってました。私としては、歌詞の面で風に吹かれて舞っている葉っぱを見かけたときに、"自分ひとりではできないことでも、誰かの力や周りの助けがあれば達成できることがあるんじゃないかな"とふと思ったことがあって、それを言葉にしていきましたね。先日はMVも撮ってきたので、ぜひそちらも観ていただきたいです。

-このあと、8月から9月にかけてはライヴ活動の予定も複数入っていらっしゃるようですし、1stフル・アルバム『雪月風花』を発表して以降のLeopardeathはここからより攻めの姿勢に転じていきそうですね。

北海道の札幌を拠点にしているバンドだけに、なかなか道外でのライヴ活動を増やすことができていなかったんですけど、ここからのLeopardeathは『雪月風花』を出すことによって、日本全国はもちろんですし、もっと大きなことを言ってしまうと世界に向けても発信していけるようなバンドになっていきたいと思ってます!