INTERVIEW
INCEPTION OF GENOCIDE
2017.06.12UPDATE
2017年06月号掲載
Member:Isam(Vo) Jiro(Gt) U-ske(Ba)
Interviewer:荒金 良介
-「Beating」はIOGの新しい側面が出てますよね。
Isam:世界を見ても、デスコアでアラビア音階を使っているのは聴いたことがないから、最高のアプローチだなと。
Jiro:やってみたかったことだし、うまく消化できたなと。今回はほぼ全曲、いままでとは違うことをやっているので、各曲に個性があると思うんですよ。どうしても曲は似通ってくるものだからこそ、全部違う雰囲気の曲を目指しました。
-サウンド面でいままでと変えた点は?
Jiro:今回はトラックにギターをすごく入れたんですよ。ギターのウワモノで味つけして、サビでも裏でギターのメロディが鳴ってますからね。
-過去作よりもギターはかなり重ねてる?
Jiro:そうですね。ディストーションだけではなく、クリーンのギターも入れてますから。
Isam:ギターは派手になって、ベースはちょっと地味になったかもしれない。
U-ske:そうだね。余計なことをしなくなったから。
Jiro:ドラムも以前よりややこしいフレーズはなくなりましたからね。「Beating」はギターとシンセをユニゾンさせてたり、「Living this life」はまったく同期がなくて、ギター、ベース、ドラムだけって感じですからね。
Isam:「Living this life」はメタルだよね。「Bullseye」はポスト・ハードコアの最新のものを取り入れつつ、ブレイクダウンはメタルコアみたいな感じで。
-今作はデスコアの要素もありますけど、もっと幅広いアプローチを取ってますもんね。
Isam:ミクスチャーの中にデスコアが入った感覚かな。リリックと譜割にはこだわっているので、そこは一番時間がかかりました。ヒップホップ、ミクスチャー要素は全曲で意識しているので、歌詞カードを読んで面白いと思ってくれたらいいなと。
-ヒップホップ、ミクスチャーだと、どのへんですか?
Isam:僕はEMINEMが大好きで、それこそLINKIN PARK、PLEYMO、ILL NINOとか聴いてました。
Jiro:僕は特にミクスチャーを考えたわけじゃないけど、ヴォーカルにおいてはそういう要素がうまくブレンドされたかなと。
Isam:ジャンルを決めるのは歌なのかな、と思うことがあって。YouTubeである人のカバー動画を見たんですよ。その人はメキシコ系アメリカ人で、Ed Sheeran、Justin Bieberとかを歌ってるんですけど、1番は英語、2番はスペイン語で歌って......スペイン語になった瞬間にノリが完全にラテン音楽になったんです。それを見て、"あっ、やっぱりヴォーカルのスタイルがジャンルを左右するんだな"と。なので、今回はライムや譜割、聴きやすさに重きを置きました。
-なるほど。
Isam:あと、今回はジャケにもこだわりました。ロゴはドーン! とある方がかっこいいなと思って。ど真ん中にIOGの名前があって、周りの渦みたいなものはダーツをイメージしたんです。"Bullseye"はイバラの中心という意味でとらえてもらえたらなと。いろいろ面倒くさいこともあるし、死にたいこともあるだろうけど、真ん中に行けば50点を取れるから。常に50点を目指せば、イバラで傷つくことはないかなと。
Jiro:20トリプルは?
U-ske:うん、俺も思った。
Isam:そう思ったけどさ、それ言うなよ!
一同:ははははは(笑)。
Jiro:いや、これを読んだ人が20トリプルあるんじゃね? と思うかなと。
Isam:まぁ、取りたい人は取ってください(笑)!
-ははは。今回の歌詞には"inside"という言葉が多く使われてますが、「Bullseye」は内なる自分を知る、理解するという内容ですよね?
Isam:「Bullseye」の歌詞だけにフォーカスを当てると、俺はこうしたいと思っても、実際にやらないこともあるじゃないですか。だけど、"いつか必ずやるんだ!"という思いはみんなに持ってほしくて。自分の思い=中心にある気持ちを大事にしてくれたらいいなと。だから、「Bullseye」は"中心を持ってほしい"という気持ちを込めました。