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INTERVIEW

MEPHISTOPHELES

2018.09.19UPDATE

2018年09月号掲載

MEPHISTOPHELES

メンバー:梅原“ROB”一浩(Vo)

インタビュアー:杉江 由紀

歴史を楯に威厳を振りかざすのではなく、MEPHISTOPHELESは今のシーンに対して真っ正面から鋭く斬りかかってきているのではないだろうか。日本において国産ヘヴィ・メタルが隆盛し出した1980年代から今日に至るまで、途中で長いブランクはあったにせよ、MEPHISTOPHELESが偉大なるレジェンド・バンドのひとつとして長く認識されてきたことは揺るぎない事実だが、このたび約3年ぶりに発表されるアルバム『Hide and seek』はリーダーである梅原"ROB"一浩氏も"前衛的"であると断言するほど、切れ味のいい作品へと仕上がった。lynch.の葉月がゲスト・ヴォーカリストとして参加している点も含めて、今作には注目すべき点が実に満載なのである。

-日本において国産ヘヴィ・メタルが隆盛し出した1980年代から今日に至るまで、途中で長いブランクはあったにせよ、MEPHISTOPHELESは偉大なるレジェンド・バンドのひとつとして長く認識されてきた貴重な存在です。そして、このたびは史上最強メンバーでのニュー・アルバム『Hide and seek』が発表されることとなりました。まずは、ここに至るまでの大まかな経緯を教えていただけますと幸いです。

もともとMEPHISTOPHELESは1984年に結成されたバンドなんですが、1987年には一度解散をしているんです。そこからは14年くらいの空白期間がありましたし、その時期については僕、音楽業界を離れていたんですね。とはいえ、音楽に対する自分なりの後悔とか未練があったのも事実で、そのあとは2001年にMEPHISTOPHELESとして復活する前、僕はまた別のバンドをやっていて、そのときにはANIMETALやGALNERYUSのプロデューサーである久武(頼正)氏が関係者としてそのバンドのライヴに通ってくれていたんですよ。

-久武さんといえば、2005年には、かのMarty Friedman氏と共に出演されていた音楽バラエティTV番組"ヘビメタさん"でもメタル解説者としてご活躍されていましたし、いわばメタル界の重鎮ですよね。

その久武さんから、当時"MEPHISTOPHELESを復活させてくださいよ!"ということをよく言われていたんですけどね。でも、僕はしばらく音楽業界を離れていたから彼のことをよく知らなかったし、ANIMETALのことも知らなかったから、最初は正直"なんかうさんくさい業界人だなぁ"としか思っていなかったんです(笑)。ただ、結局そのときにやっていたバンドがメジャー・デビュー直前までいってダメになってしまったのもあり、そこでもう一度MEPHISTOPHELESをやってみようかなという気持ちが自分の中で出てきたんですね。そして、そのことを前のバンドのベーシストに相談したら"じゃあ、MEPHISTOPHELESをもう1回やりたいって久武さんに連絡してみたら?"というアドバイスを受けたんです。それで実際に電話をしてみたら"やっとその気になってくれたんですね!"という答えがその場で返ってきて、その段階でも僕は半信半疑だったものの、1週間後には久武さんがレーベルを決めてきてくれたんですよ。

-2001年にリリースされた復活アルバム『METAL ON METAL』が、まさにその作品だったわけですね。ただ、そのあともMEPHISTOPHELESの活動は何かと不定期的だったところがあるかと思います。2015年にもアルバム『devils on metal revitalized』が発表されてますけれど、今作『Hide and seek』はそこからさらに約3年ぶりの新作です。MEPHISTOPHELESの中心人物であるROBさんからすると、紆余曲折がありながらそれでも、こうしてMEPHISTOPHELESを続けてきている理由とはなんなのでしょう。

それは僕がMEPHISTOPHELESのことを好きだから、というところに尽きるでしょうね。実は僕、今はリーダーですけどオリジナル・メンバーではないんですよ。僕自身も2代目ヴォーカリストですし、これまでにはいろいろとメンバー・チェンジもしてきましたが、要はMEPHISTOPHELESをどうしたいかっていうと、僕はこのバンドを進化させていきたいんです。ある意味では、どうなっていくかわからないという不確定なところを楽しみたいという気持ちでもあります。そこは、今のところ5人のメンバーのうちふたりがサポートであるというところもポジティヴな面でわりと大きいと思いますよ。

-そのサポートのおふたりというのは、HIROさん(La'cryma Christi/Creature Creature/Gt)とhibikiさん(Silex/SABER TIGER/ALHAMBRA/Ba)のことですね。

例えば、HIRO君については見る人から見れば"メタルの人じゃなくてヴィジュアル系の人でしょ"って思う人がいるのかもしれない。だけど、そこにはちゃんと理由があるんです。というのも、前任ギタリストが結構HIRO君と近いタイプだったんですよ。純然たるメタルのギタリストというよりは、トーンで雰囲気を出していく感じの人だったんですね。そういう点では、HIRO君もリフを弾き倒すより曲の中できれいに奏でていくことが得意なギタリストなので、そこがMEPHISTOPHELESにフィットするなと感じたんですよ。しかも、僕がHIRO君と知り合ったのは彼がCreature Creatureでの活動を始めてからのことだったので、La'cryma ChristiでのHIRO君のことはあまりよく知らなかったっていうのもありましたし(笑)。そこまでヴィジュアル系の人とは思っていなかったと同時に、とにかく彼のプレイがいいなと思ってサポートをお願いしたんです。

-そういうことでしたか。

一方でhibiki君に関しては年齢的に僕と20歳くらい離れていますから、世代が全然違うところがまた面白いんですよ。まさに今のシーンで活躍している人なので、僕の中にはない引き出しを持っているところがあるというか。先ほどのMEPHISTOPHELESを進化させたい、という方向性を実現していくにあたってはすごく必要な人材なんです。彼の持っている若い感覚と僕らの感覚が触れ合うことで生まれる化学反応が好きだし、一緒にやっているとすごく楽しいですね。昔の曲をやったとしても、今の体制だと昔とはまったく違う感覚でやれるところが僕は嬉しいんです。その影響もあってか、最近は僕の歌に対する姿勢も少し変わってきたところがあるくらいですね。そういう自分の変化も楽しんでます。

-ご自身としては、具体的にヴォーカリゼーションの面で最も変化したのはどんなところだと感じていらっしゃいますか?

大昔の僕はハイトーンが主体で、いわゆる金切り声を出していたんですけどね。それが、2015年、アルバム『devils on metal revitalized』を作ったときに"この声の出し方を続けるのは良くないな"と感じたところがあって、急遽レコーディング中に歌い方を変えたんですよ。それ以降、今の自分や今のMEPHISTOPHELESに何が必要なんだろう? と考えながら歌と改めて向き合うようになり、そこで模索したことが今回のアルバム『Hide and seek』の制作においては生かされていくことになりました。

-では逆に、MEPHISTOPHELESが以前から"一貫して変わっていないところ"があるとしたら、それはどんな点になるのでしょうか。

ジャパメタ(ジャパニーズ・メタル)であるところ、ですかね。最近は日本でも英語で歌っているバンドが増えましたし、ライヴを拝見させていただいたり、音源を聴かせていただいたりして"すげーな!"と思うことも多いんですが、僕自身は英語で歌うことにあまり興味がないんですよ。音楽的に言えばMEPHISTOPHELESも昔はどちらかというと、ジャパメタというよりはヘヴィ・メタル・バンドに見られることが多かったんですが、今となっては"うちってすごくジャパメタだな"と我ながら思うんです(笑)。

-たしかに、初期のMEPHISTOPHELESはジャパメタの枠にはカテゴライズされていなかった記憶があります。俗にジャパメタとされていたバンドたちとは別の次元で、より本格的なヘヴィ・メタル・バンドとしての評価を得ていましたものね。

ところが、時代を経てきて"いや、結局MEPHISTOPHELESってジャパメタなんだな"ということに自分でも気がついたんですよ。そこは、近年で歌い方を変えたところもかなり作用しているでしょうね。

-そんななか、今作『Hide and seek』ではMEPHISTOPHELESにとって約3年ぶりのレコーディングをされたことになるわけですが、まず収録曲についてはどのように揃えていくことになったのでしょう。

最初は本当にノープランで、何曲入れるかもまったく決めていませんでした。だから、最初に録り始めたのは当時できていた2曲くらいからだったかなぁ。最終的には梶谷(梶谷 禎/Gt)が作ったもの3曲と、ドラムの佐藤(潤一)が作った1曲、それと1988年に僕がやっていたERASERHEADというバンドの曲を合計して7曲入れました。まぁ、ERASERHEADの曲はこれまでもしょっちゅうMEPHISTOPHELESのライヴでもやっている曲なんですよ。ERASERHEAD自体は5回しかライヴをやらなかったバンドなんですが、僕は曲が大好きですし、もはやMEPHISTOPHELESでやっている回数の方が断然多くなっているものでもあるので、今回のアルバムにはどうしても入れたかったんです。だから、細かいところで言うと最近作った曲とERASERHEADでやっていた曲ではキーも歌い方も少し違うんですが、そこは1枚のアルバムとして違和感がないように作っていくことを心掛けましたし、こだわりました。

-なお、今作では「Dictator ship」にlynch.の葉月さんがゲスト・ヴォーカルとして参加されていますが、これはどういった経緯から実現したことだったのでしょうか。

葉月君とはですね、あれはlynch.がデビューしたあとくらいのタイミングだったかな。DEAD ENDのライヴの打ち上げで、知り合いのライターさんから紹介してもらって知り合ったんですよ。それ以来、葉月君がよく誘ってくれるのもあってふたりで飲みに行くようにもなりましたし、彼らのライヴにも結構行っているんです。なんなら、明日も仙台までまたlynch.のライヴを観に行くつもりなんですけどね(笑)。それで、今回のアルバムのレコーディングを僕らが始めたころには、lynch.が『AVANTGARDE』っていうアルバムを出したあとのツアー([TOUR'18「THE NITES OF AVANTGARDE #2」"A BLØODY REVENGE"])をやっていて、そのZepp Tokyo(2018年5月11日開催)のときに楽屋で葉月君から"ROBさん、次に出す作品のレコーディングを始められているんですよね"って聞かれたんですよ。ちょうど僕らのアルバムも彼らと同じキングレコードから出すと決まったところだったのもあって"そうなんだよね。良かったら、コーラスやってよ"って頼んでみたら、"もちろんやります!"とすぐに快諾してくれたという流れでした。