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INTERVIEW

Roman so Words

2018.05.07UPDATE

2018年05月号掲載

Roman so Words

メンバー:Yui(Syn/Accordion) 己稀(Vo/Cho)

インタビュアー:杉江 由紀

-そういうことでしたか。参考までに、このアルバムのために書き下ろしたのがどの曲たちだったのかも教えていただきたいです。

Yui:今さっき説明しました冒頭の「天音観測」と、最後の「そして、旋律は流れ...」、2曲目の「Ballad of Starlight ~星灯の叙情詩~」と3曲目のツイン・ヴォーカルになっている「Accord」ですね。

-既存楽曲の中では、「Elise」が今作の中ではかなり異彩を放っているようにも感じましたが、この少し大人っぽいテイストも非常に素敵です。

己稀:ちょっとジャズっぽい感じがありますからね(笑)。

Yui:まさにそのように感じていただけたなら幸いです。アルバムの中によりバリエーションを持たせたかったのもあって、こういうジャズ・テイストを取り入れました。今までも近いアプローチをとった曲はあったんですが、今回の「Elise」ではタイトルどおりにエリスというキャラクターのことを描いていくうえで、よりその雰囲気を色濃く打ち出すことができました。

-"Elise"というのは、当然ながら女性ですよね。

Yui:いわゆる、男を弄ぶような魔性の女ですね(笑)。彼女はCecilという画家と出会って彼に惹かれていくもののその恋は叶わない、というのが「Elise」で描いている歌詞の内容です。また、8曲目に入っている「echo×tear」についてはCecilが主人公の曲になっています。

己稀:「echo×tear」に出てくる女性はEliseとはまた別人のEmiliaという天使で、彼女については以前に『Emilia ~the First Chapter~』(2011年リリースの2nd CD/現在は完売)と『Emilia ~the Last Chapter~』(2012年リリースの4th CD)という作品として発表したことがあるんですが、この「echo×tear」はその中でも核になる立ち位置の曲です。

-いやはや、Roman so Wordsの世界は複雑にして壮大ですね。ざっと、登場キャラクターは何人くらいいるものなのでしょう。

己稀:このアルバム以外のキャラクターや、陰が薄い人も含めると(笑)、15人から20人くらいにはなると思います。

-それらをすべて歌で表現していく己稀さんは、相当の力量が求められますね。

己稀:といっても、キャラクターが男性である場合なども含めて完全に"その人"になりきるのが難しい場合もありますからね。なるべく寄せていくようにはしているつもりなんですけど、どちらかというとその人そのものになって歌うという以上に、その人の想いを歌で聴き手に伝えていくというスタンスで歌うこともよくあります。

-そのほかにも、和琴のフレーズが絶妙なスパイスとなっている「Lycoris」や叙情的な「Aria」など、今作には様々な風情を持った楽曲が収録されていますが、Yuiさんと己稀さんが個人的に特に思い入れの強い楽曲はどちらになりますか。

己稀:そうですね......強いて挙げるのであれば、もともとはRoman so Wordsにとって初めての作品(2010年リリースの1st CD『Melodies of Memory』/現在は完売)の1曲目に入れてあった「Romancing Waltz」でしょうか。当然、Roman so Wordsは物語音楽というものを追求してきたユニットではあるんですが、この曲だけはある意味で私たち自身にとってのテーマ・ソングのようなものでもあるんですよ。歌詞にも登場人物とかはいなくて、純粋に我々から聴いてくださっている方たちへの想いを歌ったものですしね。それもあって、昔のものは最後を"さぁ ここから始まる"と締めくくっていたんですが、今回は"そう まだ夢の途中"というかたちに置き換えてあるんです。そういう特別な楽曲を、このアルバムでは改めて生音を使ってかたちにできたというのがとても感慨深いですね。

Yui:僕も「Romancing Waltz」と言おうと思っていたんですけど、先に言われてしまいましたね(笑)。音楽的なところでは、生音を多く使ったこのアルバムの中だと「そして、旋律は流れ...」だけが己稀の歌と僕のシンセで出したフル・オーケストラのみで構成されている曲なので、個人的には最も悩みに悩んで作った曲になりました。歌の途中にセリフが入るという点でも、ここでは物語音楽のひとつのかたちとしてまた新しいことができたなという実感があります。

-それらも含めて、Roman so Wordsの織り成す物語音楽のひとつの集大成となった『Roman's』がここに完成したことにより、今おふたりの中で何か先々に向けての展開が見えてきたところはありますか。

Yui:速い曲や激しい曲については、いったんここで相当やり切った感がありまして......。そういう意味で、ここからのRoman so Wordsについてはもっともっとジャンルレスな物語音楽を作っていけるようになりたいですね。もちろん、"ドラマティックに、メロディアスに、そしてロマンティックに"という芯の部分ではブレることなく、さらにこの世界の幅を広げていきたいです。ですので、今後の展開に注目していただきつつも、今は完成したばかりの『Roman's』を隅から隅まで堪能していただければと思います。特に昔から応援してくださっている方にとっては、何かサプライズ的な発見があるかもしれません。

己稀:このアルバムでは現時点でやれることをすべてやり切れたぶん、今はいったんゼロに戻れた感覚があるんですよ。だから、ここからはより純粋にふたりがそのときにやりたいと思うことを、素直に自由にかたちにしていけたらいいなと思ってます。