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INTERVIEW

ANTHELION

2015.03.03UPDATE

2015年03月号掲載

ANTHELION

Member:Code(Vo)

Interviewer:藤崎 実

-1stアルバム『Bloodshed Rebefallen』のリリースから7年の期間が空きましたが、今回のレコーディングは順調に進んだのでしょうか?また、制作時のエピソードがあれば教えて下さい。

実は、『Bloodshed Rebefallen』の制作ではコストがかさんでしまい、またバンドとしてもまだ未成熟でした。次の方向性の模索にも時間がかかりました。もちろん、そこにはメンバーの入れ替えや生活レベルでの変化などもあり、私たちはずっとそれらに適応しようとしてきたのです。それもあって、『Obsidian Plume』を世に出すために、私たちには時間が必要でした。アルバム制作ではメンバー各々の仕事と時間を合わせる必要があり、時間もかかりました。また、できるだけいい作品を作ろうとしたこともあって、レコーディングが順調に進んだとは言えません。しかし最終的な仕上がりは満足のいくものとなりました。エピソードですが『Obsidian Plume』は何人かの友人と協力して作ったこともあり、レコーディングは面白かったです。例えば、私たちはCHTHONICとはすでに知り合いで、ヴォーカルのFreddyがレコーディングに来た際、事前に彼が好きなビールを買っておき、それを飲みながら制作を行いました。RENASCIMENTOのヴォーカル逸卉がレコーディングに来た際には、音楽以外のことについても語り明かしました。本当に素敵な思い出です。

-『Obsidian Plume』には、ANTHELIONの武器であるアグレッシヴなオリテンタル・メタル・サウンドに加え、シンフォニック・メタルの要素が大胆に導入されていますね。脳内に鳴り響くアイディアを1から構築し、楽曲として完成させる作業はかなり難解だったのではないでしょうか?

シンフォニックな要素を取り入れていることは、初期からのANTHELIONの特徴でもあります。今回の制作では以前と比べ、題材探しに比較的多くの時間を割いたこと以外、多くの違いはありません。特別だったのは題材探しの段階で、私も取材を重ねたということです。そこでは生活のことや、他人が知らない秘密など、様々なことを聞かせていただきました。その中には援助交際や堕胎、衰弱、さらには人間の醜悪な部分などもあります。これらは私にとって最も糧となり、作品にも反映されています。

-本作には台湾を代表するメタル・バンド CHTHONICのFreddyを始め、日本人チェリストの斎藤孝太郎など、数多くのゲストが参加しています。ANTHELIONが多くのアーティストからの支持を得ている証明となりますね。

評価については他の方に委ねたいと思います。私は制作の際に一緒に協力してくれる友人を探しました。ゲストはみな友人でもあり、業界でも素晴らしい実績を残している方々ばかりです。ご協力いただいた友人たちにはみな、ANTHELIONを支持していただいていると思います。時に彼らからは貴重な意見を提示していただいています。本当にありがたく、感謝しています。

-アルバムを通して聴ける女性コーラス・ゲストの顔ぶれもかなり豪華ですね。美しい歌声がANTHELIONのカオス・サウンドと相乗効果を起こし、オペラティック・メタルとしても質の高い作品になっていると感じます。

この3名の女性コーラス・ゲストはANTHELIONの音楽に大きなプラスをもたらしました。RENASCIMENTOの逸卉、NOCTURNE MOONRISEのMei、それにCRESCENT LAMENTのMuerです。それぞれのバンドでも活躍がめざましく、音楽的な特徴も違います。このような協力をいただくことは少なくありませんが、今回は特に満足いくものとなりました。

-豊かな表現方法を多様に持つ台湾の文化にはとても興味があります。メタル・シーンを含む、台湾音楽界の現状を教えて下さい。

台湾のインディーズは大変活発であり、アイディア不足の危惧はまったくありません。しかし制作や編曲では、まだ努力が必要だと思います。メタル・シーンにおいては、台湾のメタル・バンドの数は非常に多く、みな上昇志向が高くプロフェッショナルでありたいと願っています。この点では日本は大変成熟しており、私たちは学ぶべき部分が多いと感じています。