－（笑）

MAZZY：伝えたいとか言いながら、そこに大いなる矛盾があるんです。ライヴやると、1番も2番も同じだったりとか。

－（笑）少し話は飛びますが、最後の曲、Track.11「Tower」ではブラストビートから最後の賛美歌のような女性ヴォーカルのメロディだったり、違和感がものすごいですよね。

MAZZY：作戦通りですね。

－もうやりたい放題だなって印象すらあって。最初のSEは何かを逆再生しているようで、そういうのがごちゃ混ぜで入ってるのがすごく不思議だったんですけど、あの曲はどういった曲なのでしょうか？

MAZZY：すごくポリティカルなメッセージが実は含まれてるんですけど。それをあえて言葉で言わずに感じてもらいたいかなって。

NAO：最初のとっかかりは、俺がこういうのやりたいんだっていうのを2ミリくらいだけ言って、みんながかっこよくしてくれた、みたいなところはありますね。

MAZZY：人間の生き死にみたいなものを織り交ぜてあったり。詞を読んでもらうと大体そういうことなのかなって感じると思うんですけど、"生命の叫び"です。ヴォーカリスト的には、世の中の不条理に対する祈りと叫び。でも展開があるから聴きどころも満載じゃないですか。どうなってくんだろって、どんどん最後まで展開して、どかん！ってなるので。

NAO：まぁうまくいきましたよね。

MAZZY：賛美歌だったり、逆再生の音声は、最後の最後にレコーディングで入れてみたいんだよねって言ったのを、うまいことエンジニアさんとやりつつ、それも意味のあるものとして入れられたと思ってます。"賛美歌"ってのもひとつのキーワードになっていますね。

－作品全体としては"生"感がすごくあって。最近のデジタルで潰しちゃったような音とは全然対極にあるような印象ですよね。

NAO：それはもう、本当にうちらが望んでいるカタチです。そこは1番意識してるかもしれないです。ポリシーですね。

MAZZY："生"感もそうだし、血がたぎってる"人間力"、"アツさ"、"魂"っていうのは僕らの中ではとても大切にしてる要素です。

NAO：こういう言い方すると、他のバンドを悪く言ってるように聞こえてしまうんですけど、あれだけガチガチの音作りだと、激しい音でなくなっているように聴こえてしまうんですよね。それを考えたら、あそこまで作り込んでしまうとだめなんじゃないかと思うんですよね。音色としては激しいけど、これじゃあ大人しくなっているっていうのが、最近の音作りの傾向で好きではない点ですね。きちんとはしてるんだけど、あまりにみんながきちんとしてるから。そうしてるバンドがひとつだけだったら面白いんですけどね。

－（笑）

MAZZY：ロックなんだけど、ロックっぽく聴こえないって思うんですよ。血を感じないというか、人間が生身の身体で作っているというよりもサイボーグみたいな感じですね。それは、得意な人たちがやればいいと思います。僕らは生身の部分をとにかく見せていきたいんです。それしかできないですし、それが好きなので。

－90年代くらいに"サウンドの粒感"って表現がよくあったと思いますが、あの感じがあるな、と。

MAZZY：泥臭いでしょ。

NAO：それでも気をつけてたんですよ。一応。

MAZZY：いろんな環境で聴きやすい音。車だとか、リビングとか、パソコンとかiPhoneとかで聴いたときの最大公約数で、みんな片目つぶったところはありますね。

NAO：ライヴの方がもっとすごいですけどね。

MAZZY：ロック・バンドはみんな言いますけどね（笑）。

NAO：うちは特にそこに自信はありますね。CDと同じじゃねえから。CDよりもっとひでえからって。

一同：（笑）

MAZZY：もっとぐちゃぐちゃですからね。