INTERVIEW
RagDöllz
2017.10.18UPDATE
2017年10月号掲載
Member:Remi(Vo) Yuika(Gt) Yun(Ba)
Interviewer:山口 智男
まもなく結成4年目を迎えるガールズ・メタル・バンドRagDollzが、1stアルバム『Ten Red Roses』をリリースする。ライヴの定番曲に加え、新境地に挑んだ書き下ろしの新曲も入った全5曲。ギミックに頼らず、現在のバンドの姿をそのまま捉えたところがとても潔い。いくつも壁にぶつかりながら、バンドの地盤を固めてきたという彼女たちが飛躍する準備がようやく整った。大阪を拠点にしている彼女たちはここから全国区を目指す。『Ten Red Roses』はそんな彼女たちからの挨拶状とも挑戦状とも言える1枚。ライヴの本番前に3人がインタビューに応じてくれた。
-スタートは2014年10月だったそうですが、どんなふうに始まったんでしょうか?
Remi:体調不良で脱退したドラマーのYukiさんが集めたバンドなんです。彼女がメンバーを募集していたSNSに応えたのがYuikaさん。私はもとからYukiさんのことを知っていて、彼女とバンドをやりたいと思っていたんですけど、とあるライヴハウスのブッカーさんが"メンバー募集しているから、よかったら一緒にやったらんか"って紹介してくれて繋がりました。
-そのときはどんなバンドをやりたい、と?
Remi:Yukiさんは最初、女の子なんだけど、ゴリゴリで、今までにないガールズ・バンドをやりたいみたいなことを言ってましたね。
-Yunさんは2016年1月に加わったそうですが、どんな繋がりで?
Yun:RagDollzが初めてライヴハウスでライヴをしたとき、当時私が所属していたバンドとたまたま対バンさせてもらったんです。そのときにRemiちゃんとTwitterで連絡を取るようになって、それからですね。ライヴを観たとき、うわ、すごいバンドいてるなって思いました。
Remi:前のベースが辞めてから1年ぐらいずっとベースがいなくて、そろそろ本気で探さなダメやってなったんですよ。で、誰かおるかなって考えて、あっ! と思って、(Yunちゃんに)最初から本メンバーになってほしいと言いました。
Yun:最初に連絡をもらったときは、"サポートをお願いします"って言われたんですよ。だから、軽い気持ちで"いいですよ"って返事をしたら、"やっぱり本メンバーになってもらえませんか"って返ってきて。そのときちょうど、前にやっていたバンドが解散しちゃって、どうしようと考えていたところだったので、"いいよ"って返事したんですけど、今思えば、いいタイミングで声を掛けてもらったなって。
Remi:奇跡的でしたね(笑)。
-3人とも音楽的なバックグラウンドはメタルなんですよね?
Remi:メタルの中でもバラバラなんですよ。私は、ARCH ENEMYとかTHE AGONIST。あとはIN FLAMES。もともと、上地雄輔が好きだったんですよ(笑)。そのあと、ちょっとヴィジュアル系、例えばthe GazettEとか聴きながらメタルも聴こうと思って、聴いたのがSYSTEM OF A DOWNでした。それが中2のころでしたね。"マキシマム ザ ホルモン"でググッたら似ているバンドで、SYSTEM OF A DOWNって出てきたんですよ。そこから動画をぱぱぱぱっていろいろ観ながら、これがしっくりくる、あれがしっくりくるって。
-自分でも歌おうと思ったきっかけは?
Remi:小学生のころから詩吟をやっていたんです。全国大会に出たこともあるんですよ、ちゃっかり(笑)。
Yuika:知らんかった......。
Remi:そのころから将来は歌う人にはなりたいと思っていて、メタルにハマったとき、これしかないってなりました。
-Yuikaさんは?
Yuika:私はLAメタルですね。一番好きなのはROUGH CUTT、LILLIAN AXE。ハード・ロック系ですね。中学生のときに聴き始めたんですけど、それ以前は、親の影響でTHE ROLLING STONESとかLED ZEPPELINとかDEEP PURPLEとか聴いていました。中学生のとき、MTVで洋楽トップ100みたいなランキングで80年代のバンドをいっぱい見て、めっちゃかっこいいと思って、メモしてCDを買いに行ったんです。RATTとかMOTLEY CRUEとか。モトリー(MOTLEY CRUE)はめちゃめちゃ好きで、LAまで観に行きました(笑)。
-ギターを始めたきっかけは?
Yuika:POISONのギタリスト、C.C. DeVilleが昔、ヘタクソだ、ヘタクソだと言われていたことを知ったとき、それなのにこんなにかっこいいんだと思って、自分もギターをやりたくなって、とりあえずギターを買いました。
-そしてYunさんは?
Yun:私は音楽がめちゃ好きな友達から薦められてThe Birthdayを聴いて、音楽ってかっこいいと思ったんですけど、その子がハード・ロックも好きで、その影響でハード・ロックを聴き始めました。AEROSMITHとか、GUNS N' ROSESとか、全然違うところで言ったら、OASISもめっちゃ聴いていて、そこから今はMARILYN MANSONです(笑)。ベースを始めたきっかけは、中学生のときのノリですね。"バンドやろうよ"って友達から誘われて、"いいよいいよ"ってお年玉で安いベースを買いました。
ダークでヘヴィ。でも、邪悪すぎずお客さんも一緒に乗れるサウンドを目指して
-活動を始めて、どれくらいしてからRagDollzらしさや、自分たちはこういう音楽をやっていけばいいという方向性が見えてきましたか?
Remi:それこそYunちゃんが入ってからですね。やっとバンドとしてちゃんとしたって思えました。その前からRagDollzは邪悪系、ドゥーム系と言われていて、たしかにガールズ・メタルでここまでダークでヘヴィなバンドって珍しいかなと思ったので、そこは意識しながら、お客さんも一緒に乗れるような――キャッチーと言うか、邪悪すぎず、聴けるみたいなところも求めるようになりました。
-邪悪さっていうのは、どんなところから出てきたものなんですか?
Remi:バンドの創設者のYukiさんがただただ邪悪だったんですよ、ホントに(笑)。その邪悪さを引き継ぎました。