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INTERVIEW

BREAKING ARROWS

2013.07.09UPDATE

2013年07月号掲載

BREAKING ARROWS

Member:DAITA (Gt)

Interviewer:荒金 良介

-今回BREAKING ARROWSの1stアルバムが完成しましたが、これはDAITAさんが10代の頃から抱いていた夢だったそうですね?

個人的にギターを弾き始めたときにも、海外で活躍されてる日本のアーティストがたくさんいましたからね。当然、僕も洋楽を聴いて育っているので、本場の人と肩を並べてやれるようなプレイヤーになりたい、いつかチャレンジしてみたいと思ってましたね。ただ、バンドを作ってどうこうよりも、純粋にアーティストとして行ってみたかった。僕が聴いてた音楽は向こうのものが主流だったし、当時はLAのサウンドが一世を風靡してましたからね。西海岸で生まれてくるロックのサウンドは乾いてたし、ギター、ベース、ドラムの音も本当にかっこ良かったですからね。そういう人たちが作る音に近づきたくて。

-やはり80年代のLAメタルとか、その辺ですか?

僕の世代的にはそうですね。VAN HALEN、MOTLEY CRUE、ハード・ロック/ヘヴィ・メタルが全盛の時代でしたからね。ギター・サウンド主流のヘヴィ・ロック全般を聴いてましたね。で、90年代になると、自分もプロとして本場に行くんですけど、そのときにかかってきた音楽がSOUNDGARDEN、ALICE IN CHAINS、KING'S Xで、その辺の音楽も聴いてましたからね。

-90年代に初めてアメリカに行ったときは、SIAM SHADEの時ですか?

1996年頃かな。SIAM SHADEの初めての海外レコーディングでアメリカに行ったんですよ。本場のサウンドを作ろうと思って、David Biancoというエンジニアの人で、ちょうどOZZY OSBOURNEの『Ozzmosis』をやっていた時期だったので、Zakk Wyldeがどういう音で録っていたのかみたいな話も聞いて。

-へぇー、そうなんですね。

向こうの地を踏んで、本場のエンジニアから刺激をもらって、やっぱりこういう環境でやってみたいなあと。好きなバンドがたくさん活動してる場所だから、当然興味は沸きますよね。

-DAITAさんは現在ソロでも活動されてますが、バンドとソロではやはりギタリストとしてのアプローチは意図的に変えてます?

バンドはバンドだと思ってるんですよね。ソロ・ギタリストとしてやり始めたのはJoe Satrianiもそうだけど、自分がギターを始めた頃に活躍していた人の影響も受けて、ギターだけでしか表現できない世界に興味がありましたからね。その一方でバンドでしか表現できない世界もあるので、欲張るわけじゃないけど、分けて考えてますね。バンドのときはバンドのギタリスト、ソロでは自分のギターを追求する感じですね。バンドのギタリストとして誰が好きかと言われたら、RUSHのAlex Lifeson、KING'S XのTy Tabor、Zakk Wyldeに会ったときにも感動しましたからね(笑)。こういう世界に入って、いろいろ対談させてもらう機会があったから。正直、歌がある音楽で弾くときと、そうじゃないときではギターの役割が全然違いますからね。歌があるときはリズム・プレイに徹する......まあ、SIAM SHADEはごちゃ混ぜでしたけどね(笑)。

-なるほど。BREAKING ARROWSでは完全にリズム・プレイに徹してますよね。

そうですね。基本的にプロデューサーのMarti FrederiksenとBREAKING ARROWSのアルバムを作るときに、王道のロック・サウンドを今の形で作ろうという話をして。必要なものは残して、必要じゃないものは削除していく。僕に必要とされていたのはリフだったので、そっちに特化しました。曲自体が全部ギター・リフからできたものばかりですからね。

-それはDAITAさんとプロデューサーとの話し合いの中で、そういう方向性になったんですか?

2010年から共同作業をしたんですけど、その当時なかったサウンドに作ろうと思ったんですよ。小細工なしというか、マンパワーだけというか、その人が持ってるエネルギーを明確かつストレートに注入する作品にしたくて。そこから生まれてくる音も一貫したものだったし、より自然体なプレイやアイデアを重要視しましたね。

-2002年にSIAM SHADE解散以降(※今年再結成ライヴ・ツアーを発表)、ソロ活動、氷室京介さんのツアー・ギタリストなど、様々な経験をされてきて、自分の中でこういう音楽をやりたいという強い願望はあったんですか?

当然今までやってきたプレイ・スタイルがあるので、その中の1つとしてヘヴィなサウンドのロックをやりたいと思って。だから、そのヘヴィなサウンドに乗るヴォーカルを探して、ヘヴィなサウンドを好むバックのメンバーを探したんですよ。でもこうしなきゃいけないというものは全くなくて。逆に何ができるかな、どうなっちゃうかわからない、というワクワク感から始めたので。自分という軸はありつつ、いいアイデアを出せるようにいろいろ準備しました。

-自分の強いエゴを押し出すというより、チームとして何ができるかみたいな?

超一流のMartiというプロデューサーに大きな舵は預けつつも、僕も日本でキャリアがあり、プロデュースをやった経験もあるので、自分の中ではWプロデュースみたいな感覚でした。自分もプロデューサーの視点に立ちながら、プレイヤーとしての立ち振る舞いをすることが楽曲を生み出す上で必要だなと。だから、無駄なものを一切削ぎ落して、いままで作ったことがない楽曲にトライしたので、必要とされるアイデアを捻り出した感じですね。