INTERVIEW
BEFORE MY LIFE FAILS
2015.11.20UPDATE
2015年11月号掲載
Member:Matsuno(Vo)
Interviewer:米沢 彰
-そうやってYoshさんの場所を用意できていたりと、余裕があるというか、作ることに一生懸命になりすぎずに、広い視点で全体を見れているように感じられるのですが、実感としてはいかがですか?
たしかに全体のバランスについては考えられていたと思いますね。方向性として1枚の作品に向かっていけたと思うんですけど、"もっとこういうのがあればいいよね"ってプラスされていったものもあったので。でも余裕あったかなぁ(笑)。余裕はなかったかもしれないです。ただ、全体は気にしていました。"この曲はもうできたっしょ"ってなってからも、あとから他の曲とのバランスを考えて"ここをもうちょっと変えよう"ってしたり。ちょっとずつちょっとずつ変えていって、そういう作業が何回も繰り返されていましたね。
-だから作品として全体のバランスがよく聴こえるんですね。そのバランスを失うと、下手したら"変わってしまった"ともなりかねないと思うんですけど。
そうですね。ただ"歌が多いからセルアウト"っていうリアクションについて、個人的には了見が狭いなというか、可能性を潰した考えに思えて。少なからずJ-POPを聴いて育ってきた部分もありますし、そういう部分を殺したくないというか、アルバム自体のレンジとしては広く、でもコンセプトはしっかりと固めてまとまりは作る、そういう考え方でバンドとしてできたなと思っています。
-話は変わりますが、バンド・マーチをただのバンド名ではなく"BMLFCULT"として展開されていて、そのデザインも秀逸ですが、これはメンバーでデザインをされているのでしょうか?
僕が主にやっていますね。
-"BMLFCULT"というフレーズは上手いなと前々から思っていました。マーチを着ること自体、そして、バンドのファンを"CULT"化していこうという定義づけは今のシーンの考え方の先端でもあると思います。って、そういう意味合いで合っていますよね?
そうですね。マーチを買う、マーチを集めるって、ちょっとカルトというか常軌を逸しているというか、そういう部分があると思うんですよね。あとはクルー的な意味合いで"CULT"って言葉を使っています。バンドのTシャツってだけだとそれで終わってしまいますけど、もうひとつのそういう何かがあれば......。昔、ニューヨーク・ハードコアをすごく聴いてきたんですけど、DMS(注:ニューヨークを中心としたギャング集団。MADBALL、H2Oなどニューヨーク・ハードコアの中心的バンドも所属)ってクルーがいて、例えば"これってDMSのバンドだよね?"って話でよく盛り上がってたり、バンドTシャツの裏側を見たらDMSって書いてあって"かっけー!"ってなったり。僕らが誰かとクルーでっていう意味ではないんですけど、"BMLFCULT"って書いてあるだけで"いいじゃん"って思ってもらえるようなものを出せたらいいな、と。
-ある種、バンドをブランド化していくようなイメージですね。
そうですね。そのひと言で片づいちゃうんですけど(笑)。
-(笑)そういった部分も含めて、バンドの見せ方とかファンとの関係とかいろいろ考えているように見えますが、今後について考えていることなどはありますか?
物販ではライヴに来たときにあると嬉しいと思えるようなものを作るようにはしていますね。これからも面白いことはできたらいいなとは思っているので、今後もいろいろ見てもらえたら嬉しいです。
-今作のリリース後にはかなりの本数のツアーが控えていますね。バンドとしては過去最大規模ではないですか?
恐らくそうですね。『(FOR)LORN』のときもかなり回りましたけど、そのときも今回ほどではなかったと思います。
-ツアー以外にも予定は決まっていますか?
ツアー以外だとその前に東名阪を回ります。リリースの直後、11月26日(木)に名古屋、12月5日(土)に大阪、6日(日)に渋谷CYCLONEとリリース・パーティーを開催します。リリース・ツアーとはまた別の3日間で、大阪はDoes It Escape Againとのダブルレコ初になりますし、名古屋では地元バンドの力も借りつつ、作品にもゲストで出てくれたSurvive Said The ProphetやOtus、レーベル・メイトでもあるKEEP YOUR HANDs OFF MY GIRL、それからMAKE MY DAYとともに東名阪を攻め込もうと思います。作品がリリースされたらそれを聴いて、東名阪のリリース・パーティーにも来て、ツアーでもっと楽しんで欲しいですね。
-最後に激ロック読者へのメッセージをお願いします。
今回の『ANIMUS』というアルバムは、今まで聴いてくれていた方にはいい意味で期待を裏切る作品になっていると思います。今まで聴いていなかった人には、いいなと思ってもらえるような作品になったと思いますので、ぜひみなさん手にとって聴いてみてもらえればと思います。