－随所にある打ち込みのサウンドが曲の雰囲気を作っている一方で、多用はしないようにしているように感じたのですが、打ち込みに対する考えかたやポリシーなどはありますか？

K：スタートがさっきも言ったようにインダストリアルに影響を受けているので、打ち込みを使ってなんぼみたいなところがあったんですけど、歳をとるにつれて（笑）そこまで使う必要ないかなって。音同士が殺しあっちゃったりもするんで。せっかく入れるんだったら、音同士がしっかり活きるように意識はしてますね。

－今作は全5曲とコンパクトな構成ながら、アカペラにも近いイントロから、ツー・ビートの激しさを持った「I'm waiting for that day」まで、バラエティに富んだトラック・リストになっていますが、作品全体を通して目指したものや意識したことを教えて頂けますか？

K：アルバムを作るにあたって他にも曲はあったんですけど、バランスや流れをみて、5曲を選びましたね。ピアノが入っている「ALONE」をリードとして入れてるんですけど、それを基軸にして、最初のインスト曲「The end of silence」もあとから付けたりして。レコーディングしながらどういう流れにするかっていうのも決めていきましたね。1枚通して聴けるEPを意識しました。

－やっぱりTrack.3「ALONE」がキーですよね。

K：そうですね。まあ、バラードでもないんですけど、ヘヴィでもない。でも、耳に残る旋律というか。メロディとかは聴きやすい部分もあると思います。ただ、やっぱりバンドなので、バンド・サウンドを活かす部分も入れたいので、ブレイクダウンを入れたり。自分たちのできることをつめた曲ですね。

－「ALONE」はすごくエモーショナルで、今のシーンにおいて面白い楽曲だと思いました。この曲はどのようにして生まれたのですか？

K：最初はリード･トラックを作ろうっていうところから始まりました。このメンバーになってからはラウド色がどんどん強くなっていたので、そういう状況の中で自分たちのリードとはなんだろうって結構悩んだんですよね。歌詞も自分が毛嫌ってたラヴ・ソング的なところがあったりして、それも含めて、自分たちなりに挑戦しました。本当に偶然やタイミングが上手く重なってできた曲ですね。ピアノも当日来てくれた人がその場でアレンジしたりしてくれて。

－普通に聴いただけではピアノありきな曲な気がしますよね。

K：そうですよね。まあ、べースとしてはこういう雰囲気の曲にしたいっていうのはあったんですけど、そこに細かいことをいれたりしてるうちに時間がかかってしまいましたね。

－他の曲もアレンジャーさんが入ってたりするんですか？

kenken：いや、他はほとんど居ないですね。原曲のイメージからぶれないようにみんなでアレンジし合いました。やっぱり「ALONE」が特別でしたね。

－Track.2「My gain upset my life」のヘヴィネスとキレキレの展開もものすごい密度で印象的ですが、2分ちょっとの曲なんですよね。それも含めて異色だなと思いますが、この曲はどういった意図で作られて、またこの位置に収められたのですか？

K：まずアルバムの構成として、「ALONE」がキーだったので、「ALONE」に合わせすぎると明るくなりすぎちゃうんですよね。だから、1発、2発くらい凶悪な曲が欲しいよねって。あとは単純に自分の中のポリシーとして短い曲の方がカッコいいなっていうのがあるんですよね。何度でも聴きたくなるっていうのが個人的にあって。ガツンと嵐のようにきて去ってくみたいな感じがいいかなって思って作りました。

－では、パンチを意識したんですね。

kenken：完全にパンチですね（笑）。

K：そのパンチを強調させるためにあえてインストを前につけてっていう感じです。

kenken：アルバム・タイトルが『The end of silence』になったきっかけでもありますね。静けさが終わって「My gain upset my life」がドーンとくる、そういう意味合いがアルバム・タイトルには込められてますね。

－なるほど。じゃあ、僕の聴きかたはじゃあ皆さんの思うツボにはまってますね（笑）

一同：（笑）

－バンドのコンセプトとして、"斬新なサウンド"と"絶対的な世界観"を掲げていますが、このコンセプトはどのように決めたのですか？

kenken：そうですね、結成当初から使っているフレーズですね。

－コンセプトについてもう少し詳しく教えて頂けますか？具体的にどのようなサウンドや世界を目指しているのでしょうか？

K：すごく簡単にいえば、他のバンドとは違うことがしたいってだけなんですけどね。でもその中でも波から外れないように自分たちを確立していくか。まあ、実際その程度のことです（笑）。"斬新"とか言ってればカッコいいじゃないですか（笑）。

kenken：まあ、Kはインダストリアルが好きで、そこにもともと僕が好きだったラウドロック系をミックスして新しいサウンド、"斬新"なサウンドにしていきたいっていう思いはありますね。