－随所に男臭い発言が出てきますね（笑）。

Ryo：そうっすねえ。

Kizuki：ナメられたら終わりなんで。

全員：ははははは。

－シーンをひっくり返したい、という気持ちもあります？

Ryo：誰かの二番煎じではなく、俺らの音楽でひと泡吹かせたい。好き勝手にやりながら、メロディもしっかり聴かせて、ラウド・シーンを引っ掻き回せたら面白いですね。

Kizuki：今回も１曲１曲パートごとに分解すると、めちゃくちゃなことをやってるけど、みんなの気持ちが同じだから、ウチらっぽくまとまったと思うんですよ。ちゃんと勝負できる11曲が揃いました。改めて腹をくくれる音源になったなと。

－腹をくくれるようになった理由は？

Kizuki：まず自分たちがフル・アルバムを出せる。その緊張感が半端なくて、想像がつかなかった。TOWER RECORDSとか行くと、先輩バンドが"待望のフル・アルバムをリリース！"と書かれているのを見て、何を作ったら正解なんだろうと迷子になった時期があったんですよ。そこでこれじゃね？と見つけ出したのがWataruのメロディなんですよ。

Wataru：今回制作するうえで"For Audience"というテーマを掲げたんですよ。お客さんに一発で響くような曲を作れたらいいねと話して、じゃあ、どこだろうと考えたんですよ。そこで自分もああでもない、こうでもないと試行錯誤して、ようやくこれかもしれないというものを掴めたんですよ。それをみんなに投げたときに、これなら行けるかもと思いました。

－具体的に言うと？

Wataru：聴いてる人が口ずさめる曲を作ろうと。そこに落とし込めたことが大きいですね。

－それから制作はスムーズに進みました？

Kizuki：そうですね。みんながこれで行けるぞと思えたから。曲のベースはSowが持って来るんですが、以前はそこから分解する作業があったけど、あまりイジる必要がなくなりました。

Sow：お客さんが耳に残るところは演奏ではなく、ヴォーカルだと思うから。楽曲はそのスパイスが効くことで、より伝わりますからね。

Ryo：ヴォーカルを大事にしてくれるのはありがたいですね。迷ったときにはメンバーがアドバイスもくれますからね。

－今まで話を聞いてきた通り、今作はヘヴィさとキャッチーさの両面がきっちり表現されてますね。

Kizuki：そのためにヴォーカルがふたりいると思ってます。それがウチらの強みですからね。

－10数年前はツイン・ヴォーカルのミクスチャー・バンドはたくさんいましたが、今は少ない気もしますけど、自分たち的にはどうですか？

Ryo：得意分野に集中できるので、ツイン・ヴォーカルはおすすめです（笑）。

Wataru：同時にやりがいもすごく感じます。ツイン・ヴォーカルならではの良さもあるし、その裏側では息を合わせなきゃいけないから。非常にやり応えのある形態ですね。

Ryo：こだわったらキリがないですね。ひとりでは気づかないこともわかるので面白い。ひとりでヴォーカルをやっていたときはわからなかった楽曲の捉え方や、ライヴ・パフォーマンスの動きをとっても、もうひとりの個性が乗ることで自分の視野も広がりました。"あっ、こういう見方や考え方もあるんだな"って。刺激をもらえるし、まだまだ成長できるなと。

－今作で新たな発見はありました？

Ryo：MVになった「Swamp Bury the Man」はメロディをしっかり聴かせながらも、ラウドな側面も押し出せたかなと。

－オープニングを経たTrack.2「Swamp Bury the Man」は、このバンドの魅力がこれでもか！と詰まった楽曲ですね。

Sow：俺らの得意技を全部入れた感じですね。

－ヴォーカルの表現も多彩ですよね。スクリーム、グロウル、歌メロ以外にも爬虫類的な声色も出してますが。

Ryo：最初は面白がって使っていたけど、最近はここでこういうことを言いたいから使おう、という感じになってます。自分の中で声の種類を使い分けよう、という意識も芽生えてきました。

－フル・アルバムを作るうえでヴィジョンはありました？

Sow：さっきも言った"For Audience"、お客さんありきのバンドでいたくて。楽曲を聴いたらライヴが想像できて、一緒にライヴを楽しめたらいいなと。そういう音源を作りたくて。

Aki：今回は攻めよう、と話し合った気がします。俺とKizukiはラウド畑ではなく、パンク畑を通ってきたから、それっぽい曲もあるし。メンバーそれぞれの個性を楽曲に出そうと。Track.9「Blue Bird」は特にそうですね。

Sow：アルバム1枚通して、飽きさせない作品になったと思います。