INTERVIEW
UROBOROS
2016.04.18UPDATE
2016年04月号掲載
Member:黒瀬 圭亮(Composer/Manipulate) 上木 彩矢(Vo)
Interviewer:山口 智男
-デビューから7ヶ月。前作のリリース、昨年10月のシークレット・ライヴを経て、メンバー間の人間関係や化学反応はどんなふうに変わりましたか?
黒瀬:会話が増えたと思います(笑)。前作は初対面からいきなりのレコーディングだったんですけど、今回は制作以外のところでも言葉を交わして、メンバーそれぞれの人となりがわかったうえでレコーディングに臨めたので、制作上のコミュニケーションも前作よりはかなり突っ込んでできましたね。
上木:うん、それとそれぞれの役割分担が見えてきたのかな。それはやっぱり黒瀬さんが言ったコミュニケーションが取れるようになったおかげで、信頼関係ができてきたからだと思います。
-シークレット・ライヴのときのトーク・コーナーでは、黒瀬さんが......。
上木:メンバーからいじられてましたね(笑)。
黒瀬:あれは、してやられましたね(笑)。
上木:大村(孝佳/Gt)さんと笹渕(啓史/Dr)さんはおちゃめなんですよ。わざとボケたりするちょっといたずらっ子気質で、ベースの(中村)泰造さんは結構無口。だから大村さんと笹渕さんと私が手を組んじゃうと、フルボッコになっちゃうんですよ(笑)。
黒瀬:そう。僕はどちらかと言うと、寡黙で真面目なタイプだから。
上木:あ、自分で言う(笑)? こういうところがいじりたくなっちゃうんです(笑)。でも、そこがいいところなんですけどね。
黒瀬:そういうふうに、いい感じにみんなのキャラクターが見えてきた。別に僕もいじられるの嫌じゃないし、そこが面白い。
-トークを見て、すごくいい関係なんだなって伝わってきましたよ。
黒瀬:仲良さそうに見えたでしょ(笑)? この人たちにそういうことを言われても別に嫌な気持ちにはならないし、逆に急に不意打ちで何か言ったときの反応を見るのも楽しいし。
-そこからの今回の『ZODIAC』だと思うんですけど、シークレット・ライヴのときのお客さんの反応が反映されているところもあるんですか?
黒瀬:曲作りにはありますね。ライヴでお客さんが楽しそうにしているところを見たり、プロモーションでいろいろなところを回らせてもらったとき、いろいろな声を聞いて、みんなが求めているものがわかってきたので、そちらの方向に自分のひきだしをどんどん開けていくことに気を遣いながら今回の作品は作りました。
-上木さんはいかがでしたか?
上木:いやぁ、シークレット・ライヴのときは5曲しかやれていないっていうところもあったし、抽選で100名しか入れなかったので会場にいるお客さんのテンションが最初からマックスでしたからね。それに私たちも初お披露目ってことでテンションがかなり高かったから、冷静な判断はできないかな。作詞に関しては、こちらの言いたいことを貫くというスタンスでやっているので、お客さんから何かをもらって、それを歌詞に反映させるってことはないですね。ただ、ライヴで盛り上がりそうな曲に関しては、みんなが一緒に歌いやすい言葉を使うということは意識しましたけど。
-今回、前作のTom-H@ckさんに加え、さらに4人のアレンジャーを起用していますね。
黒瀬:バラエティに富んだ作品にしたいという意図はもちろんあるんですけど、得意なジャンルというか、曲のタイプを偏らせたくないと思ったんです。Tom君の良さってキャッチーでデジタルで、おもちゃ箱をひっくり返したようなサウンドだと思うんですよ。全曲がそれでもいいと思うんですけど、今回作った曲ってリズムをいろいろ変えてみたり、リフを手の込んだものにしてみたり、構成もヒネリを加えたものにしてみたりしたので、せっかくなら複数の人のセンスを借りた方が面白いんじゃないかと思ったんです。ロックに寄せたい曲は、それが得意なeba君にお願いしたりとか、シンフォニックな方向に寄せたい曲は劇伴やゲーム音楽を作った経験がある人にお願いしたりとか、そういうやり方でアレンジャーの使い分けはしました。今後もいろいろな人と知り合っていく中で、曲に相応しいアンレジャーにお願いするということはやっていきたいと思ってるんですけど、作曲者としてはこれ以上ないくらい面白かったです。自分が作った曲が、その人の捉え方ではこうなるんだっていうのは楽しかったですね。中でも「FROM HELL」(Track.2)は激しい曲にしようとは思ってたんですけど、こんなにメタルとデジタル・サウンドが絡み合うんだと驚きました。
-今、黒瀬さんもおっしゃったように、前作同様、キャッチーなものとマニアックなもののバランスを意識しつつ、今回の曲は前作以上に凝ったものになってきましたね。
黒瀬:キャッチー且つマニアックというのは、曲を書くうえで自問自答する僕の中の至上命題として今後も変わらないと思うんですけど、たしかに曲の構成、展開、メロディの運び方は前作に比べて、変化球をねじ込んだ感じはありますね。1番と2番でまったく同じ構成というのは少ない。より手の込んだ曲の作り方は意識しています。
-例えば「FROM HELL」はとてもメロディアスな曲ではあるんですけど、1番と2番で......。
黒瀬:メロディがガラっと変わる。
上木:そういうの多いんですよ(笑)。
黒瀬:そこはホント、申し訳ないんですけど(笑)。