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INTERVIEW

ANDREW W.K.

2018.03.01UPDATE

2018年03月号掲載

ANDREW W.K.

日本のファンから"兄貴"と慕われているパーティー・キング、ANDREW W.K.。そんな彼が12年ぶりに待望のニュー・アルバム『You're Not Alone』をリリース。1stアルバムの衝撃的な"鼻血ジャケ"、そのほかにも破天荒なパフォーマンスにより話題を呼んでいるANDREWだが、今作は軽快で、思わず口ずさみたくなるような、一聴して心躍るフル・スロットルのロックンロールが詰まっている。また、楽曲のみならず制作期間に6ヶ月も費やしたアートワークにも注目したい。"パーティー"に対する熱い想いと共に、今作について魅力たっぷりに語ってもらった。

-こんにちは、ANDREW! 久しぶりですね。ここ数年はどんな日々を送っていましたか?

とにかくパーティー三昧の毎日だったよ!

-インストではないオリジナルの曲を収録した、(広い意味で)ちゃんとしたアルバムは、この12年間リリースしていませんでした。新作で復帰するのに、今、このときを選んだ理由はなんですか?

特に今、このときを選んでアルバムをリリースしようと思ったわけじゃないよ。こんなに長くかかるはずじゃなかった。これほど長くかけないつもりもなかったけど。プランもスケジュールも決めてなかったんだ。パーティーの神様の恵みによって働き、恩恵を受けているからね。このアルバムの大部分を占めているのは、2005年以降の作品。意図的にレコーディングをストップしたことは一度もない。俺は単に俺のために敷かれた道でパーティーを続けていただけだ。その道がどこへ続いているかなんて、いつもわかってるわけじゃない。パーティーの神様がこのニュー・アルバムに導いてくれたことにただ喜びを感じてる。

-前の質問と関連しているのですが、アルバム制作に戻るきっかけとなった出来事みたいなものはありますか?

レコーディングも曲作りもやめていたわけじゃないから、"戻る"って気は全然しなかったよ。ものごとの成り行きに対して、より深い論理や事情を探ってみたくなったとも言える。とはいえ、思っていたよりもずっと乱雑で非論理的だ。まさにカオス。

-前作(2006年リリースの3rdアルバム『Close Calls With Brick Walls』)以降、日本限定の作品をいくつかリリースしましたが、日本には特別な感情があるのでしょうか? また、日本の市場をターゲットにした作品をリリースした理由は?

俺のパーティー・ミッションを理解してくれた日本の人々には、常に感謝の気持ちを持っている。この仕事の最も有意義なところのひとつは、世界中の人々と繋がることができるってことだ。2001年に俺がプロモーションし始めたパーティー・パワーに、日本はすごく情熱的に応えてくれた。それに、とにかく日本ではいい人たちと仕事ができたことも本当にラッキーだったよ。まず、前のレコード・レーベルの人と何年も手を組む機会に恵まれた。その人は素晴らしい人だったよ。いろんな機会をお膳立てして、俺を楽しませてくれた。それに、内田 亮も素晴らしいライターで音楽ファンだ。彼は、俺が"ロッキング・オン"で10年間にわたってコラム(※2002年から掲載されていた"アンドリューW.K.悩み相談")を書く手助けをしてくれた。とはいえ、一番はやっぱり献身的なパーティー・マニアたちのおかげだよ。彼らは、俺が作品を通して達成しようと努力しているエネルギッシュでエモーショナルな気持ちを信じている。今、このすべてが存在しているのは、そんな彼らがいてくれるからだ。

-今作『You're Not Alone』にも「The Creation Of Sound」という日本限定のボートラが収録されています。これははっきりと日本のことを念頭に置いて書いた曲ですか?

この曲はボーナス・トラックにぴったりだと早い段階で気がついた。日本でアルバムをリリースするようになって、日本では日本盤限定のトラックが必要なことはわかっていたから、そのことを念頭において、この曲をとっておいたんだ。曲自体に関して言えば、特に日本向けに作ったわけじゃなく、すごく気に入っていた曲だけどアルバム収録曲としての必要性を感じなかった。追加というか、ボーナスみたいな曲だと思ったんだ。でも、すごくリリースしたかったから、アルバムの日本盤にぴったりのボーナス・トラックとして提供できてとても嬉しい。

-あなたがパーティー好きなことは誰もが知っています。そのことも『You're Not Alone』に収録された多くの楽曲の歌詞に表れていますね。パーティーはあなたにとってどんな魅力があるのでしょうか? またどんなポジティヴなパワーがそこにはあると思いますか?

一番基本的で崇高なのは"パーティーをすること"で、俺たちの存在を積極的に祝っているってことだ。必ずしもその長所に関する見解じゃなく――パーティーには、疑念や疑問のための余地がたっぷりある。けれども、俺たちの存在を、そして俺たちが"これでいいに違いない"と決断するだろうことを、喜んで受け入れようと促している。ある意味俺たちの理解力などをはねつけているのはいいことかもしれない。でも、パーティーが本来の姿を見せるのはその場所でもあるんだ。パーティー的思考は、突き詰めていくと、何もかも把握しておきたいという理性を消し去ってしまう。でもそれを理解せずとも、俺たちは(自分たちが)存在する喜びを体験することができる。それに常に幸せでなくたって、人生についてパーティーで盛り上がれるじゃないか。人生は厳しいものだ。でも、だからといって祝う価値がないなんてことはありはしない。

-では、アートワークの話に移りましょう。大変素晴らしいアートワークで、Boris VallejoとJulie Bell(※ANDREWが尊敬するファンタジー・アートの巨匠)が解説するメイキング映像も公開していますね。個人的にいろんな意味で心に響きました。このアートワークで、人々にどんなことを表現したいと思っていますか?

もちろん一番望んでいるのは、目にする人たちに強い感情を与えることだ。それが強ければアルバムを聴きたくなるかもしれない。そしたら見た人がリスナーになってくれるだろう? その人たちはそれぞれ異なる目でアートワークを見たり、それぞれ異なる耳で音楽を聴いたりできる。違う感覚でそれらを眺めるようになると、いろんな発見や考えがたくさん表れてくるんだ。

-最後に、近いうちに日本でお会いできるでしょうか? また、日本のファンに向けてメッセージをお願いします。

すぐにでも日本へ行けたらと思ってるよ! 俺のパーティー・ミッションに愛と信頼を寄せてくれていつも感謝してる。みんなで力を合わせて実現させた、俺たちが作り上げたものを誇りに思ってほしい。君たちがいなかったら絶対にできなかったんだから。強くあれ、そして、いつまでも心にパワーを。俺たちのパーティーは始まったばかりだ。そして終わりはない!


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