INTERVIEW
A Barking Dog Never Bites
2015.07.10UPDATE
2015年07月号掲載
Member:Ryo (Vo) Wataru (Vo) Sow (Gt) Aki (Ba) Kizuki (Dr)
Interviewer:荒金 良介
-Track.5「Let Me See Your Pride」は踊れるハードコアみたいな面白い曲調ですね。
Ryo:この曲はレコーディング中にできました(笑)。"もう終わっちゃうの?"という短い曲が欲しくなって。Sowに相談したら、レコーディング中に作ってくれて、いい曲ができたら入れようと。僕はメロディックを通ってきたから、そういう速い曲が欲しかったんですよ。Hi-STANDARD、HAWAIIAN6、MEANINGも好きだし。
Kizuki:高校生のころはlocofrankとかやってました。
-locofrankのコピーですか?「START」(2003年リリースの1stミニ・アルバム『Starting AGE』収録)をカバーしたり?
Kizuki:まさに。「START」をアンコールにやるのも渋いみたいなノリでやってました(笑)。
-ははは。そういう意味でも今回はひとりひとりのルーツも出せた?
Sow:各々通ってきたルーツが違うので、曲を再構築するうえでも違うエッセンスを持ち込めるから、それがこのバンドの個性に繋がってますね。
-ちなみにひとりひとりのルーツとなる音楽を聞いてもいいですか?
Aki:僕はファンク、ジャズ、フュージョン、スカとか、昔の踊れる音楽が好きで。スウィング系が好きで、「Blue Bird」は自分的には1番やりやすかったですね。Kizukiもそこは近いと思う。
Kizuki:そうっすね。僕もジャズ、ファンク、ゆったりめのボサノヴァも好きで。ここ(リズム隊)は裏ノリが好きですね。
-リズム隊は強力で、このバンドの大きな武器になってますよね。特にベースはかなりテクニカルですね。
Kizuki:ああ、タッピングもするし、普通に弾いてもうまいですからね。
Aki:もともとピアノをやっていたから、それでタッピングも入れたくて。同期でピアノを入れてるバンドは多いけど、生のベースで同じことができたら、同期はいらないと思って。人力でやれる限りやろうと。
Sow:僕はメンバーの中でラウド系と呼ばれるジャンルを1番通ってます。メタル、スクリーモとか、今のバンドの楽曲制作に影響を与えているのはそのへんの音楽が大きいですね。
Wataru:自分はヴォーカルをやっていることもあり、ひとつのジャンルというより、いい歌だなあと思う曲は何でも聴きます。あまりルーツと言うと、難しいですね。音楽を好きになったきっかけは、hideさんだったりするけど。
Kizuki:それこそJ-POP好きでしょ?
Wataru:うん、ポルノグラフィティとか好きですね。
Kizuki:特にWataruは自分の人生で、こんなバンドに絶対関わらなかっただろうなと思ってるんじゃないかな。もともとWataruはラウド系と言われるジャンルを聴き込んでないはずだから、面白いものを出せるんじゃないかと思って誘いましたからね。
-メンバーのルーツ音楽が違う方が、バンドの引き出しの多さにも繋がるし、結果オーライじゃないですか。
Sow:その分、楽曲制作は難しくなるんですけどね。まあ、楽しくやれてます(笑)。
-Track.7「Hello,Mr.Geek」は、今作の中でも壮大感のあるメロディアスな曲調ですね。
Aki:アルバムだからこそできた曲ですね。途中からジャングル・ビートみたいに急に変えたのも、うまくいったと思います。ちなみに、この曲だけはアルバム制作前からあったんですよ。ライヴで無料配布した音源で、そのあたりからヴォーカル中心で曲を作るスタイルが見えてきたんですよ。
-この曲はわかりやすい形で、"For Audience"というバンドのスタンスが伝わります。アリーナ感があるというか。
Sow:広い会場を意識して書きましたからね。とにかく、みんな普通が好きじゃないですよ。あまりくくられるのも嫌だし。
-ヒネクレ者の集まりですか?
全員:そうですねえ(笑)。
Kizuki:斜めのスタイルで、ずっとまっすぐ行きたい。
Aki:今回アルバムができて気づいたけど、ラウドの人やそうじゃない人とやっても、小さな会場でも大きな会場でやっても、勝負できる曲が揃ったと思います。今からツアーが楽しみですね。