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INTERVIEW

BILLY TALENT

2016.08.08UPDATE

2016年08月号掲載

BILLY TALENT

Member:Benjamin Kowalewicz(Vo)

Interviewer:山口 智男

-その一方では、新しいことにも挑戦していますね? 中でもプログラミングしたシンセを使ったTrack.9「Horses & Chariots」、BILLY TALENT流にディスコ・サウンドに挑戦したTrack.11「February Winds」には驚きましたが、その2曲はどんなふうに生まれたんでしょうか?

「Horses & Chariots」はMUSEとDEPECHE MODEを混ぜ合わせたような雰囲気だと思っている。ちょっとギャロップ的な要素があるよね。Ianがデモを作っているときにシンセを入れたんだ。ちなみにIanはDEPECHE MODEが大好きなんだけど、僕たちに聴かせたときに反対されると思ってたらしい。でも、みんなものすごく気に入ってしまい、実際レコーディングしたときはさらにシンセの音が大きくなって、今じゃシンセがないなんて想像できないくらいだよ。それにバンドとして、音に限界とか制限とかない方がいいと思うんだ。僕たちはロックンロール・バンドだからね。大きなギターの音やベースはあるけど、他の要素も入れてオッケーだと思っている。そうすることによって曲が良くなったり、心地よくなったりするなら最高だよ。そんな挑戦をした自分たちが誇りに思えるし、結果はとてもいいと思っているよ。「February Winds」は僕から見たら心を弾ませるような、気分を上げる曲だな。難民問題についての歌なんだけど、心を広げて、人々の気持ちを理解できるようにしたいんだ。帰ってきたら家もない、道もない、銀行もない。行くあてもない妻子がいる。"どうしよう!?"って苦しんでいる人たちにもっと理解の手を伸ばしてあげたいよね。世界がもっと住みやすく、もっといいところになるように。

-6分を超えるTrack.6「Rabbit Down The Hole」も聴きどころですね。長尺のスロー・ナンバーはヴォーカリストとしての力量が問われると思うんですけど、歌いながらやり甲斐があったのでは?

やり甲斐は十分ある。大好きだよ。この曲はGUNS N' ROSESの「November Rain」(1991年リリースの2ndアルバム『Use Your Illusion I』収録曲)のような、長くてスローなロック・ナンバーなんだ。今までこんな曲はやったことがなかったから、ライヴでやったら気に入ってもらえると思う。BLACK SABBATHのようなコーラスもあって、絶対に演奏するのが楽しい曲になるだろうね。

-そのほか、あなたが考える新作の聴きどころやお気に入りの曲を教えてください。

アルバムの制作は本当に集中して念入りに考えたので、その成果が出ていると自信を持って言えるんだ。ソングライティングだけに2年以上かけられたことも今までなかったことだから、どの楽曲も誇りに思えるんだよ。

-BILLY TALENTはパンク・バンドと言われることが多いのですが、みなさんは日ごろ、パンクだけにこだわらず、いろいろな音楽を聴いていると思います。最近のお気に入りのアーティストやバンドと言うと?

しばらくの間、90年代の音楽に戻っていたんだけど、最近はカナダのバンドで、THE DIRTY NILを発見した。ケベックのフェスに出演したときに彼らの演奏を観たんだけど、25歳くらいのキッズが『Pinkerton』(1996年リリースの2ndアルバム)のころのWEEZERとNIRVANAを混ぜたような音楽をやっていたんだ。3ピース・バンドなんだけど、そのすごさに驚きながらインスピレーションももらったよ。最近はそれを聴いている。もうひとつ、昔から僕はAGAINST ME!のファンであり、友達でもあるんだけど、次のアルバムが素晴らしいものになりそうで、期待しているんだ。あ、それからDrakeもよく聴いているよ。

-8月には11年ぶりの再来日が実現します。もう覚えてないかもしれないですが、前回来日したときの楽しかった思い出や笑えるエピソードはありますか?

もう興奮しまくっているんだ。もっと早く日本に戻りたかったよ。"SUMMER SONIC"には過去に1回しか出演したことがなかったけど、本当に11年も経つの(笑)? あのときはWEEZERも出演していたよね。えぇ、嘘だろ、11年? 覚えていることは日本に惚れてしまったことだな。東京の街を歩いていて、道に迷っているにもかかわらず、素晴らしいエネルギーが伝わってきていた。みんな親切で、丁寧でウェルカムって感じだった。カナダのバンドにとって、日本ってとても遠い国なのに、日本に着いた途端、第2の故郷のように思えたんだ。早く行きたいよ!

-"SUMMER SONIC 2016"のセットリストはどんなものになりそうですか? 11年ぶりなので、ファンは新曲はもちろんのこと、あの曲も聴きたい、この曲も聴きたいと思っているはずなので、セットリストを作るのは難しいとは思いますが、ファンはどんなライヴを期待して行ったらいいでしょうか? それも含め、最後に日本のファンにメッセージをお願いします。

与えられた時間の中でできる限りの曲数を演奏する予定なんだ。でも、BILLY TALENTは日本で単独ツアーをしないといけないと思う! それを実現できるように努力する。ファンのみんな、BILLY TALENTのBenだよ。日本に行ける日をもうカウントダウンしながら楽しみにしているんだ。早く会いたいから待っていてくれ!