INTERVIEW
FAKE ISLAND
2017.09.14UPDATE
2017年09月号掲載
Member:YuuriBjoux(Vo) Erica(Vo) Matsumoto(Gt) HARIBOW(Ba) Reiji(Dr)
Interviewer:荒金 良介
-お互いに存在は知っていたと。Ericaさんに関しては?
Erica:私はもともとバンドをやってなくて、ダンサーをずっとやってたんですよ。でも腰を痛めて、ドクターストップがかかっちゃって。これからどうしようと思ったときに20歳でメタルと出会って、そこから4年間ぐらい趣味でメロデス・バンドのヴォーカルをやっていたんです。で、またバンドやりたいと思ったときに、前のバンドでギターをやってた人から"俺の先輩が、デス・ヴォイスを出せる人を探してる"と聞いて、まず会って話しましょうと。このメンバーの中では自分は何の実績もないし、レコーディング経験もゼロだったけど、まっさらな状態でやってみようと思ったんです。それから、スタジオで2曲ほど合わせたときに"やろうぜ!"と言われて、恐いからやろうと。
一同:ははははは。
Erica:一緒に音を合わせたときに楽しかったから。
-根本的な質問ですが、Reijiさんがバンドをやるなら、SKID ROW、MÖTLEY CRÜEみたいな音楽性をやるのかなと思ってました(笑)。以前からメタルコアも好きだったんですか?
Reiji:好きですよ。ツーバスがドコドコ鳴ってると、ウワッ! ってなるから。SKID ROW、MÖTLEY CRÜEをやったら絶対楽しいのはわかってるんですけど、まだ早いかなと。
-まだ早い?
Reiji:音楽を引退した人がコピーする感覚ならいいけど、自分が今そういう音楽をやるのは難しいかなと(笑)。さっきも言ったけど、BUTCHER BABIES、AMARANTHEは当時聴いて気持ちいい音楽だったから。
-BUTCHER BABIES、AMARANTHEのどのへんに惹かれるんですか?
Reiji:メインで歌うのが女の子じゃないですか。もともと女性ヴォーカルは好きだったんですよ。ARCH ENEMYも、これが女性なのか! ってすごいなぁと思ったし。しかも、BUTCHER BABIESは女性ふたりで掛け合うところが俺の中で響いちゃって。
-あの壮絶な掛け合いはインパクト抜群ですよね。Reijiさん以外のメンバーはどんな音楽を?
Matsumoto:BUTCHER BABIESは聴いてなかったですね。
HARIBOW:僕もそんなに聴いてなくて......。
Yuuri:BUTCHER BABIESに関してはウチは加入してから教えてもらって、それで衝撃を受けました。女の子だけど、声は力強かったり、メタルっぽさを出してるから。おっ、こんな人たちがいるんだ! って。ウチらも日本のBUTCHER BABIESと言われたいし、女ふたりにはこだわりがありますね。
Reiji:ヴォーカルの女の子がアイドルじゃなく、ロック・スターじゃないですか。そういうバンドをやりたくて。
-BUTCHER BABIESは"KNOTFEST JAPAN 2016"で初来日してます。僕はその前にイギリスで観たんですが、ライヴは本当にぶっ飛ばされました。
Reiji:俺は地元のTOWER RECORDSの試聴機でたまたま聴いて、それで好きになったんですよ。ガールズ・ヴォーカルというのも知らずに聴いて、ヤバイ! と思って。
Erica:私は北欧メタルが好きで、ARCH ENEMY、IN FLAMES、DARK TRANQUILLITY、CHILDREN OF BODOMとか好きで。ダンスができなくてヘコんでいたときに、高校の同級生から"そういうときこそメタルでしょ!"と言われて、KILLSWITCH ENGAGEのライヴを一緒に観に行ったんですよ。それで新しい世界が開けちゃって(笑)。渡辺直美が和製Beyonceなら、私は和製Angela Gossow(ex-ARCH ENEMY)になろう! と。
-はははは。それで今作の曲作りはかなり時間をかけたそうですね?
Matsumoto:必死で曲を作りました(笑)。
Reiji:時間をかけたというより、かかってしまったという方が正しいですね。自分のバンドを客観的に聴いたときに、それこそBUTCHER BABIESとか、かっこいいバンドを聴いたときの衝撃があるかどうか。それは大事にしました。それくらいいろいろ練り込んだし、しかも同期やヴォーカルふたりのことも考えたので、時間がかかりました。だから、こいつ(Matsumoto)にかなり頼りましたね。
Matsumoto:レコーディングは去年10月から始まったんですけど、4月までずっとReijiと喧嘩しながら作りました(笑)。細かい話をすると、弦楽器にもドラムと合わせたリズムの役割を持たせてるパートがあって、その隙間もツーバスでドコドコ埋めてきたりして。「Small Island」もノリを重視しているのに、ツーバスをドコドコ入れてきちゃったんです(笑)。それで改めて曲に合わせたドラムもちゃんと考えてもらって。
Reiji:ヴォーカルのメロディもだいぶ変わったしね。
Yuuri:うん、二転三転したけど、最終的にしっくり収まったかなと。
Reiji:一番苦労したのはグロウルのラインですね。Ericaが入る前に作っていた曲なので、ヴォーカルひとりのアレンジだったんです。で、Ericaが入って、グロウル・パートを考えたときに、もともとYuuriが歌っていたところをグロウルに変えるだけじゃ無理で、そこは試行錯誤しました。
Yuuri:ふたりのヴォーカル・パートがきれいに交互に続くと、ひとりでできる人もいるかもしれないから、お互いにパートを食い合う部分がある方が面白いかなと。