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INTERVIEW

DEF LEPPARD

2018.11.30UPDATE

DEF LEPPARD

メンバー:Phil Collen(Gt)

インタビュアー:荒金 良介

2018年10月に名盤4thアルバム『Hysteria』全曲再現というファン垂涎のセットリストを掲げ、日本武道館公演を含む3公演を大成功に収めたDEF LEPPARD。その余韻も冷めやらぬなか、彼らがキャリアを総括するベスト盤『The Story So Far...The Best Of Def Leppard』を発表することになった。CD化初となるDEPECHE MODEのカバー「Personal Jesus」や「Rock On (Radio Re-Mix)」、さらにマニア心をくすぐる彼らならではと言える7インチ・シングルのみに、オリジナルのクリスマス・ソング「We All Need Christmas」も収録。Phil Collenに単独取材で話を訊いた。


毎日Steve Clarkのことを恋しく思っているよ


-まずは、今年10月に日本武道館を含めて、大阪、名古屋と3公演にわたって、『Hysteria』(1987年リリースの4thアルバム)全曲再現ライヴ"HYSTERIA & MORE"を行いました。そこで得た手応え、感触から教えていただけますか?

最高に楽しい時間を過ごせたと思う。全曲再現という特別なライヴを日本のファンの前でやることができて、なおかつ非常にウケが良く、本当に楽しんでくれたみたいだったから、大成功だと言ってもいいくらいだ。僕にとって日本ほど愛している国はないので、また日本に行けたことを光栄に思っているし、息子のRoryも連れて行ったんだけど、彼もとっても有意義な時間を過ごせたと感動しているよ。

-各会場によって、バンド側の気持ち、オーディエンスの反応など違ったと思いますが、それぞれの公演を振り返って、印象深かった出来事があれば教えてください。

武道館はもちろん迫力の面ではすごいライヴだったけれど、ライヴハウスでのショーの方が密接な関係があって、オーディエンスとの距離が近いぶん、顔や表情も見えて良かったと思うし手応えもあった。ファンからもいろいろなコメントがあって、小さい会場の方を好んだみたいだったね。その場所によって多少反応の仕方が違っているように思えたけど、どの会場でも曲の間でシーンとする感じはなく、欧米のように盛り上がっていたよ。

-そもそも『Hysteria』全曲再現というアイディアは、この作品が2017年に30周年を迎え、それに伴って30周年記念エディション(2017年8月リリース)を出したことが大きかったのでしょうか、それ以外にも何か理由はあったのですか? また、『Hysteria』全曲再現ライヴをやろうと最初に言い出したメンバーは誰だったのですか?

本当は自分たちですべて考えたって答えたいんだけど、実はどこへ行ってもプロモーターが"全曲再現ライヴをやってくれないか"と言ってきたので、面白い企画になるんじゃないかって考えるようになったんだ。最も売れた、名曲が詰まったアルバムなだけに、完全に再現ができると思った。今までもこのアルバムからかなりの曲をライヴで演奏してきているけど、全曲やってもすごく盛り上がるんだ。最後に「Don't Shoot Shotgun」、「Run Riot」と「Excitable」を立て続けにプレイするんだけど、これがものすごく大変。ヴォーカルも多いしエネルギーも消耗するけど、やり甲斐があって楽しいんだ。「Love And Affection」はあえてセットリストから外して、アンコールでプレイしたよ。素晴らしいエンディングになるからね。

-『Hysteria』の楽曲は通常のライヴでも披露されることが多く、大ヒット・シングルを抱えたこのバンドにとっての代表作だと思います。この作品を全曲ライヴで披露して、何か新たな発見や魅力に気づいたところはありましたか?

そうだね、いつもこのアルバムのレコーディングのことを思い出すんだ。このアルバムは本当に長い時間をかけて作ったからね。アイルランドのダブリンで制作したんだけど、3年くらいかかったよ。どの曲でどんなギターを使ったとか、Steve Clark(Gt/※1991年に逝去)とのやりとり、他のメンバーの素晴らしいアイディアとか、そういうのを全部思い出す。プロデューサーのMutt Langeが、まったく違う方向に進もうって提案してきたので、それだけでかなりの時間を要したと思う。レコーディングしているとき、誰かがスタジオに来て"なんでこんなに時間をかけているんだ?"って聞いてきたのも記憶に残っている。31年経った今でも、その長い時間を費やしたことについてみんなとまだ話しているよ(笑)。

-ライヴでは故Steve Clarkの映像をスクリーンで流す演出もありました。やはり『Hysteria』という作品を語るうえで彼の存在は欠かせないと思いますが、ライヴ中にも彼のことが頭をよぎる場面はありましたか?

毎日彼のことを恋しく思っているし、寂しいんだけど、ステージに彼の映像があると、なんだか彼がそこにいるような感じがして好きなんだ。彼がいつも一緒にいると思っているけど、そうやって彼の写真とか映像があると、余計その気持ちが強くなって、とても気分がいいね。

-『Hysteria』の中で思い入れが深い楽曲、あるいは、すぐに思い出せる制作時のエピソードがあれば教えていただけますか?

「Hysteria」って曲は非常にエモーショナルになる。必ずこの曲でサウンド・チェックをするんだ。ヴォーカルもサウンドもグルーヴ感も申し分がないので、これをリハーサル曲にしている。アルバムのタイトルでもあるし、いろんな意味でパワフルな楽曲なんだ。この曲はダブリンのスタジオでプレイしていて、FenderのストラトをDiMarzioと交換して、Steveとソロを交互にプレイしていた。あの小さな部屋をすごく思い出す曲なんだ。今でも特別な曲だよ。

-いちファンとして『Pyromania』(1983年リリースの3rdアルバム)も大好きな作品で、いつかライヴで全曲再現してくれないかなと思っています。こういう感想を聞いて、どう思われますか?

そうそう、ファンからのそのような要求はラスベガスで演奏してから聞くようになった。とてもいいアイディアだし、いいライヴになると思うけど、もっともっと多くの人がやってくれって言ってくれないと難しいかもしれない。もしプロモーターたちにその要求が届いて、オファーがあれば喜んで全曲再現ライヴをするよ! 5、6人が聞きたいと言うだけじゃ不可能だからね(笑)。個人的にはやりたいよ。ただ、準備期間も必要だし、練習もしないといけないから、本当にやるならば需要かあるかどうかだね。俺たちは完璧主義者ではないけど、ちゃんと届けたいし、ものすごく労力と時間をつぎ込むからさ。みんな今はそれぞれの人生でいろんな出来事があって、実は俺も6ヶ月前に息子Jaxsonが生まれて、このインタビューをしている間も隣であやしている状態なんだよ(笑)。メンバーが今ほど多忙なのはこれが初めてかもしれない。

-『Hysteria』以外にライヴで全曲再現してみたい、と思う作品はありますか?

どのアルバムも需要があればぜひ再現したいね。本当に楽しいライヴだし、今これほど年齢を重ねて、ミュージシャンとしても上達していて、人生経験も豊富になったし、きっとさらにいい表現の仕方ができると思うので、どんどん取り組みたい部分でもあるよ。