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INTERVIEW

UROBOROS

2016.04.18UPDATE

2016年04月号掲載

UROBOROS

Member:黒瀬 圭亮(Composer/Manipulate) 上木 彩矢(Vo)

Interviewer:山口 智男

-しかもテンポも変わるじゃないですか? そういうところはキャッチーさから一歩踏み込んで攻めてきたという印象でした。

上木:単純にクセなんじゃないかなって私は思うんですよ。そんなかっこいいものじゃない気がする(笑)。

黒瀬:(苦笑)

上木:黒瀬さんは同じことの繰り返しだと、たぶん飽きちゃうんじゃないかな。

黒瀬:それは若干あるかもしれない(笑)。1番と2番が同じメロディで、"Aメロ→Bメロ→サビ"を繰り返して、間奏という構成じゃつまらない。

上木:当たり前のように2番のAメロに行きますみたいなのはちょっとね、もう聴き飽きた感はあるよね、たしかに。

黒瀬:もちろん、そういう曲はそういう曲で。今回の「ZODIAC」のような曲は絶対必要だと思うんですけど、変な話、"A→B→C→D→E→F"ってメロが全部変わっても曲として成立するかしないかっていうものを作りたい気持ちはあります。 上木:これ以上はやめてね(笑)。これ以上やる場合は、一度黒瀬さんに歌ってもらいます。やっぱり、パソコンを相手に曲を作っているから。でも、こちらは生身の人間の声帯なので、"いやいやいや、対応しきれないですよ"ってところも多々ありました。でもだからって歌えないのは私も悔しいし、すごくいいメロディだと思うから、絶対、歌ってやるって気持ちでやりました。人間だからこそ、ハートだったり、ドライヴ感だったりは出せるものだと思っているから、自分の声帯をいかにコントロールするか、そこは職人的に......こんなすごいメンバーの中に入って、自分も職人らしいことができていると思えたのは今作からですね。

-その「ZODIAC」はポップな展開もある曲なんですけど、歌のメロディは難しいですよね。

黒瀬:難しいです。ジェットコースターみたいに乱高下するので。

-でも、そこも聴きどころ。UROBOROSの魅力のひとつかと。

上木:魅力として定着しちゃうんじゃないかってビクビクしてます(笑)。

-おっしゃる通り攻撃的に振りきった作品になりましたが、曲が進むにつれて、世界観が広がると同時にメロディアスな上木さんのヴォーカルの魅力が際立ってきますよね。

黒瀬:そうですね。特に最後の「Lunar eclipse」(Track.7)は、今まで書いたことがなかったタイプの曲で、書いても表現できないと思ってたんですよ。こういうプログレッシヴな、ミドル・テンポでストリングスを入れた壮大な楽曲ってあまりイメージできなかった。それがメンバーが揃って、ヴォーカルに上木を迎えたとき、いけるんじゃないかって思えたんですよ。それでやってみたんですけど、正直、作っている間はドキドキで。下手すれば、のんびりまったりした曲になっちゃうかなって思ったんですけど、歌が乗って、演奏に緩急がついたことですごくドラマチックになったんですよね。やっぱり生身の人間が歌って感情や勢いが加わると、パソコンで作っているときのものとは全然違うんですよ。この曲を最後に持ってきて本当によかった。入れてよかったですね。

上木:この曲、"torch"って言葉が入っているんですけど、最初、日本語で歌詞を書いたときは"たいまつ"だったんです。"光"って言葉はもう散々使われているので、他に何か、今いる場所が暗いことが想定できることと孤独であることを表現できる言葉って何かないかなって考えてるとき、"たいまつ"って言葉を見つけて。でも、"たいまつ"って大丈夫?って思ったんですけど。じゃあ、そこは英語になることはマストでって考えた結果、"torch"となったんです。やっぱり"torch"と"たいまつ"じゃ全然違うじゃないですか。そんなふうに英語と日本語それぞれの良さを、バランスを考えながら使えるのはUROBOROSの武器のひとつかなって思います。

-その「Lunar eclipse」は世界観を広げると同時に、ここで完結するわけではなくて、次の作品を期待させるような終わり方になっていますよね。

黒瀬:その通りです(笑)。いつリリースするか具体的なスケジュールはまだわからないんですけど、実は制作はどんどん進めているんです。『ANOTHER ARK』と今回の『ZODIAC』は大きなテーマで繋がっているんですけど、『ZODIAC』で完結するわけではありません。それは『ANOTHER ARK』を作るときからなんとなく青写真はあったんですけど、どういう締めくくり方になるのか――それが3部作になるのか4部作になるのかはさておき、とりあえず今はまだ起承転結の承と転の間ぐらいに思っててもらえれば。

-今後がますます楽しみになりますね。ところで、4月29日(金)に渋谷TSUTAYA O-EASTで行う"1st oneman live「THE ARK OF ZODIAC」"はどんなライヴになりそうですか?

黒瀬:UROBOROSとしてようやく正式なお披露目になるし、アナザー・ギタリストとしてLeda君(Far East Dizain)も入ってくれるので、華やかなステージにしたいと思っています。やっぱりギター・ヒーローがふたりもいて、その真ん中に上木がいるわけですからね。

上木:楽しみですよね。

黒瀬:UROBOROSのライヴで表現したいものは参加型アトラクション(笑)。一緒になって飛んで跳ねて......もちろん、そうしたくない人はじっくり観てもらってもいいんですけど、アトラクションに乗るような感覚を味わってもらえたらやりたいことができていると思います。『ANOTHER ARK』と『ZODIAC』の曲に加え、新曲もやります。今まで以上にメロディアスな曲もあるし、ライヴで初めて聴いてもいきなり飛び跳ねることができる曲もあるので期待しててほしいですね。

上木:"なんかわからないけど、ライヴすごかったね"って思ってもらえるようなライヴになったらいいな。ここに注目してっていうことよりも、とにかく私たちUROBOROSの音にやられてほしい。来てもらって、体感してもらったらきっとわかってもらえると思います。