INTERVIEW
「Story of Hope」
2016.01.06UPDATE
2016年01月号掲載
Member:MR.JiRO(Ba) Hikaru(Gt) m!sa(Vo) Yagi(Dr) Ryuto(Gt)
Interviewer:米沢 彰
-今作『Alethea』はFUNERAL FOR A FRIEND的なイントロとAメロ裏でのギター・リフが印象的なTrack.1「Lost」で幕を開けますが、この曲は楽曲の完成度も高くて、すごく聴きやすいのに、m!saさんの低音スクリームもちゃんとフィーチャーされていて、バンドの魅力を詰め込んだ曲だなと感じました。もともとオープニングとして意図して作られた曲だったのでしょうか?
Ryuto:いえ、そうではないです。『Alethea』の構想は(前作)『Historia EP』を作っているぐらいのときからありました。最初にできた曲はTrack.2「Forever」で、「Lost」は最後の2日ぐらいでできた曲でした。キャッチーな要素は大事にしていきたくて、イントロのギターもそうですけど、聴いた瞬間に"いいな"って思ってもらえるような作品にしたかったので。そういう意味で言えば、「Lost」は最初のリフを思いついた時点で1曲目にしようと考えてはいましたね。
-サビがまた優しくて、"Lost"というタイトルやみなさんのバックグラウンドを想像するとすごくエモーショナルに感じられるのですが、どういったことを歌っていますか?
m!sa:普段、失ってしまうものってたくさんあって、そういう経験を通して誰しもが抱く感情を表現しています。でも曲はキャッチーなので、そこにあるギャップを楽しんでもらいたいです。そうして無我夢中で頑張って、明るい未来を掴みとっていけたらな、っていう前向きなんですけどネガティヴな要素もある曲ですね。
-続く「Forever」もすごくエモーショナルですね。この曲のテーマも教えていただけますか?
m!sa:今までも恋愛の曲は多かったんですけど、これも恋愛の曲で。この曲は失恋の曲なんですけど、そういう共感をしてもらえたらなって思っています。
-「Forever」は途中からの疾走感がすごく心地よくて、よくできた構成だなと思いました。
Ryuto:作曲は完全にひとりで、他のメンバーの意見も特に聞かずにやっているんです。かといってメンバーを信頼していないっていうわけではなくて、相談はするんですけど、そこは自分で考えたいっていうところで。「Forever」に限らずm!saの歌詞と合わせてひとつの楽曲というイメージがあって、m!saのもがいていたり、掴みとりたいっていうような歌詞とキャッチーな楽曲とのギャップが感情の揺れ動きや葛藤にうまく繋がっているかなと思います。それをビッと感じてくれる人は少ないと思いますけど。
-Track.5「Alethea」は1番感傷的なのに前向きなトラックだと感じました。この曲はタイトル・トラックでもありますし、深い意味合いがありそうですね。
Ryuto:(前作の)"Historia"はギリシャ語で"探求"って意味なんですけど、"Alethea"は"真実"というギリシャ語から派生した女性の名前で。女性ヴォーカルということで、前々作も前作も今作も全部女性の名前をつけているんですが、このアイディア自体は前からあったものなんです。歌詞にはネガティヴな要素が多いんですけど、自分たちはネガティヴな部分を愛していきたいと思っていて。悲しみとか悩みは常に同居していて、闇がなければ光もないですし、そういう感情のゆらめきとか、悲しみって美しいものだと捉えいて。それを(前々作)『Kanaria』、(前作)『Historia EP』、『Alethea』で表現したかったんです。カナリアって鳥がいるじゃないですか。愛玩鳥なので一生籠から出れないまま死ぬんですけど、『Historia』では"探求"することで、そこでようやく籠から出ることができて、いろいろ経験するんですけど、報われずに終わる。そして今作『Alethea』で、"真実"にようやくたどり着くっていうストーリーです。これでとりあえずは完結になります。
-なるほど。作品全体がこの「Alethea」というトラックに向かっているようなイメージですね。全体にトラックの名前を繋いでいくと大きなひとつのストーリーがあるようにも感じたのですが。
Ryuto:自分が書く歌詞とm!saが書く歌詞がひとつの作品に入っているのが面白いとも思っているんですけど、1曲目と2曲目はm!saが書いていて。"悲しみと同居した幸せ"っていうm!saの考えにはすごく共感するんですよね。この2曲が完成してから「Alethea」の歌詞を書きました。もともと「Alethea」の歌詞の構想はあったんですけど、書かずに置いてたんです。6曲ごとのストーリーはありますけど、葛藤とか周りとのズレとか、悲しみの美しさとかが全体のテーマですね。
-わかりました。『Alethea』をリリースしてからのバンドの今後の予定は見えてきていますか?
Ryuto:とりあえず全国ツアーをやります。めちゃくちゃ回ります。海外からのオファーもいろいろあるので、タイミングが合えば行きたいです。でも、まずは全国ツアーです。今すでに予定を組んでいっていますし、1番目先に見えていることなので。1月15日(金)に『Alethea』のリリース・パーティーが仙台MACANAであるんですけど、そこから5月の仙台のファイナルまでに東京とかあちこちを回りたいと思っています。
-バンドとしての目標などをうかがえますか?
Ryuto:めちゃくちゃ売れたいですね。とりあえずは公開しているMVの再生数も100万いきたいですね。
Yagi:あとは川崎CLUB CITTA'でライヴやりたいですね。実家からチャリで10分なんですよ(笑)。
-(笑)いいですね、その凱旋感。
m!sa:MVの再生数ももっと伸びて、もともと友達も特に多い方ではなかったんですけど、そういう周りにいた人にも知ってもらえるようになったらいいなと思いますね。そして、そういう人たちに"私はここまで来れたよ"って言えるようになりたいと思っています。
-それでは最後に激ロック読者へのメッセージをお願いします。
m!sa:インタビューを受ける機会はこれまであんまりなくて、自分たちの気持ちとかを語れることってほとんどなかったんですけど、こうしてみんなが思っていることだったり、なんで「Story of Hope」がこういう曲をやっているのか、ライヴをやっているのかを知ってもらえると嬉しいです。
Ryuto : 20歳そこらの若輩者ですが、頑張っていきます。これからどうぞよろしくお願いします!