自分の中にある裏テーマをたくさん散りばめた作品になりました

－今作は後悔せずに、自分のすべてを詰め込もうと？

そうですね。デモが集まったときも今はこっちの方がいい！ って。「バラユリxxxx」（Track.2）、「FORTiTUDE」（Track.4）もジャンルのフォルダは一緒だったけど、どうしても「バラユリxxxx」は私の国歌にしたくて。

－国歌、ですか？

キタエリ王国の国歌にしたくて（笑）。ライヴでおハコにしたい歌詞や世界観で、自分のやりたいことに一番近いんですよ。"バラユリキリトリキラキラ"と歌ってるけど、最初の曲名は「バラユリキリトリ」だったんですよ。ライヴでは"キリトリ"の部分を"キタエリ"と言ってもらいたくて。結局、曲名は「バラユリxxxx」に変えたんですけど。歌の合間に入るコーラス部分は、例えば大阪だったら、"タコヤキダイスキ"と言わせたくて。

－はははは（笑）。

中毒性と汎用性を詰めつつ、裏テーマはキタエリ曲みたいにできますからね。自分の中にある裏テーマをたくさん散りばめた作品になったから、自分のやりたいことを一番やれたなと。キタエリのファンを総称してキタエリスト、その中で男性を薔薇組、女性を百合組と呼んでるんですけど。この曲では感謝の意を形にしたくて、バラユリという歌詞も入れようと。サビを繰り返す歌詞にして、そこはSAYポイントですね。

－リード曲「Revolution【re:i】」（Track.1）は、HAKUEIさんがプロデュースしてますよね。

私、HAKUEIさんがやられている"ライチ☆光クラブ"の原作漫画も好きですし、HAKUEIさんの歌詞も好きなので、自分もそういう世界観をやってみたいなと。PENICILLINも世代的に通ってるので、まさかの神降臨！ って感じです。それで自分を新たに改革する、前進するような躍動感のある曲にしたいとリクエストしたら、それを全部汲み取ってもらえたので、自分の気持ちがちゃんと届いたんだなと。レコーディングにHAKUEIさんも実際に来ていただいて、目の前で声を入れてもらって、ラッキー！ って。

－（笑）

ぼた餅が落ちまくってる状態で。シンフォニックな感じが良かったので、ストリングスも入れてもらえたり、これ以上ないです！ という仕上がりで。

－「Revolution【re:i】」は、今作の中でもシンフォニック・メタル色が強いですね。

はい。あとはどれだけ自分の声がこの曲に食らいついていけるかなと。みんなを引っ張っていけるミニ・アルバムの看板曲に相応しいものと考えていたけど......自分がそれに見合うのか、恐怖心を抱くほどデモが良かったんですよ。すごく緊張しました。

－そうなんですね。

しかも、上海から帰ってすぐレコーディングしたんですよ。待ってくれている人がいることを実感したあとだったので、やってやるぞ！ という気持ちで録音しました。震えて待ってろ！ どころじゃなく、私が震えてる状態で。

－（笑）その高揚感も歌に入ってると。この曲は歌詞もHAKUEIさんが手掛けてますよね？

そうですね。私的には"星座がハジけて"とか、特に"ダイヤの翼で 魔天楼飛び越え"の歌詞はHAKUEIさんの力を借りてるような気持ちになりましたね。

－ヴォーカルにもより感情移入できたと？

ちゃんと私が主人公の歌詞にしてもらえてるなと。HAKUEIさん節をいっぱい入れてくださいとリクエストしたので、それにも応えてもらえて。自分が好きなダーク・ファンタジー、二次元でも三次元でもない、2.5次元みたいな世界観ですからね。私は役者をやってるからかもしれないけど、例えばこんな服着ている人いないよね、みたいなものをいかにドヤ顔で見せられるかなって。ドンピシャで素敵な言葉使いで、非現実っぽさを妖艶な歌詞に押し上げてもらえたなと。この曲のMVもそうですけど、歌い方にしても、この歌詞でなければこういう表現は出なかったと思います。