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INTERVIEW

ASHLEY SCARED THE SKY

2013.09.17UPDATE

2013年09月号掲載

ASHLEY SCARED THE SKY

Member:Julian (Gt/Vo)

Interviewer:ムラオカ

-インディーでCDも出して認知度もぐいぐいあがってきているタイミングだったので、迷いなどはなかった?

迷いは全然なかったですね。もともとインディー精神があるってわけでもないので、より大きなステージに行けるならなんでも使っていきたいなと思うし。僕らみたいなジャンルって隙間産業のさらに隙間って感じで、やっぱり限界があると思うんですよ。偉そうなこと言うと、僕らをきっかけにこういうシーンがもっと目に触れて盛り上がっていけばいいなと思うんで。

-一時期って"メジャー=悪"というイメージがあったけど、そういう意識はなかった?

特に僕はないですね。例えばメジャー・デビューしたバンドたちのみんなの音が変わっていってしまったら、"何だよ、メジャー行ってさ"ってなると思うんですけど、結局ファンに届いてるものは変わってないんで。ファンからしたら別にどっちでもいいのかなって。僕らもプロデューサーやディレクターがついて、"こうやっていけ"って命令されるなら"いやいや"って思うけど、実際はそうじゃないんで。そこは何の苦手意識もないですね。

-まだリリースされていない状況だけどメジャーに在籍しているという実感はすでにあるかな?

はい。レコーディングで実感しましたね。前はほぼ自宅で自分でやっていたのが、いきなり大きなスタジオでレコーディングを行ったので。

-9月25日にメジャー・デビュー作品の『Thanatophobia』がリリースとなるけど、その前に1度話を遡らせてください。今年5月にインディーからリリースしたシングル『The Revival』まで1stEPのリリースから約2年かかりましたね。ライヴなど活動自身は行っていたのにリリース・スパンがここまであいたのはなぜ?

言い訳ですけど、基本的に曲を作るのが遅くて、特にストックを持たないタイプなんですけど、まさかこういう風に上り調子にいくと思ってなかったので。激ロックのツアーが決まったり、Red Bull Live on the Road があったり。ずっとオーディションしてる状態なので、全然落ち着かなかったんです。"これが終わってからにしよう"って思っていて、それが終わって落ち着いたので"さて出すか"という感じでした。

-今作『Thanatophobia』は『The Revival』からわずか4ヵ月で完成しました。今回かなりハイピッチで曲制作が進んだのはなぜ?

やればできると、見とけと(笑)。ミュージシャン的なタイミングっていうんですかね。一瞬でできる時もあれば、凄い時間かけてもできない時もあったり。今回は2年間何もできず、2ヶ月でできるというタイミングだったというか(笑)。

-締切もあったのでは(笑)?

はい、がっつりありましたね。そこは死に物狂いでやり切りました(笑)。

-収録されている新曲2曲を聴いたけど、第一印象がメジャーに行ってもいい意味で変わってないなと。特に1曲目の「Thanatophobia」はインディー時代以上にブルータルでデスメタリックな極悪パートからブッ込んでくるのが印象的でした。メジャーに行ってもASTSは変わらないという意思表示にも感じたけど実際どうだろ?

正直その時のノリで作ってるんで、何も意識はしてないです。僕らって、基本的にシンプルな構成で激しいながらもキャッチーなものが多くて。前の『The Revival』の時も割りとシンプルだったと思うんですよね。そうやってシンプルな方向に走ってたんで、その反動で、なにも考えずに激しさを突き詰めたのが「Thanatophobia」ですね。

-シングル曲ということは意識して作ったのかな?

いや、シングルにすることを意識してというより、"かっこいいものにしよう"と意識して作りました。"とにかく今出せる1番かっこいいものを作ってシングルにしよう"って感じでしたね。

-ユニバーサル / EMIチームとして初のラウド系バンドがASTSだったから、どういう作品を作ってくるのかと非常に興味深かったんだけど、こう来たかと。レーベル・サイドからこんな楽曲にしてほしいなど注文はなかったのかな?

本当に何もなかったですね。実はドッキリなんじゃないかなと(笑)。逆にあんまり言われても困っちゃいますけどね、"じゃあ僕らじゃなくていいじゃん"って。

-聴かせた時に"激しいね~"とか言われなかった(笑)?

それが、おかげ様で"かっこいいね"と言ってくれたので、"あ、ここまでやっていいんだ"って(笑)。

-この曲ってシーンにとって重要な意味があると思うんだよね。メジャー所属のラウドロック・シーンのバンドの曲の中でも1番ヘヴィな曲なんじゃないかな。ひとつ壁を壊したのかなと。

それは気付きませんでした。そう言われると恥ずかしいですね(笑)。シングルとなるとキャッチーでシンプルなのが多かったりするけど、確かに僕らの場合は逆行してますもんね。

-ブレイクダウン・パートで鳴っているギターのフレーズが中近東風なのは面白いよね。

今までなかったですね。思いつきで入れたんですよ。僕らって、ギター1本じゃないですか。最初はシンセとか打ち込みで代用しようと思ったし、いつもはそうしているんですけど、今回はギターで入れないとフレーズ感が映えないなと考えて入れてみました。たぶんあれが入ってるおかげで、AUGUST BURNS REDみたいなメタルコア然とした激しい印象があると思います。

-確かに。ちなみに"Thanatophobia=死恐怖症"という非常にインパクトのあるタイトルだけど、歌詞はどういった内容なのかな?

ヴォーカルのKentaroが持ってきたんですけど、末期癌の患者さんとか死を目前にした人が陥る恐怖症みたいなものを心理学用語で"Thanatophobia"って言うらしいです。歌詞もストレートにそれに関して歌っているわけじゃないんですけど、それにまつわる歌詞って感じで。

-歌詞はKentaro君が書いてるの?

サビ以外はKentaroで、サビは僕が書いてます。

-それはあまり他のバンドではみないスタイルだね!スクリーム・パートのKentaro君が書いた歌詞を確認してから、クリーン・パートの歌詞をJulian君が書いてるの?

そうですね。メロディを僕が考えるので、歌い回しなど自分で書かないと逆に時間がかかっちゃうんですよ。最初にサビ抜きの歌詞を送ってもらって、こういうイメージで、こういう意味合いなんだよねってことを教えてもらって。で、僕がそれに沿って書いて、Kentaroに渡してすり合わせる感じです。