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INTERVIEW

PIANO

2014.09.10UPDATE

2014年09月号掲載

PIANO

Member:Chris (Ba) Jez (Gt/Vo)

Interviewer:米沢 彰

-また、ジャケットも意味深ですよね。これはどういった意味が込められているどういったシーンなのですか?

J:アートワークは画家である俺の実の兄であるJustinが描いてくれた「アンタイトルド」という名前の絵なんだ。この絵のミステリアスで暗いイメージがアルバムにピッタリだと思ってこの絵を選んだ。この絵にタイトルがないように、この絵がアルバムの内容を具体的に表現しているわけではないが、アルバムに収録されている曲の基本的なコンセプトをパラレルに表現する様々な異なる感情を象徴していると言えるだろう。

-作品を通して流れる空気感は6年を経てもPIANOらしさをまったく失わないどころか、むしろ濃くなっているように感じました。この6年の間もメンバー間の音楽的な交流は続いていたのでしょうか?

C:自分たちでもこれは驚くべきことだと思うんだけど、前の日本のツアー以降、実は1度も全員でスタジオに入っていないんだ。というのも、まずは全員が満足いくアルバムを完成させてからのリハーサルというのがメンバーで共有していた考えかただったからね。これからしっかりスタジオでのリハーサルに入ることになっているけど、とても楽しみだよ。

-メンバー全員がそれぞれ多様な活動をされていますが、実際の制作活動はどのようにして進められたのですか?

C:このアルバム制作は確かに難航したよ。俺とJezの間でヴォーカルのアイディアを出し合って、できたものに合わせてまた楽曲をリアレンジしていくという実際の作曲プロセスだけでも数年を費やしたからね。

J:俺たちは基本的にはギター、ベース、ドラムといった基礎を先に作り込んでからヴォーカルを磨くんだ。

C:俺はシンセのパートを考えるのと、お風呂でマイクに向かってひとりでハミングを録るのに数百時間は軽く費やしたよ。このアルバムには俺たちができるすべての可能性を妥協せずに出し切ったんだ。ほとんどのレコーディングは自宅で行なって何人かのプロデューサーに送ってチェックしてもらい、最終的にはSKYHARBORのメンバーでもあるKeshav Dharに1年以上ミックスやポスト・プロダクションを手掛けてもらった。本当に気が遠くなるようなマラソンだったよ。

J:そうだね。想像の欲望と創造を愛しむマラソンだったね。

-特にヴォーカルのDanはTESSERACTやSKYHARBOURといったプログレッシヴなバンドでの活動で多忙だったものと思いますが、今作の制作にはプライオリティを置いて取り組めましたか?

J: 俺たちはみんな、それぞれ違うライフ・スタイルを持ち、生活しているから、PIANOだけに時間を費やすことはできないということはメンバー全員が理解している。ただPIANOというバンドは単に音楽をするための集団というよりも、クリエイティブな活動を共有することができる親友たちという深い絆で繋がっているバンドなんだ。Danは時間をマネジメントする天才だからPIANO以外にもたくさんの音楽活動をすることができるんだ。

-効果音を使った雰囲気のあるトラックが多いですが、これらのサウンド・ワークは主にどなたが担当しているのですか?

C:シンセ・パートのことだね。前作の『Valediction Of Verse』からストリングスなどを実験的に足すようになったんだけど、そのことからシンセが曲に新たな一面と広がりを持たせてくれることを知った。作曲という意味ではこれらのパートは俺がほぼ担当したよ。JezとDanにできたパーツを常に送って、みんなが気に入ったものだけを残していった。このアルバムにはシンセがソロで鳴っているところもあるから、ツアーでもそこをしっかり再現したくて、ライヴでシンセを演奏してもらうために新たにSamをメンバーに加えたんだ。