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INTERVIEW

ALHAMBRA

2016.12.06UPDATE

2016年12月号掲載

ALHAMBRA

Member:YUHKI(Key) JUNKO(Vo) TOSHIHIRO(Gt)

Interviewer:荒金 良介

-JUNKOさんもこの演奏の上で歌うのは大変じゃないですか?

JUNKO:とっても大変です。でも曲に色があるというか、情景が浮かぶメロディやサウンドですからね。基本、曲ができたあとに歌詞をつけるんですけど、すごく言葉が浮かびやすくて。歌詞は書きがいがあるし、物語も作りやすいですね。

YUHKI:JUNKOさんはストーリー性のある歌詞が得意だから、それが曲とマッチしているなと。あと、ずっと日本語詞でやってきたけど、今回は僕が英語で歌詞を書いた曲もあって。

-Track.4「Warning You!」ですね。

YUHKI:はい。STRATOVARIUSのJens Johanssonという人がいるんですけど。

-元SILVER MOUNTAINですよね。

YUHKI:ええ。彼がウチのバンドのことを気に入ってくれて、"もっと歌詞がわかったらいいんだけど"と言われて。やっぱり海外の人にも聴いてもらいたいから、これからは徐々に英語の曲も増やしたいなと。で、今回手始めに1曲作ったんですよ。自分たちの曲は決してヨーロッパの人が嫌いな音楽ではないと思うから。何事もできないってことが嫌だから、死ぬまでチャレンジし続けたいんです。

-YUHKIさんは負けず嫌いというか、熱血タイプ?

YUHKI:いや、人間的にはめっちゃ楽をしたいタイプです(笑)。いつまでも寝てたいし、音楽やってなかったらただのクズだから。音楽だけが唯一正直になれる場なんですよ。だから、そこで妥協したら、すべてがつまんなくなっちゃう。曲作りもメンバーの良さを出すように考えてるし、メンバーもそれに応えてくれますからね。

-日本語で歌ってきたバンドが英語曲にトライするパターンはわりと珍しいですね。

YUHKI:実は曲を作ってるときに出てくる単語は英語のことが多いんですよ。ただ、JUNKOの歌詞は説得力があるから、以前は日本語でもいいかって。けど本当は英語曲もやりたかったんです。今回は自分が書きたいテーマもあったから。説明すると――引きこもりっているじゃないですか。ネットばかりやってる人がいて、最初は周りが心配して外に連れ出そうとするんだけど、最終的にメタルがオタクを救うみたいな歌詞になってます(笑)。

-いいじゃないですか。

YUHKI:今まで作詞に興味なかったけど、思ったことを言葉にして曲に乗せるのはいまさらだけど面白いなって。ラヴ・ソングは恥ずかしくて書けないけど、社会問題とかは自分なりに書きたいですね。

-逆に今まで日本語にこだわっていた理由は?

JUNKO:英語詞が書けないから(笑)。

YUHKI:「Solitude」(Track.5)では日本語を英訳してもらって、ライヴで2回ほど英語バージョンでやったことがあるんですけど、うまくハマらなくて。今回は最初から英語で作ったので、その点は以前と違うかなと。あと、「Das Rheingold ~ラインの黄金~」(Track.9)は初めて詞先で曲を書きました。JUNKOの歌詞をもとにメロディを作ったら、できちゃったから。そのハマりの良さも自分では新鮮でしたね。

-なぜ詞先にしようと?

YUHKI:うまくハマらなかったら、後々面倒くさいんで。

一同:ははははは(笑)。

-それで今作は新曲4曲と、廃盤だった3rdアルバム『SOLITUDE』(2010年リリース)の再録曲を含む全10曲という変則的な内容になってますが。

YUHKI:3rdアルバム『SOLITUDE』の企画自体が失敗で......ははははは(笑)。今回2ndアルバム『Fadista』のリマスター盤が同時発売されますけど、その作品はALHAMBRAのアルバムの中でも満足のいくものでした。その次に「Solitude」をシングルとして発売したかったけど、当時のレーベルがアルバムじゃないと売れないから、どうにかアルバムにできないか? と言われて。僕はアルバムを出すなら、起承転結のトータルの流れがないと嫌だったのですが。

-ある意味、メタル・アルバムの基本ですね。

YUHKI:そうなんですよ! シングル用に考えていたものを無理矢理アルバムにしたから。中には大急ぎで書いた曲もあったりして。

-(笑)

YUHKI:今では好きな曲になったんですけどね。プロダクション面も良くなくて、制作の進め方すべてがダメだったから、初回生産のみで廃盤にしちゃったんです。そういう経緯もありつつ、個々の曲は好きなのに、無理矢理アルバムにしたことで後悔してたので、今回は新たな流れを持ったアルバムとして出したかったんです。

JUNKO:お客さんからも"ライヴの3曲目にやったのはどのアルバムに入ってるんですか?"と聞かれて、"今(そのアルバムは)ないんですよ"と答えないといけなかったから。

YUHKI:4枚中2枚(『Fadista』、『SOLITUDE』)が廃盤でしたからね。『Fadista』に関してはレーベルが潰れて廃盤になったから、そっちはリマスターのみで出そうということになりました。