INTERVIEW
BREAKING ARROWS
2013.07.09UPDATE
2013年07月号掲載
Member:DAITA (Gt)
Interviewer:荒金 良介
-曲作りはどういう形で行ったんですか?
作品に関して言えば、僕とプロデューサーのMarti、あと、ヴォーカルのNik Frostと3人で書き始めたんですよ。あまり人数が多いとアイデアがまとまらなくなるので、それがベストじゃないかと。
-一般的なプロデューサーのイメージだと、バンドが提示した楽曲に対して、味付けやアドバイスをするスタンスだと思うんですが。このバンドに関しては内部までガッツリ関わってるんですね。
初めはNikと一緒にデモを何曲か作ってたんですけど、彼(Marti)のテンションを上げる曲があったのか、"俺も書きたい!"と言い出して。
-そうでしたか(笑)。
あのクラスのプロデューサーがそこまで言ってくれることもないだろうし、忙しい中で時間も割くわけだから、結局彼の家で合宿状態で曲を作ることになって。
-そこは予想外でした?
予想外ですね(笑)。でも僕は多分言ってくるんじゃないかなと思ってました。彼はソングライターとしての才能も素晴らしいし、僕は一緒にやりたかったくらいで、逆になんでこっちまかせなんだろうなと思ってたから。まあ、いろんな経験をいろんな現場でさせてもらいました。
-Martiは曲のどのポイントでテンションが上がったんですかね?
僕のギターに何かを感じてくれたみたいで、アメリカ人のプレイヤーとは違うエッセンスがあるから、面白いと言ってくれましたね。"同じフレーズでもDAITAが弾くと違うんだよね"って。"普段、Steven Tylerと一緒にこういう曲を作っているんだけど、うまくいかないんだよね"と言ってて(笑)。僕のようにどんどんフレーズが浮かんでくる、アイデアマンみたいな人材が必要だ、とも言ってくれましたからね。僕はギタリストだけじゃなくて、そういう側面もあるので、そこが良かったんじゃないかな。お互いにティーンネイジャーに戻った感覚で曲を作りましたよ。こっちもワクワクしてやれましたね。Martiとはめちゃくちゃ歳も離れているわけでもないし、彼も今はカントリーのプロデュースとか幅広くやってますけど、もともとヘヴィなロック・サウンドが好きな人ですからね。それでアメリカでも王道で潔いヘヴィ・ロックで勝負している新しいバンドがいないんだね、という話からこのプロジェクトが生まれたから。
-それで今作では王道のヘヴィ・ロックをやろうと?
幅広い人に聴いてるもらうために作ろうというテーマで始めているので、パッと聴いて楽曲の中にスッと入れるストレートさがコンセプトにありましたね。
-それはやり易かったですか、それとも難しい作業でした?
本来は難しいはずなんですけど、個人的にもそういう作業が好きだから、あまり考えずにアイデアをどんどん提案できたので、フレキシブルにやれましたね。
-今作は80年代のバッドボーイズ・ロックンロール、90年代のグランジの空気も取り入れつつ、今のモダン・ロックとして仕上がってますよね。
70年代、80年代というよりも、自分がどっぷり聴いてきた80年代、90年代のサウンドを自分なりのフィルターを通して、新しい形で作品として発表できればいいなと。以前、アメリカに行ったときにSOUNDGARDEN、STONE TEMPLE PILOTS、ALICE IN CHAINSがラジオでパワープレイでかかってて、その音楽がすごく風土にマッチしてたんですよ。主張があるギターにビッグなベースとドラムがあって、豪快な歌いっぷりのヴォーカルがいる。アメリカがマーケットなので、アメリカでどう響くか、何が求めているのか......今はないからこういうサウンドが必要なんじゃないか。そこは自然な流れでしたね。ただ、今回は聴いてすぐ自分だとわかる作品ではないので、自分のキャリアをど返しして、むしろパッと聴きでわからないものじゃないと、自分がやる意味がないと思いましたからね。
-そこまでこだわる理由は?
音楽の全体を聴いて欲しかったし、曲がそれを欲していたという感じですかね。それはプロデューサーのMartiを信用していたし、曲作りから一緒にやったことも大きいですね。ギター・リフに自分なりの初期衝動を込めたつもりです。