INTERVIEW
OSIRIS
2016.10.19UPDATE
2016年11月号掲載
Member:小林 正典(Vo/高良 京)
Interviewer:沖 さやこ
-今回のシングルに収録されていない曲も、もうライヴで披露しているんですか?
今の時点では(※取材日は9月15日)、シングルの2曲を含め5曲やっています。
-ライヴで聴いていた新曲が後々CDになる。まさしくライヴを中心に活動しているバンドですね。
そうです、そうです(笑)。ゲームの内容と楽曲がリンクしているので、なぜこの楽曲がこういう曲になっているのか、なぜこういう歌詞なのかというのも、ゲームをプレイしたら一発でわかると思います。そうするとOSIRISはもちろん、他の"バンドやろうぜ!"バンドの世界により深く入っていけるんじゃないかな。
-「Voice」は高良 京の心情が表れたものなのでしょうか。
高良 京という人間が普段外に発信できない想いが、歌詞の中に全部詰め込まれています。京ちゃんはその歌詞をメロディに乗せて歌うことで、自分の気持ちを表現してると思うんです。それは僕自身も同じなので、レコーディングのときも自分で"心の叫び"をテーマにして歌っていましたね。もともと、2サビ最後の間奏前の叫びはなかったんですけど、"Voice"というタイトルだし、京ちゃんが普段できないことを音楽にしているんだったら、叫ぶような場所は入れられたらいいんじゃないかなと思って、僕から提案して入れてもらいました。
-たしかに、2番からヴォーカルがどんどん感情的になっていくので、ここの叫びの部分は最も感情的なラスサビに向かうなかで大きなポイントになっていると思います。
それは自分でコントロールしたところですね。1番では"まだ感情を出し切れない"という感じを出したくて、2番からラスサビに向けて徐々に上げていくように歌いました。だから、そういうふうに感じ取っていただけて良かったです(笑)。曲は僕にとって物語なので、最後に向かってどんどん上がっていくというのが僕の作り方で。
-小林さんから見て、OSIRISの魅力とは?
普段何をやっているかわからない、謎な闇の集団なところと実際のギャップですね(笑)。クールで叙情的な楽曲を作っているけど、バイトしている子もいるし、ベースは医大生だし、ドラムは魚屋さんだし、みんな普通の人間なんです。でも、音楽のことになると豹変するんですよね。ギターとドラムはよく喋るけど、あとのふたりは口数が少ないので暗い印象があるかもしれない。でも実際は全然そんなことなくて、実はみんな天然さんなんです(笑)。ゲームを進めていくと、ギターのレイ・セファート(CV:花江夏樹)がなぜメジャーで活動することにそこまでこだわっているのかもわかると思うので、楽しみにしてほしいですね。それに伴う曲ももうできているので、早くみなさんにお届けできたらなと思います。ひいき目ではなく、全曲めちゃくちゃかっこいいんです。
-先ほど、まだ発表されてない曲の中にはすごく難しい曲もあるとおっしゃっていましたね。
"ここにはどうしても細かいニュアンスをつけたい!"という部分もあるので、OSIRISの曲はそこをコントロールするのが難しいですね。ピッチや音程ばかりに気を取られていると感情が乗らないし、感情を乗せることばかり考えるとピッチや音程がずれてしまうので。......とは言いつつ、想いの乗せ方に関してはそこまで苦戦していないんですよ。感情が昂りすぎて制御が効かないこともあるし、逆にオーバーに感情表現しないと伝わらないこともあるので、そこは意識していますね。伝わらないと意味がないので。
-Track.2「Into the Madness」はエモーショナルな「Voice」とは違う、遊びやギミックが効いたヴォーカルが印象的でした。
最初にレコーディングした「Voice」は、正直に言えば(京のヴォーカルを)探っていた時期でもあるんですよね。でも「Into the Madness」は6曲目にレコーディングした曲なので、この曲を録るころには高良 京がどういう気持ちで、どういうニュアンスで、どう歌うというのがある程度固まっていたんです。だから遊び心も出てきちゃって、やりすぎたかな......と思うところもちょっとあります(笑)。この曲はギターのレイもしくはベースの(来栖)真琴(CV:内田雄馬)に対する京の想いが歌詞になっていて、そこに僕なりの想いを乗せて、2コーラス終わりにある間奏の英詞の台詞部分の歌詞を書きました。歌詞カードには載せてないんですけど。
-そうなんですね。
"Madness(=狂気、熱狂)"に対して、高良 京として、僕としての想いを英語詞にして、"この詞を入れたいんですけどいいですか?"とお願いしたら"採用されるかどうかはわからないですけど一応入れておきましょう"と言われて。それでできあがったものを聴いてみたら、がっつり入れてくださっていて(笑)。この曲の歌詞の"想い"に対して狂気的なまでの想いを感じているんだ、ということを歌っています。
-小林さんは作詞もしている方ですからね。そうやって小林さんも制作に関われるのは、とてもクリエイティヴなプロジェクトです。"バンドやろうぜ!"の名のとおり、本当に制作チーム全体でバンドを作っていらっしゃるのだなと。
もともとバンドや音楽をやっていた方々がスタッフさんに加わってくださっているので、チーム全体からバンドとしての意気込みを感じるんです。ディレクションをしてくださっている方も"いろんなことをやりましょう!"と言ってくださるので、ここまで突き詰められる環境は本当に最高ですね。できてくる曲もどんどん難易度が高くなって、ギリギリを攻められているな~と思うし(笑)。スタッフさんもすごく楽しそうで、やっている側からするとそれを見ているのも嬉しいし楽しいんです。ライヴももっとやれたらいいなと思っています。
-OSIRISはシンガーとしての小林さんの新しい扉を開いたのでしょうか。
んー......新しい扉を開いたというよりは、懐かしい。曲のテイストも影響して、昔に戻れたような感覚がありますね。自分が学生のころに好きだった音楽を堂々とできるというのは、とても楽しいです。本当に。