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INTERVIEW

DEF LEPPARD

2018.11.30UPDATE

DEF LEPPARD

Member:Phil Collen(Gt)

Interviewer:荒金 良介

-そして、今回新たなベスト盤『The Story So Far...The Best Of Def Leppard』をリリースすることになったわけですが、このベスト盤を出す話はいつごろに出てきたのでしょうか?

ユニバーサル ミュージックと契約したときに、いろんな素晴らしいアイディアをぶつけてきてくれたんだ。Apple MusicやSpotifyとのタイアップもあったけど、彼らは新しいファンもついたのと、昔からのファンへの感謝の気持ちとして、ベスト盤を出すのにいい時期なんじゃないかと提案してくれた。クリスマス曲(「We All Need Christmas」)もあるし、新しい作品もレコーディングしているし、次のDEF LEPPARDのアルバムも作り始めている。ツアー中に曲作りをしていたんだ。そういえば、TESLAのニュー・アルバム『Shock』のプロデュースをさせてもらったけど、それもTESLAとのツアー中にやったことなんだ。このアルバムは驚くほど素晴らしい出来だよ。本当に誇りに思う。レコーディングのエピソードでこんなことがあったんだけど、Dave Rude(TESLA)がギター・パートを入れないといけなくて、彼らはミート&グリートがあって、俺たちはサウンド・チェックをしないといけなかったから、25分しか空き時間がなかった。でもギターを接続してすぐに録音したらワンテイクでできたんだ。そこでインスピレーションを得て、DEF LEPPARDも同じように、ちょっとでも時間があれば制作に挑めると思うようになったんだ。

-ベスト盤の選曲はどのように決めたのですか?

今回初めてのベスト盤で、メンバー全員が入れたい楽曲、レーベルが入れたい楽曲を話し合って、本当に理想どおりのベストになったと思う。DEF LEPPARDが辿った道だけでなく、これからのことも理解できる作品になったと思うんだ。

-ベスト盤の目玉のひとつとして、DEPECHE MODEのカバー「Personal Jesus」が初CD化されます。これはもともと"Spotify Singles"として提供された音源ですけど、この曲を取り上げた理由というのは?

一番の理由は自分たちがやっていることと違うし、新しいものだったから。"Spotify Singles"をレコーディングするときに、『Hysteria』から1曲とカバー曲を1曲頼まれたので、この曲に決めたんだ。カバーを決めるとき、メンバーがあれこれ提案してきたけど、どれも意見が一致しなくて、Vivian Campbell(Gt)が"「Personal Jesus」はどうだ?"ってポツンと言って。俺たちのサウンド・エンジニアとプロデュースも担当してくれているRonan McHughが毎日この曲を流していたので、みんなの耳も慣れていたんだ。Vivianがこれをあげたときは全員が"OK!"って一致したよ。

-ベスト盤の2枚組フォーマットのDisc 2には未発表曲「Rock On (Radio Re-Mix)」も収録されますよね。この曲を入れようと思ったのは?

誰も聴いたことがない曲を組み込んでもいいかなって思っただけ。よくDEF LEPPARDのTシャツを着ている人を見るけど、DEF LEPPARDの音楽を知らないのに着ている人が多い。特にアメリカの店では人気があるみたいだけど、そんな人たちにDEF LEPPARDの歴史を聴いてもらいつつ、バラエティに富んでいる楽曲にしたら、興味を持ってくれるかもしれないと思ったんだ。

-さらに2LP+7インチ・シングル(※輸入盤のみ)の7インチの方にはオリジナルのクリスマス・ソング「We All Need Christmas」も収録されます。壮大なストリングスや、鈴の音が導入されていて、まさにクリスマス感たっぷりの素晴らしい楽曲ですね。これはいつごろに録音されたのでしょうか?

夏にJOURNEYとUSツアーをしているときにRick"Sav"Savage(Ba)が"曲のアイディアがあるんだけど......"って言ってきたけど、なんだか躊躇っているような感じだった。それで話を聞くと、クリスマス風だって言うから"まぁ、いいから聴いてみようよ"って言って、聴かせてもらったんだ。それを聴いて、俺が"最高だよ、これは絶対にアルバムに入れよう"ってみんなに提案して決まった。クリスマス・ソングってダサいものも結構多いけど、これはまったく違っていて、ツアー中にレコーディングしたよ。しかもマイアミでのライヴのバックステージで。外は猛暑だったにもかかわらず、クリスマス・ソングをレコーディングしていたんだ(笑)。

-少し話は逸れますが、ほかのアーティストで大好きなベスト盤があれば教えてもらえますか?

ベスト盤はよく聴いてるよ。EAGLES、AEROSMITH、QUEENとか、なんでも聴いている。James Taylorの『Greatest Hits』なんかは子守歌として流しているし(笑)。毎晩すごくよく眠れているよ。

-最近よく聴いているお気に入りのアーティストや作品はありますか?

最近いい感じの新しいものが耳に入ってこないな。5年くらい前にSKRILLEXを聴いて楽しんでいたけど、最近では心が動くものがないね。

-少し気は早いかもしれませんが、ニュー・アルバムの構想などはあるのでしょうか? 現時点で言える範囲でどんな作風になりそうか、教えてください。

ベスト盤を作っているときにいくつかの曲ができあがっているので、作風は今までと同じような方向で、DEF LEPPARDらしいアルバムになると思う。成り行きに任せて、自然とできあがるものになるようにしたい。

-最後に今後の予定や、これからやってみたいことなどはありますか?

今はニュージーランドで数日休暇を取っているけれど、まだ今年はUKツアー(12月より開催)がある。Wembleyが今年のツアー・ファイナルで、それから年末の休暇があって、来年はものすごく忙しくなりそうなんだ。ヨーロッパのフェス出演、カナダ・ツアー、南アメリカ、それに日本にも行く。日本は最優先だからね!

-順調ですね!

そうそう。信じられないくらい順調で、返り咲きじゃないけど、なんだか第2の人生的にまた人気も出てきている。廃れていくバンドが多いこの業界で生き抜けるのは幸運だよ。モチベーションにもなるし、ミュージシャンとして、パフォーマーとして、ソングライターとして、それにプロデューサーとしても、どんどん上手くなっていくから感謝の気持ちでいっぱいだね。

-何か新しいことに挑戦したい気持ちもあります?

アルバムの完全再現は新しいことだったので、その反応に驚いているところなんだ。あまり欲張ってあれもこれもって言いたくないけど、徐々に新しいことも始めたいと思うよ。

-最後になりますが、Philは身体をすごく鍛えていて、いつも若々しいですよね。どうやってその若さを保っているんですか?

そうだなぁ(笑)。頑張るしかないんだけど、長年武術をやっているし、毎日トレーニングしている。身体を鍛えるのが好きでかなりアクティヴにやっているよ。ツアー中はトレーナーにも同行してもらって、メンバー全員が毎日トレーニングしているんだ。もっと時間があれば読書とか脳も鍛えたいけど、今はこれだけで充分かな。とにかく、また日本のみんなに会える日を楽しみにしているよ。ありがとう!