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INTERVIEW

The John's Guerrilla

2016.05.17UPDATE

2016年05月号掲載

The John's Guerrilla

Member:Leo(Vo)

Interviewer:山口 智男

-The John's Guerrillaっていうと、僕の中のイメージでは、もっと70年代っぽいサイケデリックなロックンロール・バンドだったんで、今回の作品を聴いて結構びっくりだったんですよ。でも、お話を聞いてみると、突然そうなったわけではなかったんですね。

そうですよね、びっくりしますよね(笑)。

-もちろん、芯にあるものは変わっていないとは思うんですけど、今回のアルバムを作るにあたっては、どんな作品にしたいと考えたんですか?

シンプルですよ。それこそ僕が中学生のころに聴いて、"うわっ"ってなったやつをやりたかった。HAWAIIAN6やBRAHMANを聴いて、"うわっ"となったあの感覚。NIRVANAを聴いたときもそうなったし、MARILYN MANSONを聴いたときもそうでした。The John's Guerrillaの1stアルバム(2009年リリースの『Seize The Time』)を作る前にやっていたハードコアやグランジなどにもっと今のものを取り入れて、この5人で下手なりにかっこよくやったらどうなるか。アルバムごとに時代の音を反映させているつもりなんですけどね。でも、ちょっとずつ早い(笑)。だから寝かしてちょうどいいぐらいだと思うんですけど、今回の作品、いいと思うんですけどねぇ。昔、僕はあまりライヴのあとの打ち上げが好きじゃなかったんですよ。そもそも僕らとかThe MirrazやQUATTROは体育会系のノリが好きじゃないところで育ってきちゃったから友達が少なかったんです(笑)。けど、新しく入ったベースが39歳で、未だに自分のイベントで1万枚フライヤーを配るような男なんです。レゲエ・バンドをやってるとき、静岡のレイヴで知り合ったんですけど、39歳までベースしかやってこなかった男なら信用できるし、モヒカンだし、いいなと思って。今回のサウンドでいくって決めたとき、すぐに誘ったら心底喜んでくれたんです。TAKUROWって名前なんですけど、僕らが憧れてたWRENCHとかTHE MAD CAPSULE MARKETSとかSOBUTとか、ヒップホップで言ったら"BLACK SMOKER RECORDS"のアーティストとやってきた人なんで、こっちのシーンとコネクションを作るという意味で話が早くなったんですよ。やっと尊敬できる人と会えるチャンスができそうなんです。

-WRENCHとかTHE MAD CAPSULE MARKETSも聴いていたんですか?

聴いてましたよ。THE BLUE HEARTS、Hi-STANDARDも聴いてました。そこからTHE DOORSとかRADIOHEADとかまずい方向に行くんですよ(笑)。でも、最初はパンクスですからね。僕もモヒカンでTHE CLASHとかSEX PISTOLSとか、あとはRANCIDとか聴いてましたね。

-じゃあ、ホントに"今回こうなった"というよりは、そこに戻ったと。

そうですね。毎回、The John's Guerrillaを知らない新しい人にも聴いてほしいんですよ。だから毎回、1stアルバムだと思ってるんです。新しい人に出会えるのが楽しいんですよ。

-ただ、今回のアルバムも随所に以前のような70年代っぽいフィーリングやサイケデリックな雰囲気はありますよね?

感じてくれましたか(笑)? ならよかった。70年代っぽいっていうより、危ない匂いですよね。それはドラッギーってことだと思うんですけど、あとは反骨と自由。そこは抜けないんじゃないですかね。

-ところで、今回の"DIGITAL HEROIN"というタイトルは物議を醸しそうですね?

英語にするかカタカナにするか迷ったんですよ。本当はカタカナにしたかったんですけど、英語にしました。去年だったらカタカナにしてましたけど、中学2年生の気持ちになったらカタカナじゃピンと来ないかなって。それで、ジャケットのデザインも含め英語でまとめました。今、みんなスマホ中毒じゃないですか。最初、配信で出そうと考えたとき、スマホの画面越しの表現としてぴったりなんじゃないかって。でも、CDを買ってもみんなスマホで聴いてくれるんで、ブレてはいないと思うんですけど、今の時代を象徴する言葉ってやっぱり"デジタル"。デジタルなくして生きていけないじゃないですか。そしたら、そこにいかに快楽物質を混ぜるかっていうね。使うしかないじゃないですか。ゲリラとしては(笑)。それで、聴くと"うわっ"てなってほしいし、実際、中毒性も高い音楽だと思いますし。

-最初からアルバムとしてリリースすることを考えて、曲を作っていったんですか?

いえ、最初はミニ・アルバムを作ろうと言って、4曲作って、それ以外の曲はアルバムを作ろうってなってから作りました。最初あったのは「Go Other Way」(Track.1)、「Super Mother Fucker」(Track.6)、「The Solid Gold Cadillac」(Track.8)、「One Shot One Kill」(Track.9)ですね。3〜4年前にはあったのかな。それ以外は去年作った曲ですね。去年、ミニ・アルバムとして出そうかなとも考えたんですけど、4年も空いてるし、アルバムはまだ2枚目だからこのタイミングしかないと思って、この形でリリースすることにしたんです。

-じゃあ、曲はガンガンできていった?

できてはいましたけど、4年間CDが出てないんで、ライヴのことを考えると、新曲を増やすわけにもいかないんですよ。新曲を作って、セットリストのすべてが新曲になっても、ねぇ。そういうライヴもありだとは思いますけど、30分という時間の中で、1曲だけ昔の曲やって、他は全部新曲って踏みきれない。そこのジレンマはありました。早く出したいっていう理由はそこに尽きますね。今回のアルバムが出ても、僕が本当にやりたいライヴってもう1枚ぐらい出さないとできない。だからライヴのことを考えると、早く次の作品を作りたいぐらいなんですよ。