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INTERVIEW

Dire Wolf

2019.01.11UPDATE

2019年01月号掲載

Dire Wolf

Member:Yu(Vo) SHISYO(Ba)

Interviewer:荒金 良介

-ちなみに、Yuさんがヴォーカリストを志したのはいつごろですか?

Yu:小学校3年生のときに初めて父のコンサートを最初から最後まで観たんですけど、その歌ってる姿が忘れられなくて、"歌手になりたいな"という気持ちが芽生えました。それで父に"歌手になりたい"と言ったら、"無理だよ"と言われたんですけどね(笑)。サッカーをずっとやっていたけど、足を怪我したこともあって、そこから音楽に専念しようということになったんです。

-お父さんのライヴを観て、どこに惹かれたんでしょう?

YU:周りの拍手や歓声、あの雰囲気を味わったときに、自分もステージに立ちたいと思いました。別に演歌はやりたくないし、かといって演歌をかっこ悪いと思ったこともないんですよ。ロックをやってるのもお父さんの演歌が嫌いだからというわけじゃなく、ただロックが好きなだけだったという。

-なるほど。音楽の入り口が洋楽というのはお父さんと同じですね。では、SHISYOさんの音楽の入口は?

SHISYO:親父がドラムを叩いてて、母親はピアノ講師で、家ではピアノの音が聴こえてたんですよ。初めてバンドの音楽を聴いたのは中学2年くらいのときの175Rでしたね。で、バンドをやりたくなって、ベースをやり始めました。僕はYuと同じ音大に行ってたんですけど、そこに行こうと決めた瞬間に"音楽で食っていきたい"と思うようになりましたね。Dire Wolfを始めてからは紆余曲折があり、Suchmosのキーボード(TAIHEI)とも同じ大学だったので、手伝ってもらったりもして。

Yu:R&Bとかそういうこともやったりしたけど、なんか違うなと。それからDire Wolfとしてバンドをやった方がいいなと思うようになって。で、もともとふたりでスタートしたから、結局この体制でやろうということになりました。

-おふたりは音楽的な価値観において共有できる部分が大きい?

Yu:それが意外と似てないんですよ。だから、ここまで似てないのによくできるなって。人間性的には陰(SHISYO)と陽(Yu)なんですよ。SHISYOはマイナス思考というか、ネガティヴな方で。ウチは結構その場で行動しちゃうタイプですからね。ふたりとも陰だったら潰れちゃうだろうし、そのバランスはいいのかなと。音楽性は真逆に近いと思います。

-どう真逆なんですか?

Yu:ウチは平井 堅とかゴスペル系とかを歌ってきて、途中でBUSTED、ELLEGARDENとかメロコアを聴いて、coldrainとかラウド系も聴いて、メタルに近いものも聴いたりして、SLIPKNOTも聴きましたね。でも結局、歌モノというか、BUSTEDみたいなものに戻りました。キャッチーなメロディでサビに広がりがある曲が好きですね。

SHISYO:僕は"Crossfaith大好き!"みたいな感じです。175Rとかメロコアから入って、ロキノン系と言われるアーティストを聴いて、なぜかメタル、ハードコアが好みになって。Bruno Marsとかも聴くので雑食ですね。

Yu:ふたりとも幅広くは聴いてます。ただ、好みはだいぶ違うと思いますね。Dire Wolfに関しては彼が合わせてくれる感じです。

SHISYO:僕は歌至上主義みたいなところがあるから。

Yu:ウチの大学がそういう教え方だったんですよ。歌がヘタだったら、誰にも響かないと言われて。

-先ほど二世だから縛りがあったと言ってましたけど、具体的には?

Yu:例えば、実力で何かをやっても"親のコネを使っただろう"と言われるし、親の名前がデカすぎるからこそ、いいことも悪いことも経験してきたんですよ。人間は汚いことを言いたがるじゃないですか。今思えばそういう経験も良かったなと思います。二世で幸せなこともつらいこともあったから、それは普通の人と変わらないんじゃないかと。なので、歌詞に共感してもらえたらいいですね。(父と)比べられてきたことに対する反発心もあったから、風景が見えるよりも感情が見える歌詞が好きなので。

-二世だからこそ味わった経験だけど、誰にでも通じる部分があるだろうと。

Yu:きっかけが違うだけで、一緒なんだなと最近気づきました。小さいころは自分が一番つらくて、周りはわかってくれない、みたいな考え方でしたから。それを含めて、当時の自分を第三者的に見て書いたところもありますね。

-ハッピーエンドの歌詞はないですよね。

Yu:そうですね(笑)。すべてがうまくいくことばかりじゃないですからね。どん底まで行けばあとは上がるだけですから。そういう歌詞が多いかもしれない。

SHISYO:僕がサウンドを渡して、それから歌や歌詞を乗せて、それをまた返してもらって色をつけるんですよ。完全に一致はしないと思うけど、レコーディングでも歌詞の内容をふまえてプレイしました。