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INTERVIEW

HELLHOUND

2018.07.03UPDATE

2018年07月号掲載

HELLHOUND

Member:Crossfire(Vo/Gt) Blackwind(Ba) Mountain King(Dr)

Interviewer:荒金 良介

CD帯にある"徹頭徹尾HEAVY METAL!"という惹句が燦然と輝き、まさにその言葉を体現したサウンドに貫かれている。HELLHOUNDが約6年半ぶりとなる4thアルバム『The Oath Of Allegiance To The Kings Of Heavy Metal / 鋼鉄の軍団』をついに完成させた。過去にドイツ最大のメタル野外フェス"Wacken Open Air 2014"に出場した経験もあり、ヘヴィ・メタルに対する突き抜けた愛とリスペクトに溢れた楽曲群が聴く者のメタル・ハートを揺さぶること間違いなし! 今回は本誌初インタビューということで、結成時から今現在に至るまでの話をじっくりと訊いた。

-2002年結成時はカナダのEXCITERのトリビュート・バンドを構想していたそうですが、当初はスピード・メタルをやろうと考えていたんですか?

Crossfire:というか、もっと自由にやりたくて。その前にもバンドをやってたんですが、ヘヴィ・メタルはテクニックや、カッチリとしたものを求められるけど、それが自分に合わなくて。で、DESTRUCTIONの1stミニ・アルバム『Sentence Of Death』を聴いたときに、めちゃくちゃだけど、すげぇかっこいいなと思ったんです。

-ええ(笑)。

Crossfire:俺が音楽を好きになったのはクオリティうんぬん抜きだったから、そこに立ち返って、自由にやりたいことをやろうと。ある種、日本にある既存のヘヴィ・メタルに対するアンチテーゼみたいな気持ちはありましたね。

-というのは?

Crossfire:いわゆるジャパメタと言われる人たちって、めちゃくちゃ作り込んでいるんですよ。そこに勝つためにはもっと作り込まなきゃいけないと勝手に思っちゃって、音楽を自由に聴けなくなって。で、当時ジャズも聴いてて、Miles Davisの『'Round About Midnight』に入ってる「Ah-Leu-Cha」という曲に触れたときに、ひたすらインプロなので、どう聴いていいかわからなくて。ジャズに詳しい人に"どう聴けばいいの?"と聴いたら、"全体で聴けばいいんだよ"って。それぐらい頭が固くなっていたので、固定的な考えを一度捨て去らなきゃいけないなと思いました。

-では、これまでメンバー交代も経てますが、バンドにとって転機になった出来事は?

Crossfire:個人的には、2013年あたりにバンドをやるのがしんどくなって、メンバーにも"バンドはもうやらない"と伝えたんですけど、Blackwindが"Wacken Open Air 2014"の"Metal Battle Japan"にエントリーしたいと言い出して。俺は心底嫌だったんですよ。

-えっ! そうなんですか(笑)。

Crossfire:でも、Blackwindからずっと話をされて、じゃあ、諸々手続きしてくれるならいいよって。まさかHELLHOUNDが選ばれるとも思ってなかったから。

Blackwind:俺は通ると思って応募しましたからね。HELLHOUNDは海外で絶対ウケると思って、以前"KEEP IT TRUE Festival"というドイツのフェスに出たこともある(※2008年に出演)んですよ。"Metal Battle Japan"の決勝でライヴをしたときは活動を停止してから1年以上経ってたけど、優勝できまして、"Wacken(Wacken Open Air 2014)"行きの切符を手に入れたという。

-それはすごいですね!

Blackwind:そこでCrossfireのケツを蹴り上げることができたのは良かったです。

-"Wacken"出場もすごいですが、バンドを継続するうえでも大きな転機になったと。

Crossfire:日本代表になったので、責任もありますからね。現地に行ったことで、"Wacken"の規模をまざまざと見せられて、バンドをやるならまたここに出たいなと思いました。

Blackwind:"Wacken"の本戦では6位だったんですけど。

Crossfire:反応はすごかったんですよ。"We want more!"とみんな叫んでいるし。コーディネーターの人からも"こんな光景初めて見た!"と言われて。確実に届いたな、という実感はありましたね。

Blackwind:帰りの空港でも声を掛けられましたからね、サングラスしてないのに(笑)。

-"Wacken"は街全体がフェス一色に染まるんですよね?

Crossfire:ハンブルクの街を歩いているだけで、"「Wacken」、行くの?"と声を掛けられるし、空港のお兄ちゃんも"Wacken!"と叫んでますからね(笑)。

Blackwind:街にメタルが根づいているんですよねぇ。

-それは本当にうらやましいです。実際にライヴをやった感触は?

Crossfire:みんなめちゃくちゃ盛り上がるから、わけがわからなかったですね(笑)。俺らの曲には歌詞の中に"METAL"という言葉が入ってるから、彼らはその言葉を聴いただけで高揚するんですよ。

-はははは、最高ですね!

Blackwind:マイクテストしているときに"Samurai!"と言ったら、向こうは大ウケするし(笑)。初めてライヴをやってる気がしなかったし、アンコールも起きたので、それは嬉しかったですね。俺らは日本っぽさよりも、ヨーロッパのバンドみたいな出で立ちだから、そこもウケた要因かなと思います。

-海外のメタル・フェスはHELLHOUND同様、パッチGジャンを着ている観客ばかりですからね。

Crossfire:あぁ、ほんとそうですね。これが普通ですからね。

-そして、Mountain Kingさんは今年バンドに加入したんですよね?

Mountain King:前任のドラムが事情で出れないときにヘルプをしてて、彼らが"Wacken"に出るときにゲネプロも担当して、裏家業的に支えていたもので。今年正式メンバーになりましたけど、4~5年このバンドに関わってます。

Crossfire:ドラムは彼しかいないと思って、"どう?"と聞いたら、秒速で"いいですよ!"って返事してくれて。

Mountain King:はははは(笑)。秒速で返事しましたけど、心の中で葛藤はありましたよ。でもやります! って。