INTERVIEW
BEYOND ALL RECOGNITION
2016.06.14UPDATE
2016年06月号掲載
Member:David Söhr(Vo)
Interviewer:山本 真由
-ニュー・アルバム『Beyond All Recognition』のリリース、おめでとうございます。前作『Drop=Dead』(2012年リリースの1stアルバム)から3年半ほど経ちますが、バンドの近況について教えてください。
本当にありがとう! そうだね、デビューしてからいろいろなことがあったよ。以前所属していたレーベルとは経済的なトラブルもあったし、大変だったんだ。けどいろいろなことを通して、多くのことを学んだよ。バンドを続けることはとても難しいけど、俺たちは立ち止まらなかった。自分たちの音楽を広めるためにツアーを回って、今は伝えたいことを広めるための準備がこれまで以上に整ってるよ。本当に楽しみだね!
-前作は、ダブステップを取り入れた独特の音楽性が、日本のラウドロック・リスナーの間でも注目されましたが、リリース後の評判はいかがでしたか? 日本のファンの評価はバンドに届いていましたか?
前作の評判はもちろん良かったよ! 日本のみんなからも良い評価をもらっているしね。新作も気に入ってくれることを願っているよ。
-今作は、"Beyond All Recognition"というセルフ・タイトルの作品になっていますが、2ndアルバムでセルフ・タイトルを採用した理由はなんだったのでしょうか?
これは本当に簡単な理由だよ。俺たちはバンドがスタートしてから3回ドラマーが交代しているんだけど、最終的には最初のドラマーが戻ってきたんだ。今はコアなメンバーが揃っているから本当に素晴らしいよ。だから、今作は新たなスタートでもあるね。このアルバムは嘘を含まない真実のみを伝えた作品。そういうところから"Beyond All Recognition"と名づけたんだ。
-今作も不穏な響きが漂うヘヴィな作品に仕上がっていますが、前作と比べると攻撃的なだけではなく、物語性を感じる"静"の部分もありますよね? 今作のテーマやコンセプトについて教えてください。
そう感じてくれて嬉しいね。へヴィであることは重要視した部分なんだ。今作のテーマは"今起きている世界情勢について"。文明社会、政治、お金のための不必要な労働、逃げられない見えない束縛、Track.4の「Revelation」なんかはまさに大事な曲だと言えるね。
-前作リリース時のインタビューでは、"より激しいサウンドを求める中でクリーン・ヴォーカルは必要なくなってしまった"と話していただいていましたが、今作で再びクリーン・ヴォーカルを取り入れたのはなぜですか?
これはシンガーとして新しい領域に挑戦することも大事だし、メロディを大切にしてメッセージを広めるためでもあるかな。ライヴでのシンガロングも重要だしね。今回はより成熟した、他のバンドとは異なるクリーン・パートも多く含まれているよ。もちろん残虐性を維持しながらね。
-今作は、インストゥルメンタルのトラックや、日本盤のボーナス・トラックも含め、16曲というボリューム満点な内容ですが、これだけの楽曲を詰め込んだのはなぜですか?
俺たちはファンのみんなに披露したい曲の材料をたくさん持っていて、最初のアルバムをリリースした時点で9曲の未発表曲とリミックス・バージョンがすでにあったんだ。そして前作から約3年が経ち、この9曲で何か特別なものを作りたくて。そうして完成した新しいアルバムは全部で14曲、日本盤ではそれに2曲を加えて、16曲を収録したスペシャルなアルバムになったんだ。
-アルバム全体を取り巻くダブステップやエレクトロの取り入れ方も、今まで以上にバリエーションが豊かになっているように感じました。今までのようにアグレッシヴで重厚感のある重低音の効いた部分もあれば、ウワモノで装飾した壮大でシンフォニックな部分もあり、逆に電子音を抑えてアナログを活かしたところなど、こういったアイディアの多様さは自然と生まれてきたものなのでしょうか?
ありがとう。前作と比較すると、明らかに違うということがわかると思うよ。俺たちは前作よりも進化させたいと考えていたしね。今作ではダブステップやエレクトロがより多様で成熟されている。正直言うと......このアルバムはクソ良いぜ!!