INTERVIEW
SURVIVE
2015.09.25UPDATE
2015年09月号掲載
Member:NEMO(Vo/Gt) SHINTAROU(Dr)
Interviewer:荒金 良介
-SHINTAROUさんは世界を回ってどうですか?
SHINTAROU:極端に言うと、俺はSURVIVEに入って、刺激的なことばかりです。初ライヴがCLUB CITTA'で、2回目が韓国で、3回目でやっと普通のライヴハウスですからね。日本ツアーをやる前にヨーロッパ・ツアーをやったり、ほんとに不思議っすよ(笑)。俺もお客さんの反応がダイレクトだから、日本も大事だけど、海外の方がやってる実感はありますね。
-ただ、BEHEMOTHのサポート・アクトを務めたロシア・ツアーは大変だったみたいですね。
NEMO:俺らも全国ネットのニュースで"サタニスト"と言われましたからね。逆にプロモーションになったから、いいんですけどね。BEHEMOTHの『The Satanist』(2014年リリースの10thアルバム)というアルバムが、向こうのクリスチャンの団体から目をつけられて、ずっと追いかけられたんですよ。
-そこまでするんですか?
NEMO:ライヴを絶対やらせないと。初日はやれたんですけど、それは2日前に会場を変更したからで。それからプロモーターがビビって、2公演キャンセルになったんですよ。で、その次の公演は会場前で大暴動が起きて。
-大暴動?
NEMO:ライヴを止めようとする宗教団体とファンが衝突して、セキュリティもボコボコにされて、武装警官みたいな人たちが来ました。日本では絶対見れない光景ですね。あとで聞いたら、発砲もあったみたいで。そういう日に限って、サウンド・チェックもバチッと決まるんですよ。でもプロモーターがものすごく暗い顔でキャンセルだと。次の公演は地元の警官が楽屋まで来て、BEHEMOTHは警察に連れて行かれました。俺たちはサポート・アクトだったけど、開演20分前に今から1時間以上のセットリストを作れないかって。その間にBEHEMOTHが帰って来るのを待とうと。お客さんは盛り上がってくれて、2千人ぐらい入っていたかな。そのあと、BEHEMOTHは帰って来なくて、1日投獄されました。
-わあ......。
NEMO:BEHEMOTHは向こう5年間ロシアで演奏できないんですよ。サタニストと言われていたけど、罪状はビザに問題があったという。言いがかりもいいところですよ。俺らもツアーはほぼ中止になったけど、最後のKORN、SOULFLYが出たフェスに出れたから、それだけでも良かったです(笑)。
-ちなみに、ライヴがない日は何をしてたんですか?
NEMO:毎日クラブに行って遊んでました(笑)。
-そして、今作の構想はいつごろから?
NEMO:今回コンセプトというほどではないけど、絶対に納得するまでアルバムは出せないという気持ちでした。焦って出して、すぐに風化してしまう作品も嫌なので。とにかくすごいものを作りたいなと。だから、5年以上かかってます。こねくり回して、アレンジを変えて、いろんなパーツを取り替えて。
-今回の全8曲は自分たちのハードルを越えたもの?
NEMO:そうですね。アルバムも10数曲じゃなく、METALLICAの『Ride The Lightning』(1984年リリースの2ndアルバム)みたいに全8曲で、"うわっ、やべえ!"となって、何度もリピートしたくなるアルバムを作りたくて。アナログ時代の時間感覚はありましたね。
-自分たちではどんな作品になったと思います?
NEMO:以前は仕上がりが想像できていたんですけど、今回はプロデューサーを起用したということもあって、完成したときにすごい作品に仕上がったなと思いましたね。日本人だとか国籍も関係ないサウンドに仕上がりました。ずっと追い求めていた立体感もあるし、これだなと。今回は録り方も変則的で、普通はドラムから録るんですけど、ギターから録ったんです。そのガチの音をドラムに渡すんですよ。エンジニアが言うには、"ガチンコのギター・サウンドを渡すことで、神懸かったフレーズが出てくるんだよ"って。よりギターをタイトに聴かせたいという気持ちもあったので。
SHINTAROU:好みもあるだろうけど、俺はそっちの方が好きですね。ギターが完全にできてると、こっちのテンションも上がりますね。