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INTERVIEW

FINCH

2014.10.10UPDATE

2014年10月号掲載

FINCH

Member:Alex Papas (Dr)

Interviewer:山口 智男

-8月に来日公演を行ったばかりですが、日本の印象は?

日本はFINCHにとってホームの1つなんだ。いつも愛を感じるよ。この前、日本に行ったときもショウのあとで新作の試聴会をやったんだけど、みんな参加してくれてね。いろいろな質問に答えたよ。そういうことをやるのも、日本のファンがいつも愛情を見せてくれるからなんだ。いつもスーパー・クールでおもてなしも素晴らしい。とても感謝しているし、スペシャルな国だと思っているんだ。中にはあまり愛情が伝わってこない国もあるからね。日本ではいつもショウから何から楽しい思い出ばかりだよ。みんなが優しくしてくれるから、俺たちも日本には優しいんだ(笑)。

-嬉しいですね。でも日本のファンのリアクションがよその国と違うということなんでしょうか?

日本のファンのリアクションはディープというか、洞察が優れている気がするんだ。俺たちが何なのか、何を歌っているのか知りたいという気持ちを強く感じる。それに感謝しているんだ。俺たちは音楽をアートだと思っているし、たまにはメッセージ性のあることも言うし、言いたいこともあるからね。それを知りたいと思ってくれているわけだから。

-もしかしたら言葉の壁のせいかもしれませんね。壁があるからこそちゃんと知りたいという思いが強くて、知ろうと努力するのかも。

確かにそれはあるかもね。友人やファンにも何度か言われたことがあるよ。俺たちも、言いたいことはできるだけ音や言葉で表現できるようにしているしね。

-もちろん最終的には音から感じ取るものがあって、それがメッセージとあいまってこのバンドをスペシャルなものにするのだとは思いますが。

なんて相思相愛なんだ(笑)。

-新作を作るにあたっては、特にテーマや方向性は決めていなかったそうですが、完成したアルバムを聴き返してみて、どんな作品になったと感じていますか?

とても誇りを持っているよ。一生懸命作ったものだしね。曲もたくさん作ったし、ものすごく吟味した。FINCHのアルバムはふたつとして同じものがないようにしたいからね。今の俺たちを体現するものにしたかった。歳を重ねて利口になって......あ、利口になったかはともかく(笑)、歳は取ったからね。前回からいろいろなことがあったから、視点や意見も変わった面があるだろうし。聴き返したときは嬉しかったよ。40曲も書いて、あらゆる手を尽くしたあとだったしね。望みどおりの着地点だった。これほど長い時間をかけて作ったものだから期待もものすごく大きいよ。

-毎日、ガレージに集まって、1日12時間、ひたすら曲を作りつづけたそうですね。

うーん、もう少し短かったかも。8~10時間くらいかな(笑)。プリプロは1ヶ月半くらいかかったかな。俺の家に泊まりこんで、とにかくできるだけのことをやったよ。

-曲作りは最初からスムーズに進んで、次々に曲ができたんでしょうか? 曲作りはどんな雰囲気でしたか?

まぁ、アルバムを作るときは誰でもいろいろ難関にぶつかるものだからね。バンドとしての歩調が合ってきたころからいろいろなものがスムーズに動くようになった気がする。今回の半分くらいは、アルバム1枚分くらい曲を作ってからそれをスクラップして作ったものなんだ。前にもそういうことがあったけど......とにかくあらゆるタイプの曲がベストの状態で手に入るように、たくさん曲を作っていったんだ。曲作りのムードは概ねフレンドリーだった。まあ、どんなバンドでも意見の一致や不一致はつきものだけどね。昔みたいに力ずくでどうこうっていうのもなくなったしね(笑)。歳を取ることの利点のひとつだな(笑)。意見の不一致があっても、まずはそれぞれのアイディアにチャンスを与えてみるようになったんだ。

-曲作りを進める中で、方向性を決めたとか、自分たちがどんな作品を作るべきかはっきりとつかむきっかけになった曲はありますか? その曲ができたことで、どんなことを確信できた?

やっぱり「Back to Oblivion」だね。割と最初の段階で歌詞までできたんだ。できあがって聴き返してみたら、"WOW! これは何かすごいものになるぞ"と思った。スタイルから歌詞から、何もかもが、2ヶ月ジャムりながら自分たちの音を改めて見出そうとしていた結果がこれだって思えたんだ。あの曲が起爆剤になったね。