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INTERVIEW

BILLY TALENT

2016.08.08UPDATE

2016年08月号掲載

BILLY TALENT

メンバー:Benjamin Kowalewicz(Vo)

インタビュアー:山口 智男

-7月16日、地元であるトロントでGUNS N' ROSESのサポート・アクトを務めるそうですね(取材はライヴ前)。興奮していますか? みなさんにとって、GUNS N' ROSESはやはり大きな存在なんでしょうか?

自分たちのヒーローではないけれど、とてもリスペクトしてるんだ。僕たちが若かったころ、『Appetite For Destruction』(1987年リリースのデビュー・アルバム)はたぶん世界で一番売れているアルバムだった。以前、Duff(McKagan/GUNS N' ROSESのベーシスト)とDuffのバンドと知り合って、一緒にプレイする機会があったとき、とても素敵な人だと思った。今回のライヴは僕たちにとって良い機会なので真剣に受け止めているんだ。会場は大きなアリーナで、地元の野球チームであるブルージェイズのホーム・グラウンドなんだけど、トロントのバンドとして、トロントで最も大きな会場でプレイできることは夢が叶った感じなんだ。本当に特別なことだよ。

-ところで、バンドは2013年にメジャー・デビュー10周年を迎え、翌2014年にベスト・アルバム『Hits』をリリースしました。ひょっとしたら、そのタイミングでそれまでの活動を振り返ったんじゃないかと思うのですが、これまでを振り返ってどんなことを思いましたか?

実際、バンドとしては23年やっているんだけど、メジャー・デビューして13年になる。最初の10年はインディーで何もかも自分たちでやっていたけど、幸運と僕たちを信じてくれる人たちがいたおかげでここまで来ることができた。それに感謝しない日はないけど、それと同時に本当に努力してきたんだ。いろいろなことを犠牲にしたり、妥協したりしたけど、人のために音楽をやることほど満足できる仕事はないし、こうして日本の人たちのためにインタビューを受けて、また大好きな日本に行けるなんて最高に気分がいいよ。

-そして、7月29日にはいよいよニュー・アルバム『Afraid Of Heights』がリリースされますが、今回は特に思い入れの強い作品になったのでは? 新作はみなさんにとって、どんな作品になりましたか?

すごく誇りに思っているよ。それは自分たちが注ぎ込んだ努力や労力についてもね。バンドのメイン・ソングライターであり、プロデュースも担当したIan(D'Sa/Gt/Vo)のことも誇りに思っている。彼の貢献と熱心さに感謝しているし、これだけ素晴らしい楽曲をみんなとシェアできることも非常に満足している。どの曲も大好きなんだ。みんなにも気に入ってもらえるんじゃないかな。

-もちろん、簡単に答えが出せたとは思いませんが、Aaron(Solowoniuk/Dr)がドラムを叩けなくなったとき(※2016年1月に多発性硬化症が悪化)、活動休止という選択肢はなかったようですね?

Aaronは多発性硬化症を15年くらい患っているんだけど、演奏できないほどではなかった。彼が今回のアルバムで叩けないって言ったとき、もちろん僕たちの最初の反応は"待とう"だったんだ。良くなるまで待って、また一緒にやりたいと思っていたんだけど、不幸なことに、この病気には治療法がないし、どのような影響が出てくるかもよくわからないらしい。半年、6年......もしかしたら一生治らないかもしれないけど、それもはっきりしてないんだ。だから彼からの勧め、励まし、話し合い、たくさんの涙を経て、彼の希望どおりアルバムのレコーディングをすることになった。それで代役はカナダのバンド、ALEXISONFIREのJordan(Hastings)に頼むことにしたんだ。彼は卓越したドラマーであり、素晴らしい人間だから、事情を説明したら時間と労力を注ぎ込んでくれて、素晴らしい成果を出してくれたよ。悲しいことにAaronはまだ復帰できる状態じゃないけど、できるだけ早く戻って来られるように日々努力しているんだ。これは非常につらいことで、できるなら避けて通りたいところだけど、人生って障害や挑戦の繰り返しなんだよね。みんなでメンバーであり友達でもあるAaronの応援をしながら、彼の復活を祈っているよ。それまではJordanがいてくれる。

-Aaronの代役として、Jordanに白羽の矢を立てた一番の理由は?

他に誰も考えたことはないんだ。彼はこのバンドと仲良しで、僕たちは10年以上に渡って、何度もALEXISONFIREとツアーをしてきたし、お互いのことをよくわかっている。それに本当にいい奴なんだ。どこかのセッション・ドラマーに頼むなんてことは、まったく考えなかった。だったらドラム抜きでいきたいくらいだよ(笑)。Jordanのことも誇りに思っているし、さらに彼との関係が密になったことにも感謝しているよ。

-今回、Track.4「Louder Than The DJ」を始め、1枚目『Billy Talent』(2003年リリース)のようなアルバムを作ってほしいと思っているファンの期待に応えるような激しい曲が多めに収録されていると思いましたが、バンド史上最大の危機に直面したことで、持ち前の闘争心や怒りの感情が駆り立てられたというところもあるんでしょうか? もしくはAaronの病気が悪化したことで、新作の方向性が若干変わったということはあるんでしょうか?

すごくいい質問をありがとう。運良く、僕たちはこのアルバムの制作に2年くらいの時間をかけることができた。もちろんAaronの状況で少し時間が延びたけど、作業している間、どんどんヘヴィになっていることに気づいたよ。Ianは素晴らしいソングライターだけど、それ以上に素晴らしいギタリストでもあるんだ。もちろんJon(Gallant)は卓越したベーシストだ。このアルバムは彼らの才能をさらに引き立てているんだ。ヘヴィになっているけれど、ものすごくまとまりがあって、アルバム全体で僕らのバンドのことを表現している。アルバムを通して聴くと、その意味がわかると思う。今のロックのジャンルってどれもこれといった特徴がなくて、それほど心に響かない。車のCMのような感じだよ。周りが"みんなハッピーになろう。アイスクリームでも買いに行こう"って言っている中、僕たちは、"いや、ハッピーじゃないよ。怒っているときもある。感情があるんだ"って伝えたいんだ。ロックってインスピレーションを与えないといけないし、危険性もないといけないと思う。だからこそ、今回のアルバムはこのような形になったと思っているよ。