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INTERVIEW

SHINEDOWN

2015.09.18UPDATE

2015年09月号掲載

SHINEDOWN

Member:Brent Smith(Vo)、Eric Bass(Ba)

Interviewer:米沢 彰

-"Threat To Survival"というタイトルからは重い印象を受けましたが、実際にアルバムの幕開けとなる「Asking For It」はイントロから明るさと壮大さが力強く感じられる曲で、少しギャップを感じました。この曲やアルバムのタイトルが示している内容やテーマを教えていただけますか?

Brent:今作には、歌詞の内容についても、曲についても、全部の曲に共通するテーマとかはないんだ。ひとつひとつの曲にひとつひとつのテーマがあって、個人的には今回のアルバムは歌詞的にこれまでで最もパーソナルなものになったと思う。たしかにアルバムのタイトルだけ聞いたら大胆な宣言みたいに聞こえるかもしれない。でも言いたかったことは"生死の問題"についてだけなんだ。アルバムからの最初のシングルはTrack.2「Cut The Cord」って曲なんだけど、人生ってのは生きているといろんな制約が出てくるだろ? それを打ち破って生きていくってことを訴えたいのがこの曲で1番言いたかったことなんだ。アルバムのアートワークにも繋がってくるんだけど、この卵の中に何が入っているのか、実は誰もわかっていないんだ。ヘビもこうやって卵を拘束しているけど、本当はいったい何を拘束しているのかわかっていない。制約なんてそんなものなんだよ。自分が内に抱えているものを本人がちゃんとわかっていて、それを追求していくことができるんだったら周りから何を言われようと大丈夫。テーマは曲によって違うし、歌っている歌詞の内容もそれぞれなんだけど、"自分に納得して生きていこうよ"っていうことが他の曲にも通じている主張になるかな。人間が生きていく中で何が1番のギフト(※生来与えられる贈り物)なのかと考えてみたら、それは命なんだと思う。でもそれが1番のギフトなんだとすると、それは必ず終わるものだよね。人間は誰だって死んでしまうし、どう頑張っても限界はある。だから不安になる人もいるし、限界を感じてしまう人もいる。でも、そう考えるんじゃなくて、俺たちは命が限られているからこそ"今をどうやって生きよう"とか"自分はこういう人間だから、今できることを自分なりにやっていこう"みたいに考えて欲しいと思っているんだ。その結果として、憎しみよりも愛を広げていくような、そういうふうにしていきたいんだ。Track.3「State Of My Head」って曲もまさにそうで、この曲は"俺はこういう考え方の人間なんだ"っていう内容なんだ。この考えを変えさせようとするならもうその人を殺すしかないし、その考え方は死ぬまで変わらない。みんながそういう考え方でいいんだってこと、自分らしくありのままに生きていって欲しいってことを全体として伝えたかったんだ。日本盤はボーナス・トラックがあるから実際にはちょっと違うけど、本来の収録曲の最後のトラックにTrack.11「Misfits」という曲があるんだ。この曲はそういった不安なことを歌っている。自分が"Misfits=順応できない人"であるということに対する不安がある人もいると思うんだけど、俺たちも同じように自分がオリジナルな存在であることに違和感を感じていたから、それは決して悪いことではないはず。今作は、気持ちの面で強くあって欲しいという面と、不安な部分やノスタルジックな部分があったりして、感情のジェットコースターみたいなアルバムになっているんだ。

-「Cut The Cord」はMVにもなっていて、この曲も"Cut The Cord(関係を断ち切れ!)"と力強いスクリームが続く楽曲で、ものすごくメッセージ性が強く、楽曲もMVもすごくシンプルですよね。これはやはり意識してシンプルにしているのでしょうか?

Eric:そうだね。特にこの曲については、あまり音も重ねずに、ひとつひとつのサウンドを組み合わせることで壮大な音を作ろうとした。やたら音を増やすことで壮大さを出すのではなくて、ひとつひとつの音をはっきりと聴かせることで壮大さを出そうとしたんだ。

Brent:歌詞についても、比喩的な表現はあまり使わずに、ポイントを突いたわかりやすいものになっていると思う。だから、いろんな意味で直球な曲だね。内容としては"暗闇の中にいたとしても決して諦めるな"、"Cut The Cord! 自由になれ!逃げ出せ!"ってことを歌っているんだ。映像を収録したのは、前作のツアーが終わってから初めて、バンドとして楽器を持ち寄って一同に集まったときだったんだ。監督は、これまで俺たちのビデオを作ってきてくれて、俺たちのことをよくわかっている人だったんだよ。しばらくライヴをやっていなかったんだけど、カメラ割りとかを決めてからはとにかく"狂ったように演奏してくれ"、"我を忘れて弾いてくれ"ってだけ伝えられて撮影した。そこに俺たちの本質があることを彼はよくわかってくれているんだ。普通だったらミュージック・ビデオって十何時間も撮るものだけど、今回は演奏をひと通り3回通してやったぐらいだった。それで十分俺たちの本質は捉えられる。何せあのときは19ヶ月ぐらい演奏していなかったから、俺たちが集まるだけで溜まっていた相当なエネルギーが、まるで圧力鍋みたいに一気に沸騰して爆発するってことを予測していたんだと思う。そこにはわざとらしさのない、本気で命を賭けたバンドの姿が現れていた気がする。メンバーの脳が繋がっているような、そんなビデオ撮影になったよ。

-最後に日本のファンへのメッセージをお願い致します。

Brent:日本のファンのみんなに感謝してるよ! みんなのおかげで日本に来ることもできたし、5枚目のアルバム『Threat To Survival』もリリースすることができて本当に光栄なんだ。みんなのサポートには本当に感謝している。またすぐに会いにくるよ! ロックし続けてくれ!