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INTERVIEW

Dire Wolf

2019.01.11UPDATE

2019年01月号掲載

Dire Wolf

Member:Yu(Vo) SHISYO(Ba)

Interviewer:荒金 良介

超重量級の男女ユニット Dire Wolfが、メジャー・デビュー・アルバム『SHINKA』を発表する。Yuは演歌界の大御所、前川 清の娘であり、その類い稀なる歌唱力は折り紙つきと言っていい。対してSHISYOも音楽一家で育ったようで、ふたりが織りなすサウンドはお互いの良さを補完し合う絶妙なバランス感覚に秀でている。激情迸るエモーションをぶつけ合った今作は、幅広い世代に響くポテンシャルを秘めた魅惑の1枚だ。今回は初登場ということもあり、ふたりのパーソナリティや音楽ルーツを含め、じっくりと話を訊いた。


音楽のエンターテイメント性を強めながら、まっすぐなロックも捨てずにやっていきたい


-今作を聴かせてもらいましたが、ロックあり、ポップスあり、バラードありと、幅広い作風の曲が揃ってますね。ただ、全体的には右から左へスッと聴き逃せないエモーショナルな作品だなと思いました。メロディも憂いや切なさを帯びたものが多いのも特徴で。

SHISYO:エモさというか、数曲はエグさみたいなものを意識してますからね(笑)。

Yu:「君が生きやすい世界を探すために」、「呼吸」とかはそうですね。歌詞的にエグさというか、人間の汚さみたいなものを入れてもいいんじゃないかと思ったんです。ウチは歌詞の中で心情を書くことが多くて。もう27歳だし、ある程度いろんな体験をしてきたからこそ書けるものを入れようと。

SHISYO:境遇も特殊だしね(笑)?

Yu:二世(※父は演歌歌手の前川 清)なので、いろいろ言われるんですよね(笑)。バンドでストリングスをこんなにがっつり入れてる人もいないだろうし。劇場版ロックというか、音楽のエンターテイメント性を強めていきたくて。

SHISYO:かといって、まっすぐなロックも捨てずにやっていきたいなと。

Yu:そうそう。ここまでいろんなジャンルを詰め込んだバンドも少ないだろうし。

-今作は現時点でやりたいことを詰め込むことができた?

Yu:そうですね。どんなに激しい音楽でもメロディにエモさがないとダメなんですよ。激しいけど、いい曲だなと思えるものが好きですね。ラウド、メタル、いろんなジャンルがあるけど、叫ぶのは得意じゃないから。今回は全曲メロディ・ラインがしっかりしてると思います。

-ええ、スクリームはほぼないですもんね。

SHISYO:ウチはないですね。

Yu:見た目が汚いから(笑)、曲は美しくありたいというか、そのギャップも楽しんでもらえたらなと。

SHISYO:個人的にスクリーモは大好きなんですけどね。ただ、このふたりでやるうえでは、歌、メロディ、歌詞は歌う人に任せるのが一番だと思ってるので。

Yu:彼は編曲が主体なので、そこで好きなことをやってますね。聴いてると、ベースでギター・フレーズみたいなものを弾いてますからね。変なフレーズを考えられるのはこの人ならではかなと。

-いい意味でお互いの良さをぶつけ合って?

Yu:そうなっていたらいいですね。ライヴに関してもヴォーカルを立てるというより、サポート・メンバーを含めて、"どんどん前に出ていいよ"って言ってるんですよ。戦ってるようなイメージですね。

-その考え方は完全にロック・バンドですよ!

SHISYO:そうなっちゃいますね。俺が目立つ! みたいな。だけど、協調性は忘れないでねって。

Yu:ライヴは好き勝手にやってるし、(音源と)同じフレーズでやってる人はいないんじゃないかな。ジャズ・バンドみたいな感じですね。

SHISYO:ステージからいなくなるときもありますからね(笑)。

-そのDire Wolfのロック観はどこから来ているんですか?

Yu:自分は二世だからこうしなさいとか、縛りが多かったっていうのが大きいですね。縛られるのが嫌になって。

SHISYO:自由がモットーなので。音楽のルーツ的にはふたり全然違うんですけどね。僕はAC/DCとかも聴くけど、一番聴いたのは邦楽なんです。Yuは洋楽だもんね?

Yu:ウチはBUSTEDが大好きで。自分の中で捨て曲が1曲もなくて。

-1stアルバム『Busted』ですか?

Yu:そうです。小学生のときに1stアルバムを買って、BUSTEDのおかげで英語の曲を歌えるようになったんですよ。こんなに捨て曲がないのはBUSTEDぐらいですね。だいたいアルバムをフルで聴くと、1、2曲は好みじゃないものもあるじゃないですか。BUSTEDにはそれがなくて、だから、今回自分たちの作品も捨て曲がないものを目指しました。この曲もいいよね、あの曲もいいよねって言ってもらえる内容にしたくて。今作は聴きやすいメロディがありつつ、面白くて激しいアレンジを入れるようにしました。バンドとしてはラウドラウドしてないので、意外と高齢の方も聴いてくれるんですよ。