INTERVIEW
CHRONOMETER
2019.01.30UPDATE
2019年02月号掲載
Member:Yu kitajo(Vo) Daisuke udagawa(Gt) Keiichiro ito(Dr)
Interviewer:荒金 良介
-みなさんのルーツはどのへんになるんですか?
Keiichiro:俺はパンク......RANCID、SOCIAL DISTORTION、BACKYARD BABIESがルーツで。ほかにもいろいろ聴いてますけどね。
Daisuke:僕もパンクから入って、スカコアを聴いて、OPERATION IVY、DANCE HALL CRASHERS。あと、高校のころはキッズだったのでBENTROOTのライヴも観に行ってましたね(笑)。ハードコアと言われると、ジャパニーズ・ハードコアの方が熱くて、envy、SWITCH STYLEとか。
-Yuさんは?
Yu:どこからがルーツかにもよりますけど、それこそMADONNAから入ってるし(笑)。自分が音楽をやり始めてからは......もともとドラムだったんですけど、最初にカバーしたのは筋肉少女帯でしたからね。"本気で音楽やりてぇ!"と思ったのはサイコビリーやパンクを聴いてからになるし、高校のころにメロコアも流行ってましたから。NOFX、BAD RELIGIONとかを聴いてたんですけど、留学していた友達が"今のアメリカはこれだぜ!"ってRAGE AGAINST THE MACHINEを持ってきて。それからミクスチャーを聴くようになって、あのサントラも聴いて――
-『Judgment Night』ですか?
Yu:そうです! さらに311、DOWNSET、ハードコア寄りだとBIOHAZARD、HELMETやSICK OF IT ALLなどのNYHC系も聴いてましたし。ミクスチャーはメロディック、ハードコアの要素を入れても許されるジャンルだし......歌が上手くないので、昔から歌い込むことができなかったんですよ。とはいえ、ラップもできないけど、僕のヴォーカルのルーツはZack De La Rocha(RAGE AGAINST THE MACHINE)ですかね。
-へぇ、そうなんですね!
Yu:RAGE AGAINST THE MACHINEがベストですね、思想も含めてかっこいいと思ってるから。
-たしかに、BENTROOTのころはラップ寄りのヴォーカル・スタイルでしたよね。
Yu:そうですね。ラップをしたい子みたいに(笑)。
-とはいえ、型にハマったラップになっていないところがYuさんのオリジナリティ溢れるヴォーカル・スタイルに繋がっているなと。
Yu:すごくポジティヴに言うとそうなりますかね(笑)。世界を見てもRAGE AGAINST THE MACHINEっぽいバンドはいないし、そのオンリーワン感がかっこいいなと思っちゃって。Roni SizeがZackをフィーチャリングしている曲(「Centre Of The Storm」)があって、それを聴いたときにぶっ飛んだんですよ。"打ち込みとミクスチャーのヴォーカルが一緒にできるんだ!"って。それが今のバンドのルーツになってるところはありますね。
-今作はBENTROOTを経て、さらに唯一無二感が出てると思います。
Yu:ほんとですか? 嬉しいですね。
Daisuke:でも「Shut it down」はAT THE DRIVE INをイメージして......。
Yu:そうだね、激情で狂った感じでやろうよって。今さら和製AT THE DRIVE INやろうぜって(笑)。でも結果的にそうならなかったけど(笑)。
-ええ、あまり似てませんよね。そこが最高じゃないですか。
Yu:打ち込みを入れていたころから、ライヴは泥臭いバンドだねって言われてたんですよ。そのギャップを指摘されてたんですけど、それがちょっと埋まったのかもしれない。ライヴと音源が一致しているというか。
-等身大になってきたと。
Yu:そうですね。余計なことを考えずに、みんなが気持ち良くやる方が絶対かっこ良くなるだろうって。改めて話すと、かっこいい感じに聴こえるけど、そんなことすらも考えてないですからね(笑)。
-今作は泥臭さ、いなたさ、生々しさが爆発してます。「Loud of silent」もすごく好きな曲で、SEPULTURAを彷彿させるヘヴィ・グルーヴ感が渦巻いてて。
Yu:まさにそうですね(笑)。もともとピコピコしてる曲だったけど、インストはそういうものをつけ加えました。ライヴ用に作った曲で、中間でも煽って"みんなでヘッドバンギングしようぜ!"って。
-あと、「Instinctive behavior」は今作の中でも異色ですけど、これはどういうアイディアから派生した曲なんですか?
Yu:歌モノというか、そっちに寄った意欲作ですね。これはセッションから生まれた曲なんですよ。レコーディングの最後の最後にできましたからね。語りっぽいアプローチをやりたくて、根暗な雰囲気を出したかったんです(笑)。ギターはエモっぽく弾き狂ってみたいなお願いをしましたけど。
-U2やenvyに通じるスケール感もありますよね。
Daisuke:U2は大好きですね。
Yu:そうなの? 初めて聞いた。
Daisuke:リバーブやディレイをかけた音色も好きなので。
Yu:この曲はみんなが一歩違うステージに行かないとできない曲でしたね。ヴォーカルに関しても、ここまで歌っている曲はなかったから。
-今作の中でいい差し色になっているし、どの曲もライヴで映えそうなナンバーばかりだなと。
Yu:ライヴ・バンドでいたいとは思ってます。今回はライヴでうまく表現するのが難しい曲が多いので、まずはボイトレからやり直そうと。
-今作を作り終えたことで、モチベーションはさらに上がっていると?
Yu:スタート地点に立った、という気持ちが強いですね。
Keiichiro:"フジロック(FUJI ROCK FESTIVAL)"や"サマソニ(SUMMER SONIC)"とか、フェスにも出たいです。
-海外でもウケそうな音源だと思います。
Yu:チャンスがあれば(海外にも)行きたいですね。みんな社会人なんで、そのバランスも考えつつになりますが。とは言え、今の仕事よりも音楽やってきた期間の方が長いので。当たり前ですがみんな本気でやってます。
-最後に、アルバム名に込めた想いというと?
Yu:進化して根源に戻るという意味合いが僕の中にはあるんですよ。原点回帰と言ってしまうとなんとなく後退してる感じがあるけど、進化した中に根源があるんだよって。
-その根源とは?
Yu:音と気持ち、ですかね。今日もお話したように、打ち込みをやめて、みんなのルーツにあるものを掘り起こして、それを成長した僕らのフィルターを通して表現するという。それが今回はうまくいったと思います。
LIVE INFORMATION
"【EVOLUTION INTO THE ROOTS】RELEASE TOUR-019"
3月8日(金)渋谷GARRET udagawa
w/ COKEHEAD HIPSTERS / COUNTLOST / SABANNAMAN
DJ:masasucks(the HIATUS/RADIOTS/FULLSCRATCH/J BAND)