INTERVIEW
RagDöllz
2017.10.18UPDATE
2017年10月号掲載
Member:Remi(Vo) Yuika(Gt) Yun(Ba)
Interviewer:山口 智男
-新作をリリースするこのタイミングでこれまでの活動を振り返ると、どんな3年間でしたか?
Remi:最初は本当にぺーぺーから始めて、ライヴしてもお客さんゼロってことが1年間続きましたね。2年目に入って、曲の感じもパフォーマンスももうちょっと親しみやすいものにしたら、ある程度、お客さんがついて、いいイベントにも呼んでもらえるようになって、シングルをリリースしたり、初めてツアーも回ったりして。で、Yunちゃんも入って。そしたら、Yukiさんが身体を壊してしまって、しばらくはサポート・メンバーにお願いしていたんですけど、最終的に辞めざるを得ず......。でも、だからって方向性が変わるとか、勢いが落ちるとかではなくて、志半ばで辞めざるを得なかったYukiさんの気持ちも受け継いで、さらにでかいバンドにしたいと思いながら、活動を続けて、やっと4年目を迎えたところです。いろいろ壁はありましたけど、新たなチャンスをもらいながらしっかりやってきたと思います。
Yuika:ベースがいない時期はかなりきつかったですけど、この3人が揃ってからは順調にいってるかな。自分らのやりたいことをやって、お客さんも増えてきて、この1年は手応えを感じています。
Yun:私は......何もかも揃ったところに入ったので。名古屋にも行けたし、東京にも来られたし、楽しいです(笑)。
-『Ten Red Roses』を作るにあたっては、どんな作品にしたいと考えたのでしょうか?
Remi:作る段階では、どんなアルバムって想像できなくて、作っていくうちに、このアルバムって私らが活動してきた3年間をまとめたものなのかなと思うようになりました。
Yuika:ライヴで定番になっている曲を集めたんですよ。唯一、書き下ろした「Medeiros」はRagDollzらしさが一番出ていると思うんですけど、それ以外はライヴで盛り上がる明るい......明るいと言ったらちょっと違うけど、テンション高めの曲ばかりです。
-面白いと思ったのが、普通、ヴォーカリストが歌詞を書くことが多いと思うんですけど、RagDollzはRemiさんが主に曲を作って、Yuikaさんが歌詞を書いているんですね。
Yuika:日本語はRemiちゃんがやって、英語は私がやってという英作文の問題です(笑)。
-じゃあ、英語の歌詞はYuikaさんが書いているけれど、歌詞のアイディアはRemiさん?
Yuika:どういうイメージで作ったんって聞くと、だいたいいつも漠然と、例えば、"どん底みたいな曲"みたいに返ってくるから、"あぁ、どん底ね。OK"って書くんですけど、歌詞がない状態でスタジオで合わせたときにRemiちゃんが歌っている言葉の響きに、できるだけ合わせて書くようにはしています。
-歌詞はどんなテーマで書くことが多いですか?
Yuika:だいたい、書いているうちに"殺したる!"みたいな歌詞になりますね(笑)。「Medeiros」以外の4曲は作った時期がバラバラで、まさかまとめてアルバムに入るとは思ってなかったから、もうちょっと変えてればよかったと思いました。どれも"殺したる。私も死ぬ"みたいな曲ばかりになっちゃったんで。
-普段、思っていることや無意識に感じていることが歌詞に出てきたんですか(笑)?
Yuika:いや、違うんですよ。私、パーティー、パーティーみたいなLAメタルばかり聴いてきたから、歌詞を書くときにメタルってなんやろ、ゴリゴリしたメタルって何を歌っているんだろって考えて、とりあえず怖いことを書いておこうと思って(笑)。
-新作の音をもらって、バンドのメンバー構成を知らないまま、音だけ最初に聴いたんですけど、デス・ヴォイスを聴いて、男性メンバーがいるんだろうと思ったら、実は女性の3人組だったんでびっくりしました。あのデス・ヴォイスもRemiさんだったんですね。
Yuika:さっきもリハーサルで、歌いだした瞬間、二度見されてましたね(笑)。
-RagDollzの武器のひとつですよね。
Remi:得意技なのか、何なのかわからないんですけど、クリーン・ヴォイスからデス・ヴォイスに切り替えるのが速いんですよ。それがもっとSNSで拡散されたらいいですね(笑)。
-レコーディングはいかがでしたか?
Yun:私はRagDollzに入って初めてのレコーディングだったので、これからやったろって気持ちで臨みました。
Yuika:普段、ライヴのときはギターは1本だから、2本重ねたところはいろいろ考えましたけど、重ね終わって、全曲聴いたときは、おぉっ、ハモッてるわって感動しました。
Remi:8分ある「Medeiros」は後半、壮大になる場面があって、高音から低音までヴォーカルをかなり重ねているんですよ。そこはこだわりにこだわり抜きました。
-特に気に入っているという曲を挙げるとしたら?
Yuika:「Medeiros」はかなり好きで、8分の中にいろいろな展開があるから面白いし、「万華鏡」はサビのメロディがめちゃめちゃ好きで、自分でも弾くのも聴くのも好きです。
Remi:私もその2曲なんですけど、あえて変えて、「Blood On My Gun」。今回のアルバムの中では一番キャッチーだと思います。ライヴでも最も盛り上がる曲なんです。最初は疾走系で始まるんですけど、後半、哀愁が漂い始める。そこは歌っていると気持ちがこもりますね。涙がちょろっと出ます(笑)。
Yun:私は「Medeiros」。早くライヴでやりたいです。
-最後にリリース後の活動予定を教えてください。
Remi:まだまだ、このバンドには伸びしろがあると思うので、チャンスを掴めるように活動していきたいです。今年1年はバンドの地盤を作ることに頑張ってきましたが、次の1年はその経験を糧に飛躍したいと思っています。具体的な予定としては、10月22日に大阪のBigtwin Diner SHOVELでレコ発イベント(RagDollz presents"CATS IN DISGUISE vol.2")をやったあと、リリース・ツアーで各地を回って、来年の3月4日に心斎橋 HOKAGEでツアー・ファイナルのワンマン・ライヴをやる予定です!