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激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

CONQUER DIVIDE

2016.02.03UPDATE

2016年02月号掲載

CONQUER DIVIDE

Member:Kristen(Gt)

Interviewer:今谷 重治
Translator:Louis Sesto (Eagletail Music)

女性という域を超越した強力なスクリーム、瑞々しく伸びやかで女性らしいクリーン、その相対するヴォーカルを、メロディアス且つヘヴィに奏で上げるメタルコア/ポスト・ハードコア・サウンドに乗せた、英米混成の女性6人組バンド、CONQUER DIVIDE。昨年デビューを果たし、TOWER RECORDSのバイヤーによる激押しアイテム"タワレコメン"にも選出、ここ日本でも大きな話題となっている彼女たちのデビュー・アルバムの日本盤が2月3日にリリースされた。まさに"今"、ラウド好き必聴のニューカマーとなったCONQUER DIVIDEの中心人物、Kristen(Gt)にインタビューを敢行した。

-はじめまして! 激ロックです。本誌初登場となりますので、まずは自己紹介をお願いします。

こちらこそ、はじめまして! 私はギターのKristenよ!

-ツイン・ギターを据えた6人編成で重厚なサウンドを鳴らすCONQUER DIVIDEは、アメリカ人とイギリス人による混成とのことですが、どのような流れでバンドの結成に至ったのでしょうか。

何年も前からバンドを結成したいと思っていたのだけど、地元でメタルコアやポスト・ハードコア系の音楽に興味を示してくれるようなメンバーに出会うことができなくて。そういった理由もあって、国外も視野に入れてメンバーを探したの。

-CONQUER DIVIDEを一聴して衝撃を受けるのは、女性らしい艶やかなクリーン・ヴォイスと、女性という域を超越したスクリーム・ヴォイスの見事な対比です。ツイン・ヴォーカルという体制は、バンド結成の構想としてもともとあったのでしょうか?

そうなの! ふたつの異なる歌声を取り入れるという構想はこのバンドを結成したときからあって、ヘヴィなスクリームも、クリーンでロックな歌声も両方とも好きだから、そのふたつの要素を組み合わせたいと思っていたわ。

-なるほど。さらに2014年にはギターのIzzyを迎えてツイン・ギターの6人編成になりました。彼女が加わった経緯、そもそも最初からツイン・ギターにしようという考えがあったのかどうか教えてください。

すでにバンドを脱退した前任のスクリーム担当は、歌いながらギターも弾いていたんです。でも、ギターを弾きながら歌うには演奏するのが難しいパートも実際にあって、新メンバーを加入させるんだったら専任のギタリストの方がいいと思ったの。そうすることによって、ヴォーカリストもギタリストも自分のパートに専念できて、バンド全体の演奏力アップにも繋がる。この判断は正しかったと思っているし、もっと早い段階でIzzyを加入させればよかったとも思ってるわ。

-たしかに各パートが専任であることで、より高いレベルのパフォーマンスを発揮できていると思います。ちなみに、バンド名の"CONQUER DIVIDE"というのは何に由来するのでしょうか? "Divide And Conquer=分裂させて征服せよ"という言葉もありますが。

バンド名は、いま言ってくれた昔ながらの戦術的な意味と結びついているわけではないの。"CONQUER DIVIDE"というバンド名には、この音楽業界において自分たちがアーティストとして認められるために、様々な困難を乗り越えて戦っていくという意味を込めているわ。

-改めて昨年のアルバム・リリース、そして日本盤のリリースおめでとうございます! メロディアスなメタルコア・ファンとしてはどの曲も素晴らしく、特にエモーショナルさを押しつけない自然体な歌、楽曲を盛り上げる劇的なスクリームが魅力的です。楽曲をメインで作曲している方はどなたですか?

今作のメイン・ソングライターは私です。ギターだけでなく、ヴォーカル・パートもたくさん書いてるのよ。現在の6人編成になる前には今作の曲がほぼすべて揃っていたから、2ndアルバムを作るときにこの6人でどんな方向性で進めていくか、とても楽しみにしているの。

-Track.1「Sink Your Teeth Into This」にはASKING ALEXANDRIAのDenis Shaforostovがゲスト・ヴォーカルとして参加し、アルバムの冒頭を飾るのに相応しいアグレッシヴでエモーショナルな楽曲に仕上がっていると思います。彼が楽曲へ参加した経緯について教えていただけますでしょうか?

Denisは古くからの友達なんです。彼が以前参加していたDOWN & DIRTYというバンドのレコーディングをプロデューサーのJoey Sturgisと一緒にアメリカで行っていたとき、まだヴォーカルが入っていない状態の私たちの曲を聴いてもらう機会があって。その中でDenisが気に入っていたのが「Sink Your Teeth Into This」。それが2013年のことだったんだけど、2015年にやっとスタジオに入って私たちのアルバムが完成したときに、Denisにこの曲で歌ってみないかって誘ってみたの。ちょうどそのとき、彼はウクライナにいたんだけど快く引き受けてくれて、ウクライナでこの歌をレコーディングしてくれたのよ。

-Track.3「Eyes Wide Shut」は2013年に発表されたシングルですね。アルバムの中ではこの曲が最初に完成したのでしょうか? また、タイトルは同名の映画を想起させますが、歌詞などにはそういったエッセンスが盛り込まれているのでしょうか?

そうね。この曲がアルバムの中で最初に完成した曲よ。実は同名の映画は一度も観たことがないんだけど、私たちの歌詞との関連性を感じるから曲名としてはとても気に入っているわ。このタイトルは私たちにとって隠喩のようなもので、ベストを尽くすことができない状況の中で目の前にある問題を無視したり、そういう手間取っているようなシチュエーションをうまく表現していると思うの。ずっと直面していたはずの目の前にある現実を無理矢理自分に見せつけるような感じでね。気づいているのに、それを解決しようとせず、向き合うことを拒み続けている状況。そういった考えから"I'm staring with my eyes closed(訳:目を閉じたまま見つめている)"という歌詞の一節が生まれたんです。曲が終わりに近づくと、人生の中でひとつの区切りを迎えて二度と過去を振り向かないという内容の歌詞になっていくんだけど、シンプルな言葉を使っているにも関わらず、とても心に響くように感じたの。そのときに自分が感じた感情を忠実に表現しようと努力したわ。正直、恋愛ドラマ的な内容を掘り下げることはあまりないけど、この曲だけはそういった内容に少し触れているの。