－1曲の中にいろんな展開を設けてますが、間延びせずに、楽しさやノリがキープされてますよね？

MARV：この間奏いる？ みたいな曲は嫌だから、各パートに意味を持たせることを意識しました。kennyも言っていたけど、生ドラムとクラブ・ミュージックを融合させるのが難しくて。でもこの曲は早くライヴでやりたいですね。お客さんがどう反応をしてくれるのかなって。

－今作の中で一番時間がかかった？

MARV：いや、実は時間が一番かかったのは「人間ってええな」なんですよ。2サビ終わりで、合唱、ストリングスが入って盛大になるんですけど、最後にサビに戻りたかったから、その繋ぎ方は考えました。

バチ：二転三転した曲ですね。サビも変わったし、もともと「人間ってええな」をリードにする話もあったんですよ。

Booやん：この曲はLaxityらしさがあるし、キャッチーさも前面に出てるから。

バチ：僕がサビを歌っているんですけど、めちゃくちゃ気持ち良くて。自分の声が一番活きるし、疾走感もありますからね。

kenny：この曲はこだわりすぎて難しくしてしまったけど、そのぶん、曲もかっこよくなりましたから。あと、サビっぽいメロディが3つくらいあるから、それぞれのパートも活かすことができました。「人間ってええな」の歌詞は耳に残るけど、サビでもないし、本サビもめっちゃいいですからね。

Booやん：もともと"人間ってええな"という曲名は......某アニメのあれで。

－19時ごろからやっていた番組ですね。

Booやん：そうです（笑）。我々は大阪在住なので、それを"人間ってええな"にして、人間の良さと悪さ、くだらないところを、皮肉を込めて"ええな"と言おうと。2面性を持たせたかったんですよ。ヴォーカルも2人いるので、そこも歌い分けられたらいいなと。

MARV：バチが人間目線で、Booやんは悪の大王目線ですね。

Booやん：だから、聴く人もどの歌詞に感情移入するかで、受け取り方も違うという。

－"だって今回の一生は良いこと無いから！"の歌詞は良くも悪くも受け取れますよね。ただ、いい意味で解釈するなら、開き直って伸び伸びと生きようという考え方もできます。

Booやん：そうなんですよ！ 受け取り方は自分次第ですからね。お前らが決めることだぞっていうメッセージを入れてます。悪の大王視点で見ると、みんな自分で行動を決めてないなと。お前の人生はお前が決めないと、面白くないんじゃない？ って。諦めている人間に対して、来世に期待して生きていけ！ みたいな。そこにも皮肉を込めてて、まだできるんじゃない？ って投げ掛けてます。

バチ：自分に言い聞かせてる感じやろ？

Booやん：悪の大王はそんなことないよ！ そこまで掘り下げんといて！

一同：ははははは（笑）。

－「××××」の歌詞もそういうテイストがありますよね。

Booやん：そうですね。この曲はストレートな気持ちを伝えてます。

MARV：サウンド面もその曲はストレートですからね。かっこいい路線というか、ラウド／ミクスチャーみたいな感じで、今回の中ではこれが逆に変化球みたいな（笑）。最初に話したLIMP BIZKIT、Djent系の要素を取り入れられたと思います。あと、サビのメロも気に入ってて、これが推し曲でもいいんじゃないかって。全曲いいものにしたかったから。

Booやん：レーベル・メイトのrevenge my LOSTのXavie（Vo）と歌詞を共同制作したんですよ。「E-BOO-NIGHT PARTY☆ROCK」もそうなんですけど、この曲は丸々書いてもらいました。それを自分なりの解釈でアウトプットする感覚だから、心地よかったですね。また違うものが生み出せたかなと思います。

－「アマテラス少女」もキャッチーな曲ですね。

MARV：サビはJ-POP的なものにしたくて。あと、「とおりゃんせ」（童謡）のパロディを入れてるんですけど、ライヴで面白くなりそうだなと。いろいろ遊び心が満載です。歌詞も......。

Booやん：そう、MARVにラヴ・ソングを書いてくれと言われて。悪の大王から見た人間界のドス黒いラヴ・ソングを書こうと。

kenny：よく読んだら、えげつないですからね。ストーカーの歌ですからね（笑）。

Booやん：クレイジーではあるけど、当人からしたら純粋な愛の気持ちを表現してます。それがサビのJ-POP感や疾走する曲と絡まると、最悪なぐらい狂気に満ちたラヴ・ソングになるから。

－（笑）

MARV：同期のエレクトロ感が逆に狂気を帯びますからね。

Booやん：かなり危険な曲に仕上がったと思います。ただ、我々はすごく楽しそうに歌ってますからね。

－「とおりゃんせ」もそうですが、和的な雰囲気も入れたかった？

MARV：そうですね。琴が鳴っているんですけど、能みたいな雰囲気をやったら面白いかなと。そこからのヘドバンみたいな。

kenny：こんなキラキラしたメロディの中で何を言ってるんだと。そのギャップも面白いですね。

MARV：今回のアルバム名は、一見、悪のパーティーなのかな？ と見えるけど、和訳で"悪党"という意味なんですよ。全曲パッと聴いたら、楽しくてかっこいいイメージを持つかもしれないけど、歌詞を読んだら、そういう意味があるんや！ ってなってほしいです。「人間ってええな」、「××××」ができたときに暗いなと思って（笑）。狂気や人間を皮肉ってる部分もあるし、「E-BOO-NIGHT PARTY☆ROCK」もチャラ男クソ食らえ！ みたいな内容ですからね。負の要素が強かったから、こういうアルバム名にしました。表面だけで物事を判断しちゃいけないよ、という意味を込めることができたかなと思います。